すぐ反応するものの毒
最近は便利な世の中になったなぁとつくづく思う。
ネットショッピングでポチッとすれば、自分は家にいるのに翌日には商品が届く。
ほんの十数年前には考えられなかった事が確かに現実になっているのだ。
テクノロジーは生活を変えてくれる。
しかし、このようなすぐ反応するものには毒があると思うのだ。
特に僕が油断できないなと感じるところが、人間が待てなくなっている事である。
何かを入力して、その出力がすぐ来ないと途端に不安になったり、不機嫌になったりする人が多くなったような気がするのだ。
今までは入力から出力までに時間がかかる事が当たり前だったので、「そんなに慌てなくても」と構える人が多かったのだと思う。
でも、時代が変化したことで入力と出力のラグが極端に小さくなった。
それはひとつの快感だから、癖になってしまう。
すると何においても、入力即出力が当たり前だと思い込んでしまう人が出てくるのだと思うのだ。
よくよく考えればそんな事はありえないのだが、感覚ベースでもそのように変化している。
「たった1ヶ月で−10kg！」とかそういう謳い文句はその典型だろう。
努力を継続して、やっとの思いで結果を得るのではなく、結果だけがいち早く欲しいという考えだ。
要は待つ事ができないのだ。
だからすぐに結果の出る良い方法ばかりを探して、行動せずに終わるという人が多くなるのだ。
結果なんてすぐ出るものの方が少ないのだから、待つ事ができないというのは、結果が出るかもしれないのに勝手に見限ってしまう事と言っても過言ではないだろう。
待つ事は難しいことではないはずだ。
だって過去には当たり前のようにできていたことなのだから。
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