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国立西洋美術館とクローデル [日記と短歌]22,12,17


静止した世界は動き出すぼくが眠った時を狙うまなざし/夏野ネコ


とてもとても久しぶりに上野の国立西洋術館に行きました。2022年春にリニューアルしてからは初めてです。
ちょうど企画展「ピカソとその時代」をやっていたのですが、のんびりと散歩みたいに歩きたかったので常設展に行きました。ゆるいスロープからアプローチして時計回りにゆっくりと自由に回遊していくよう見て回れる西洋美術館の常設展示はお散歩感覚で歩けてよきです。

で、今回の推し物件はこれ、カミーユ・クローデルの彫刻「ペルセウスとゴルゴーン」。今年2022年のリニューアルとともに収蔵された作品とのことですが、とにかくこの子を間近で見ることができて満足しました。

目にするものすべてを石にするゴルゴン姉妹の逸話を考えるとき、彼女たちの見る世界はきっと静止しているんだろうな、と思う。自分たちが眠っている時のみ世界が動いている感覚はとても孤独なことだろう、きっと。だからこの彫刻のゴルゴンはクローデル自身の自画像なのだ、という話を知って、ロダンとのあれやこれやも含め実になんというか悲しいというかその驚異的拗らせ具合に瞠目せざるを得ませんでした。


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