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"幸福な人生"に取り憑かれた現代人

前向きに考えよう
ポジティブになろう
幸せになるために

など、生きることに前向きである姿勢を啓蒙するような活動全てこれらを"ポジティブキャンペーン"と私は呼んでいる。

ポジティブキャンペーンが過ぎる世の中だと思う。
書店は、「人がいかに幸せでいられるか」ということをテーマにした本で溢れ返っている。

幸せを求めるのは当然だと思うけれど、過剰すぎる様に視える。
過剰に求めすぎている人の多い様子が、多くの人が幸せの意を履き違えてるように視える。


幸福なことだけを求める人ばかりいるように感じる。
多くの人の指す「幸福」という言葉の意が、苦しいことや辛いことを避け、綺麗な上澄みだけを掬うような綺麗ごとに聴こえる。

『それは違うんじゃないか』と思わざるを得ない。

これらが行き過ぎて、
前向きに考えられない自分や
ポジティブでない自分
行動できない自分を
見ないようにしていないだろうか。

以前に、料理研究家の方で亡くなった人の癌の闘病記を見たことがある。
彼女は、誰からもポジティブで前向きでエネルギッシュな印象を与えているようで、闘病中も商品開発をして商品を作るようなエネルギー過多なくらいの行動をしているようだった。

結局、彼女はそのまま若くして幼い子供を置いて亡くなっていた。

私の目にはとても不自然に映った。
辛い状況のはずなのに辛いことを嘆いていない彼女の姿があまりにも不自然で奇妙に思え、違和感を抱いた。


もっと、ポジティブだろうがネガティブだろうがどっちだって良いことを前提に、世界を視られる人が増えれば生きやすいだろうなと思う。

一面しか照明の当たらない視方をする世の中は味気ないのと空しいのと、何よりつまらない。


つまらない世界を、如何におもしろくしていくのかが人生だとそう思う。

いつか見た言葉、こんな人生が好き!

「おもしろきこともなき世を面白く」 高杉晋作


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