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マッチングアプリな恋


30歳なる2日前、私はとうとう
マッチングアプリという、今や出会いの主流になっている媒体を使って、初めて見ず知らずの人とご飯に行った。

実際アプリ自体は、もう5年以上前に登録しており、何通かやりとりしたこともあったけど、
LINEのやりとりが、鬼ほど嫌いな上、
素性もわからない相手と、2.3時間食事やデートをするなんて、苦痛でしかなかった為、出会いを求めてはいたが、会うまでには至らなかった。


だけど最近は、5年前よりもアプリが自然に生活の中に存在するようになり、結婚相手との出会いがアプリという新郎新婦も多数いた為、以前より嫌悪感はなかった。


それに伴い、前日久しぶりに会った男友達に
彼女ができていて(ちなみに性格はすこぶるいいが、イケメンとは言いきれない友人)、その子に、

「もう30なんだからさー、相手見つけなきゃダメだよー。」

と、言われ、(心の中では、はぁー?なんであなたに言われなきゃいけないんだよ、今まで散々だったじゃないか、むかつくー!と叫んでいた。笑)

腹が立ったので、いい人と巡り合ってやる。と思い、とうとう本格的にアプリを始めた。



まずは、数だ。

そう思い、気になる人に、何人もいいねをつけた。

昔は、「いいね押したいけど、やっぱり自分から押すのは、、
足跡だけつけて、来てくれるのを待とう!」

なんて、可愛げがあったが、

そんな思いは全くなく、無でガンガンいいねを押し続けた。


余談だが、私は今営業をやっており、まるで営業の図と一緒だと思った。
成約をもらうためには、まず数が大切。そこから実際に営業かけさせてもらえるのは、さらに一握り。そして、その一握りの中から、一件を狙う。


マッチングアプリも一緒である。


一人の素敵な人と出会うには、まずは数。
そして、やりとりから会えるのは一握り。そしてその一握りの中から、お付き合いを狙う。


まるで、仕事である。


私は、何人かの人とやりとりして、一人の良さげな人を見つけた。
外見は、ザ・普通!そして、好きなものが一緒。私に興味を持って気遣いながらやりとりしてくれる。

そんな人だった。この人が会ってみてすごく
写真通りの人だったら、、付き合いたいかも!
と、までいった。


私は、性格もだけれど、割と外見重視だと最近気づいた。


なので、どうか、普通でありますように。と願い、会いにいくことにした。


不思議と、LINEでやりとりしていたので、
初対面の感じはしなかったけれど、向かう電車の中で、何やってるんだろう自分。今すぐ帰って、Netflix見たい衝動に駆られた。


なんとか場所に辿り着きそうになり、LINEがなった。


「ネイビーのシャツ着て、セブンの前で待ってるよ。」


なるほど、服装の特徴を言ってわかってもらうのか。冷静にそう思った。


そして、ふと視界にネイビーのシャツを着た人が入ってきた。


その瞬間、あー。。なくはないけど、ちょっとないかも。でも、これはこれで、アリなのか!?みたいな曖昧な感覚になった。


やっぱり、写真と実物は少し違った。


いや、違くはないけど、やっぱり人って対面で会った時の雰囲気ってある。

その人の、話すトーンや、仕草、目線、指の形、肌の色、匂い、距離感

その全部を含めて、やっぱり会ってみないとわからないと思った。


その衝撃が走った後、ご飯を食べた。

会話のラリーは、すごく楽しかったけれど、
緊張してしまい、物が喉を通らず、半分以上残した。


会話をしながら、頭の中では常に、
この人はどういう人なんだろう。
付き合ったらどんな風になるのだろう。
恋人になったら、どんな顔を見せるのだろう。

と、目まぐるしく、勝手に考えが止まらなかった。


その子は、恐らく
最近交際相手はいなさそうな雰囲気だった。


いつも早寝早起きで、私とのしょうもないランチのためにわざわざ
有給をとってくれ、会いにきてくれた。


だんだん、よくわからないなという気持ちになってきた。


結構一緒の時間を過ごし、帰り車で送ってくれることになった。


別に、車の中での会話も盛り上がらないわけではなかったけれど、
家に着いた瞬間、どっと疲れて、そのまま1時間くらいソファで寝てしまった。


目が覚めて、暖かい飲み物が飲みたくなって、珈琲を入れた。


不思議とお腹は空かなかった。


湯気をぼんやりと見つめて、今日のことを思い返した。


彼が今まで、どんな風に過ごして、その出来事に対して何を思い、どんな人を好きになって、どういう人付き合いをしてきたのか、一切わからない。


今、話をしている目の前の彼の表情、仕草、会話の内容の背景は、もやもやともやがかかったようで、ぬるっとしていて気持ち悪いまま。


ただ、ただ、想像するしかなかった。


私は、その背後に渦巻くもやが、心地悪く、
彼の言葉や、誠実性を信じていいかも分からず、今も過ごしている。


でも、きっと、例えば、そこに現れたのが、
中村倫也だったら(石子と羽尾見て、今更ながらにハマった。笑)、ずっと好きだった岡田将生だったら、彼の生きた背景とかどうでもよくなり、確実に好きになるだろうなと、漠然と感じた。


結局、惹かれるかどうかは、直感でいいかも!という感覚だけなのだ。


だって、わからないけど、私の好きな海外映画では、冴えない書店員が、すごく美人なお客さんに恋をするし、
昔は、文通というのが流行り、それこそ見ず知らずに恋をした話だってある。


それが、ただ単にもっと手軽で、気楽にできる
恋に変わっただけなのだ。


これが、マッチングアプリな恋であり、令和の恋である。


辞めたい時に、メッセージ一つで、辞められる。

人が恋しくなったら、複数に同時にメッセージを送れば、いつだって繋がれる。


会ってみて違うとなったら、チェンジできる。


昔よりも、変えがたくさんいるだけ。
変わりなんかたくさんいるんだ。あなたの変わりも、私の変わりも。


だから、だろうか。


みんな、一定の距離を保って、恋愛しようとしている感覚になる。


私は、不器用だから、心を許した人には、
その人の奥深くまで繋がりたいと思ってしまうので、やっぱり向いてないかもなー。と思いながらも、出会える夢を見て、今日も誰かとマッチングを繰り返すのだ。


なーんてね。また、進展あったら書いていこうかな。

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