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長女は頑張りやさんで責任感が強い、なんて言うけれど

「長女は頑張りやさんで責任感が強いから、いつもなんでも黙ってやるけれど、本当はありがとうって言われたいんだよ」

昨日かな、たまたまテレビから聞こえた言葉。なんとなく聞き流してはいたけれど、今日の仕事中、それを思い返すシーンに遭遇した。



同じ仕事を、わたしと後輩がしていたときのこと。上司が後輩にだけ、「大丈夫?終わらなかったら言ってね。ありがとう」と言っていたのを聞いたとき、わたしはモヤモヤしてたまらなかった。

わたしだって、同じ仕事をしているのにな。
どちらかと言えば他の仕事と並行して処理しているわたしのほうが、大変なはずなのにな。

でもわたしは曲がりなりにも役職者だし、優れたプレイヤーとして後輩の手本になるべき立場でもある。だから今やっていることは当たり前のことであって、わざわざ取り立ててお礼を言われるようなことじゃない。

そんなこと、わかっているのだけれど。わたしの心が狭いだけだって、わかりきっているのだけれど。



「大丈夫?」って心配されてみたい。
「ありがとう」って認められたい。

別にね、そんなこと言われなくたって、大丈夫なんだ。心配されなくたって、認められなくたって、頑張れる。それがわたし、長女の務めだから。

でも、たまにでいい、本当にたまにでいいから、気づいて欲しいの。
わたしが誰にも言わず頑張っていること、無理してないフリが上手なこと、こんな気持ちを抱えながら仕事をしていること。

「どうしようかなあ、困ったなあ」なんてこれ見よがしなひとりごとを言える後輩たちが、わたしは羨ましくて仕方ないんだ。



「長女は頑張りやさんで責任感が強い」なんて本当だけど、嘘でもある。だからたまには、そんな不器用なわたしたちのこと、少しでいいから気づいてくれたら嬉しいな。



世界はそれを愛と呼ぶんだぜ