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逃げこんだ先に出会った人

『好きかどうか、もうわからない』

あの夏、わたしの心が、わたしに告げたこと。
一緒にいると安らぐし、笑っていてほしいし、こんなに愛してくれる人、きっと他にいないのに。でも、それでも。

わたしは逃げるように、一人イタリアへ旅立った。

たくさんの人に出会った。
涙が溢れる景色にも、おいしくて感激したジェラートにも。

そしてなによりわたしは、あの夏のイタリアで、日本に残してきたはずのあなたに会ったんだ。

涙が溢れる景色を、一緒にみたかった。ジェラートだって、あなたがいたらもっとおいしかったはず。
あなたを探して何度、振り返っただろう。
あなたを感じて何度、名前を呼んだと思う?

『好きかどうか、もうわからない』なんて、ごめん。
帰ったら、抱きしめて離さないから。
こんな近くにいたんだね。わたしの、好きな人。

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世界はそれを愛と呼ぶんだぜ