三つ菜

ポルトガルと池澤夏樹が好きです。 何につけても、飾らず素直に。

三つ菜

ポルトガルと池澤夏樹が好きです。 何につけても、飾らず素直に。

最近の記事

らしくないコンサル、3年目。

大学を卒業し、都内のとあるコンサルティングファームに入社して3年目。親しい友人達からは「コンサルなんてらしくない」と言われ続け、自分でもそう思いながら、なんだかんだ居座っている。 思い返すと、確かに入社当初は葛藤続きだった。この人達と自分とでは話す言語が全く違う、とまず悟ったから。 言葉。 それは私にとって、相手への想いや優しさを込めるものであり、これくらいの%で向き合ってますという意思表明であり、また自分の内なる感性を表すものだった。当たり前にそういうものとして、私は

    • 「もの」に乗せる

      数ヶ月前、仲の良い友人がとある古着屋を教えてくれた。 自宅から電車で1時間もかかる場所だが、私はその小さな古着屋が好きで、月に1回は足を運んでいる。オーナーが1枚1枚目利きして仕入れているのだろうか、揃えられた品物の数々が、とにかく絶妙にこちらの感性をくすぐってくる。集められるブランドはざっくばらんだ。だから一見統一感がないようにも見えるけれど、オーナーの美意識というフィルターがかけられていることで、どの品物もどことなく一様な雰囲気をまとっている。そんな空間の中で、その時の

      • サラリーマンは変面師だ。

        寒い日に池袋駅に降り立つと、蘇ってくる記憶がある。 大学時代、中国から留学してきた友人に連れられ、池袋の火鍋屋を訪れた日。私はその火鍋屋で、「変面」と呼ばれる中国四川の伝統芸能を初めて目にした。 席で火鍋をつついていた時、赤を基調とした派手な衣装と仮面を身に纏った「変面師」は、どこからともなく颯爽と現れた。大音量のBGMに合わせ、マントを翻しながら店中央に広がるスペースへと移動し、おもむろにそのショーを始めたのだった。 マントの長い袖で顔全体を覆い、仮面がまるまる隠れた

        • noteチャレンジ(冬休み特大号)

          どうも、三つ菜です。 はぁ、久しぶりにnoteを開きました~笑 久しぶりなのに、こんなふざけたタイトルでごめんなさい。 唐突ですが、今日から約2週間、できるだけコンスタントに投稿していきます。 私の職場は、普段は定時という概念すらないハードワーク気味な環境ですが、まとまった休みを取りやすいのが良いところです。そして現在絶賛冬休み中(16連休)なので、これを機にとnoteを開きました。 今日はチャレンジ初日ということで、noteをもう一度始めようと思い至った経緯を綴ります

        らしくないコンサル、3年目。

          水辺サイクリングのすすめ

          普段はディズニーランドへの乗り換え駅として使用される新木場駅も、このコロナ禍ではさすがに人の流れが落ち着いている。 今朝、夏が始まるというのに衣替えをさぼったままのクローゼットから、一番動きやすそうな服を引っ張りだしてきた。まだ大学生だった頃に吉祥寺の古着屋で手に入れた丈の長い黒のカットソーと、いつ買ったかすら覚えていない無印良品のベージュのチノパンツ。飾り気が無さすぎるかとも思ったけれど、高校時代の旧友とのサイクリングだし、まあ良いだろう。 今日は、最近巷でよく見かける

          水辺サイクリングのすすめ

          金沢でおもう、旅と消費

          ー2020年秋ー 11月中ごろ、秋の終わり、はじめての金沢。 友人と1泊2日の週末旅行にやって来たが、なかなか良いところだ。定番のひがし茶屋街や兼六園は、やはり一見の価値があるな。紅葉が見頃のシーズンだし、政府のGOTOトラベル効果もあいまって、どこもかしこも相当に盛況しているようだ。 茶屋街を練り歩く人々を、ぼーっと見物してみる。 嫌でもよく目につく、“着物姿で記念写真を撮る”若い女の子たち。最近、いわゆる「古都」と呼ばれる金沢や京都では、観光客向けのレンタル着物が

          金沢でおもう、旅と消費

          青、リスボン

          2月13日(木)旅日記 びっしりと厚い灰色の雲に覆われ、リスボンには珍しい雨模様。 ああ、今日の計画を一から練り直さなければならない。身支度を終えホステルの扉を開けた私は、頭上を見上げてがくんと肩を落とした。だってこの町には、青空の下でなければ意味をなさないものが山ほどあるのだ。      いつの日か私がリスボンの風景を描くなら、真っ先に水彩絵の具を手に取るだろう。色鉛筆でもパステルでもなく、水彩具でなくては駄目だ。筆先にたっぷりの水分を含ませて、キャンバスに色を滲ませ

          青、リスボン

          機内食は餌やり?

          「機内食は動物園の餌やりのようだ。」 いつだか、暇つぶしにYouTubeで見つけた深夜枠のお笑い番組で、ある芸人が溢していた一言だ。この表現に妙に納得させられたから、今でもしっかり覚えている。その人は、だから機内食は好きになれない!と言っていたが、私はさして嫌いではない。むしろ、機内食というイベントを楽しんでいる部類に入るだろう。 私が今乗っている羽田発ドバイ行きの11時間に渡る壮大な長距離便でも、CAの装いをした飼育員による餌やりの瞬間がまさに訪れようとしている。 彼

          機内食は餌やり?