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門司港と噛み合わない

今日も対岸へ渡ろうと旅客船ターミナルに向かうと、広場にうさぎのぬいぐるみが落ちていた。

うちの妹はぬいぐるみと暮らしている。彼女にとってぬいぐるみの紛失は親きょうだいやパートナー、親友の失踪と同じ意味を持つと言っても全く大げさではない。そういう人の存在を知っているから、わたしは落ちているぬいぐるみを放っておけなくなってしまった。

ターミナルのスタッフさんにお渡しすると、「ぬいぐるみ落とした方いませんかー!」と大きな声で周囲に呼びかけ、持ち主がいないことを確認したのち入り口横に座らせてくれて優しかった。

見つかりますように

下関市立歴史博物館にバスで向かう。「燃えよ剣」は幕府の崩壊とともに新選組がガタガタになっていくのがつらくなってきたので、今日は息抜きにおうちにあったミステリーを持ってきた。車中で読みふけり、しっかり乗り過ごした。

戻るバスの待ち時間は20分もある。炎天下で待つのは無理だと判断し、バス停前のファミレスに入ったら冷房が壊れていた。外よりマシだし、かき氷を食べながら過ごす分には快適な温度だったけど、猛暑日のファミレスで冷房故障だなんてお店の人のことを思うと同情する。きっとキッチンと苦情対応がどえらいこと。

妹から「鳩が日陰に避難してる」と写真が送られてきたが、山口の鳥と魚も日陰に集まっていた。川とはいえ日向は暑い。

博物館の展示は幕末の幕長戦争、下関戦争が中心。「燃えよ剣」と時代がどんぴしゃでイメージがわきやすく、臨場感ある見学ができたのがとても良かった。

長州藩と萩藩、長府藩の違いがいまいちわからず、調べたら長州藩は萩藩の別名とか、萩藩や長府藩を含めた山口県あたりの藩をまとめて長州藩と呼ぶとか、長府藩は長州藩の支藩だとか、いろいろ出てきて結局よくわからなかった。

近代化された兵器を持つ西洋諸国と、火縄銃と刀の日本。幕末の日本が諸外国の植民地にならなかったのは本当にすごいことだと思う。

お昼に行こうと思っていたお店は臨時休業。通りがかった良さげなお店はラストオーダー終了とランチ難民になってしまったので、とりあえず唐戸まで戻る。

バスを待つ間にお土産屋を覗いたら、吉田松陰団子が売っていた。吉田松陰が人気なのはわかるけど、なんで高杉晋作はお土産にならないのだろうか。

パンでも買っておうちで軽く済ませて夜早めに飲み屋でも行こうと思い門司港に戻ったら、パン屋は全てお休み。それならケーキでも食べて誤魔化すかと帰り道のお店でテイクアウトを試みるも「今テイクアウトやってないんです」と断られる。

結局冷蔵庫にあったものを適当に食べて、そろそろ外に出るかという頃に突然の豪雨。止むまで待ち、気乗りしないながらも食べに出ようと意を決し外に出て、すさまじい湿気の中、目星をつけたお店ののれんをくぐったら「すいません、ちょっと」と理由がわからないまま断られてしまい、気持ちが完全に腐りモードに入ってしまった。

こうなってしまったら一人で部屋にこもるが吉。結局スーパーマーケットでお惣菜を買って部屋の床で食べた。

思えば、門司港に来てから行こうと思ったお店が臨時休業というパターンが3回くらいあった。門司港、相性があまり良くないんだろうか。どうもしっくりきていない。

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