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座間味でクジラを見る

朝、部屋の鍵を閉めようと思いドアノブを見たら鍵がつけっぱなしになっていた。そもそも昨夜は鍵をかけずに寝ていたので、「鍵がつけっぱなしだ!開くぞ!」と思った侵入者が鍵を回すと鍵が閉まると考えれば逆に成立しているのか?

宿の方の船でクジラを見に行く。行くよ!と言われ、外に出たら駐車場とは反対側に宿の方が向かっていき、はて?と思いついて行ったら野外でお小水をしようとしていた。失礼いたしました。

「親子が来てるみたいよ」と聞いた通り、親子クジラがいた。

親子

あとで見た本によると、クジラの子どもが母親の庇護下にいる時期は、クジラの種類によっては13年間にも及ぶらしい。人間で言えば中学1年生まで。

船上から見るクジラは大きくて小さい。全貌がわからないからうまくイメージできないけど、ふと大きく海面に出てきた瞬間の思っていた以上の大きさにびっくりする。

宿の方が「シャッターチャンス!」と声をかけてくださるので、画面を見ずに適当に写真を撮る。近かったのもあってそれなりに撮れていた。

一旦陸に戻ってから釣りのため再び沖へ出る。今日から1名宿泊者が来るので、「食料を調達に行こう!」とお誘いいただいた。一昨日よりサイズの大きな魚が釣れ、前回宿の方が言っていた「全然釣れない」「海じゃないみたい」の意味がわかった。最終的には二人とも釣り糸が切れ、1時間程度で釣りは終了。

シュノーケルのガイドさんが「タツノオトシゴはオスが出産するんですよ」と豆知識をお客さんに披露しているのを横目に見る。一瞬うらやましいなと思ったけど、最近読んだ村田沙耶香の「殺人出産」が男性も人口子宮をつけて子どもを産める世界が舞台だったことを思い出し、それはそれでグロテスクだなと思い直す。

本日の釣果

カフェに置いてあった沖縄の歴史に関する大きい本を読む。「琉球と沖縄の名称の違い」「北谷はなぜ「ちゃたん」と読むのか」など、コラムが面白い。

結局どちらも理由はいまいちわからなかったけど、戦後の沖縄に設置された中央政府の名前が「琉球政府」になったのは琉球独自の歴史を強調して日本との分断を強めるためだったとあり、なるほどと思う。どうやら「琉球大学」という名称もその名残の名称らしい。なぜ沖縄大学じゃないのだろうと不思議に思っていたが、一つ謎が解けた。

港の近くには大きなクジラのモニュメントがあった。クジラは鋳物で、申請すればギネスを取れるサイズらしいが、観光協会や観光客向けの看板などに特に説明はなく、ひっそりと海に置かれている。

今日来る予定だった新たな宿泊者は時間になっても現れなかったらしい。電話予約のみなので、「自分が日付を聞き間違えたのかもしれない」と宿の方は言っていた。電話予約だと齟齬があったときの確認ができないのだなと、WEB予約が主流になった今新鮮な気持ち。

同じ名前の民宿

夕飯は昨日の同世代の女性が来て、昨夜と同じ3人。島の風習の話を聞く中で、正月より旧正月の方が重要と聞き、本当に中国の影響を色濃く受けているのだなと納得する。

二人が話す島の話を聞いていて、島を盛り上げようと思えばやりようはいろいろあるのだろうけど、結局は島民がそれを望んでいないのだろうなと感じる。地域にお金が落ちることはもちろん大事だが、理論上バチっとしたスキームで物事を進められるとしても、結局のところ島民の「なんとなく嫌」「あの人のことは好きじゃない」といった感情が何よりも大事で、そこをクリアできない限りたとえ完璧なプランがあったとしても実現にはいたらないのだろう。

今日釣ったベラとカワハギ

泊まっているのは2人部屋だが、もともとは二段ベットで以前は4名部屋として使っていたが、冬に泊まる作業員のおじさんたちが酔っ払って下のベッドに入るのに屈みきれず、額をぶつけて大怪我したことから上のベッドを外すに至ったと聞く。何で2段ベッドの上の段がないんだろうと不思議に思っていたが、おじさんの額を守るためという予想外の理由だった。

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