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京都の飲み屋と相性が良い

出張で大阪に来たので、少し足をのばして京都へ。

宿のゲストハウスは外国人がとても多く、共有スペースでごりごりに仕事をしていたら「めっちゃ仕事するやん。なんで日本人は外が暗くなっても働くんだ(意訳)」と隣で同じくパソコンを叩いていた外国人に話しかけられる。

話の流れでフリーランスの編集・ライターであり、女性のキャリアや働き方がメインテーマだと伝えると、どうやら彼の関心ごとのど真ん中だったようでベラベラベラ〜っと彼と妻について語られた。

細かいことはわからなかったけど、どうやら彼はIT系の仕事をしており、妻はロッククライマーで、現在妻はタイの山にいるらしい。20年連れ添っているがコロナ禍でライフスタイルがかわり、今は1カ月離れて暮らしていて、週明けに合流するとのこと。

理想的な夫婦の距離感じゃないかと思ったら、彼は物理的な距離があることを問題に感じていて「ベストソリューションはなんだい?キミが仕事で得た示唆をボクに教えてくれ」的なことを聞かれる。「ノープレッシャー」と言っていたが、その質問には圧しかなかろう。

わたしは簡単な英語しかできないので全く答えられず、苦しまぎれに「山で仕事したら?」と伝えたら「たしかにできるけど、ボクはコンピュータが好きだし、ヒマラヤのふもとのテントで生活するなんて嫌。それに彼女が高いところを登っている姿は心臓に悪いから見たくない」とバッサリ。

熟考の末、最終的に「オールオーケー、ノープロブレム」とばかみたいな返答をしてしまった。お手上げ。

近所の小さな飲み屋には韓国人男性二人組。世話焼きなおばちゃんが「男前やわぁ」と話しかけるも案の定伝わらず、「ユーアービューティフォー」とざっくり通訳したら「ユーアービューティフォートゥー」と、取って付けたようにビューティフォーをお返しいただいた。意図せず褒めを強要するようなかたちになってしまったがありがたく受けとめる。

わたしは酢の物が好き

彼らは36歳で同い年。「ウィーアーフレンド!」とお友達認定をいただく。おばちゃんの息子も36歳で「早く結婚してほしいわぁ」と言っていたような気がするけど、記憶が曖昧なのは酒のせいか、それとも聞かなかったことにしたのか。

韓国人二人組はスマホの翻訳機能を使っておばちゃんとコミュニケーションをとっていた。なんて便利な時代。でもおばちゃんはほとんど「大丈夫」で返していた。ケンチャナヨは便利な言葉。時に翻訳機能を超える。

お店には近隣のゲストハウス客が来るようで、その後もベトナム人カップル、ドバイ人女性が訪れ、ちょこちょこ通訳を担う。とはいえ本当に簡単な英語しか話せないからめちゃくちゃざっくりなのだけど、下手くそなりに頑張ったことが評価されたようで、ホットドッグやらお酒やらたくさんご馳走いただく。

どうやら手羽先の骨を細部までしがんだことも気に入られた要因。やはり細かいところまで残さず食べると年配の方から好かれる。36歳の知恵袋。

サービスのホットドッグ

特にドバイ人の子がめちゃくちゃ愛嬌のあるかわいい子で、よくよく聞いたら両親がフィリピン人とのこと。わたしはフィリピン人女性が大好きなので「やはり」と自分のフィリピン人女性センサーへの信頼が高まる。

彼女は10年付き合っていた人と最近別れたそうで、今日は縁結びのお寺に行ったとのこと。いちいちかわいい。「言葉が違っても笑顔は伝わんねんな」とおばちゃんはアンミカさんみたいなことを言っていた。

「めっちゃかわいいわ〜」ときゃいきゃいしていたら、マスターがわれわれにおしるこを出してくださった。今季初のおしるこ。彼女はあずきが好きらしく、「オイシイ〜!」とはしゃいでいた。かわいい。

お腹いっぱいになってしまった彼女が残したごはんを詰めた持ち帰りパックがおいしそうで、いいな〜と言ったらわたしの分も用意してくださった。

でも、宿に戻ったらマスターにご用意いただいた朝ごはんパックがない。帰るときに忘れてしまったのだろうか。大ショック。

1時間くらいで切り上げて銭湯へ行こうと思っていたのに、「ゆっくりしていきや」と頼んでいないお酒を出され続け、結局閉店まで5時間近く居座ってしまった。「お酒強いわぁ〜」とおばちゃんは感心していたが、わたしは顔に出ないだけでしっかり酔っ払っている。

赤バクダン

楽しく飲んでいただけなのに「お客さんの相手してくれて助かったわ」とマスターからお礼を言われ、帰りはおばちゃんが宿まで送ってくれた。めちゃくちゃ良いお店だった。

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