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長崎最終日、昭和の飲み屋で人生相談

4時に目覚める。JALのセールを覗くも予定を決めきれず購入は断念。そのままなんとなくスマホを見ていたら「次で37歳……?」と急に不安になってしまった。眠れないのは本当によくない。

今日は軍艦島ツアー。出発前に太麺の皿うどんを食べたら「45周年なので」と焼き鳥の缶詰をもらった。なぜ。

お隣の佐賀県のメーカーではあった

船は修学旅行生と一緒。男子たちの中に一人だけ女子がいて、きっと他の女子からは嫌われてるんだろうなと偏見にまみれた目線で眺める。

肝心の軍艦島は長崎県が定める上陸条件に合わず、周遊のみ。

軍艦島はもともとは岩礁。そこから埋め立てて拡張し、今の形になったそう。多い時は5000人が暮らしていて、一時期は人口密度が世界一高かったのだとか。

島内にエレベーターはなく、下まで降りずともアパート間を行き来できるよう、アパートの上部には連絡通路があったらしい。めちゃくちゃ便利。

船内の映像には頭から海にしゅいんしゅいん飛び込む男の子たちが写っていた。ここで生まれ育った子たちなんだなと、一番生々しく軍艦島の生活を感じる。

エネルギー転換により石炭の需要が減って炭鉱は1974年に閉山し、84年の歴史の幕を閉じる。今や無人島となった。

仕方がないことではあるものの、強制的に故郷から出なければいけないというのはどんな気持ちがするものだろうか。外野が思うほどの感傷はないのか、あるいは今もどこかで切なさを抱えているのか。

夜は3回目となる昭和の飲み屋。マスターがカウンターの4人組に「この子すごいよ〜!」とわたしのことを紹介してくださったが、その理由の一つがあちこちでワーケーションをしているからというのはいいとして、「最初に来たときは5時から1時くらいまでお店にいた」というのは少し恥ずかしい。

そのまま10個上のお姉さんと話し込む。若くして母になった彼女にはすでに孫がいて、人生経験豊富かつ修羅場をくぐっていそうな気配を感じる。

今朝未明に急に不安になった話をしたら「人間は自分がしたいことしかしない。つまり不安になったということは、不安になりたくてなったということ」的な話をされ、赤面。超恥ずかしい。

お姉さんは、恋愛で無双するなら30代がベスト、みたいなことも言っていた。20代は分別がないから上手に無双できず、40代で無双するとやや痛い。ゆえに暴れるならある程度成熟しつつもまだ若い30代が適していると。そんな発想はなかったので目から鱗。そんないい時期なのに何を不安になっているんだと笑われ、再びの赤面。

最終的に「あなた今モテ期なんじゃないの?」とおっしゃっていただき、ええ!?と浮かれて元気になった。単純。

お姉さんは以前飲みの場で一緒になったじじいに腹を立て、代金として置いていった4000円を「てめえの金なんか受け取るか!」とズタズタに破いたと言っていて衝撃を受ける。「お札破いたのは初めて」とのことで少し安心。どんだけ嫌なじじいだったんだ。

マスターはお店に顔を出しにきた同級生のスナックのママとハグをしながら「なっちゃんにやったらセクハラ、ママならボランティア」と同級生ギャグをかましていた。

お姉さんからお誘いいただき、斜め前のスナック的なお店に同行させていただく。長崎は今日が最終日だと伝えたら「じゃあこれが最後だね……」と昭和のお店のマスターはしょんぼりしていて、わたしもさみしくなってしまった。たくさん良くしていただいたのでお土産に買った五島の塩をプレゼント。

お姉さんはのど自慢大会的なものに出るようでお歌が上手。アンジェラアキを歌っていて、今朝不安だった自分と重ね合わせて妙に沁みてしまった。いい曲……としみじみしたらお姉さんに笑われた。

お店のママは手がきれい。そう伝えたら「手も、ね!手もきれい」と正され、もうすぐホワイトデーだからとお菓子セットをくださった。ベテランの夜の女の貫禄とキャリアを感じる。

九州に来たのはバレンタインデーだった。そこからホワイトデー近くまで九州にいる驚きと、もらうばかりのバレンタインデーに続いて何もしてないのにホワイトデーまでいただいたことへのありがたさ。参加していないイベントの恩恵ばかり受けている。

2軒目はお姉さんのパートナーの方にご馳走になり、最後は危ないからとおうちの近所までタクシーで送っていただいた。楽しい長崎最終日。

室外機が3つも

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