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佐渡島の飲み屋で知った地域のあれこれ

仕事デー。打ち合わせ3件と取材1件、その他作業に集中し、勤勉に働いた結果昼ごはんを食べ損ねる。

ということで早めの夕飯。この辺りで評判のお寿司屋さんに行ってみる。お得と聞いた晩酌セットは、おつまみ、お刺身、お寿司、好きなドリンク一杯で2500円。蓋を開けたら、おつまみの中身はたけのこ、塩辛、からし菜のおひたし、「野菜食べて元気出しや〜!」というおばちゃんの声かけ付きのサラダと盛りだくさん。脅威のお得感。

カウンターの隣には地元の漁師さん。佐渡は暖流と寒流がぶつかり合う地域で、日本中の魚が集まると言われているそう。いわば日本のオールブルー的な海だけど、全部の魚がおいしいかどうかは別問題という注釈付き。

サメも獲れるらしい。サメが人間と犬の体に良いとのことで、ドッグフードにサメが使われていることもあると聞く。

海だけでなく陸上でも、佐渡はりんごとみかんがとれる唯一の地域と言われていたと大将。「ないのは石油くらいだね!」とおばちゃん。佐渡すごい。

カウンターの常連さんたちは、佐渡のぼったくりのお店に憤っていた。スナックで30分くらいママと話して1万7000円取られたなど、なかなかの金額。「男がバカになってんだよ!」とおばちゃんが辛辣で笑ってしまった。

他の宿泊施設に空きがないことを見越して、一泊4万円もとっているゲストハウスもあるらしい。価格設定はサービス提供者の自由だけど、それにしてもあまりに高いと怒っていた。そういうお店は県外や外国の人の経営なようで、佐渡の人ではないのもまた腹立たしさの要因であろう。

片や佐渡出身の大将がやっているお店は晩酌セット2500円なわけで、そりゃ腹立たしくもなるよなと思う一方、晩酌セットがもう少し高くてもお客さんは来るんじゃないかな〜とも思ってしまう。島民には安く提供して、観光客にはもっと商売気を出してもいいのになと思うけど、この商売気のなさが良さだったりもするからバランスが難しいところ。

皆さんは県内の魚が県外に出て行ってしまうことにも憤っていた。得をするのは仲買で、漁師が儲かるわけでもないから漁師のやる気はなくなり悪循環。どれだけ魚が売れようと、観光客が来ようと、島民の皆さんが潤わないとうまくいかないよなと地域の課題の一端を見た気持ち。

お店のおばちゃんが佐渡についてたくさん教えてくれた。徳川の時代に日本全国から金山に人が集まった影響で、佐渡の方言は地域によって全然違うそう。最盛期は金山に5万人と、今の佐渡の人口とほぼ同じだけの人が集まっていたらしい。おばちゃんは富山の言葉が親しみやすいと言っていた。

一方で島ゆえに、生態系は本土とは異なる。くまや猿、鹿などの大型の動物がいないから、山菜やたけのこがよく獲れると聞く。

その代わり、サドウサギが植林した杉の苗をかじってしまって困るという理由でテンを放ち、ウサギは絶滅。トキもちょこちょこテンにやられているらしい。今の時期のトキは毛の生え変わりで「薄汚い」とおばちゃん。

これまで4件の飲み屋に行ったが、そのうち3件でお通しやらサービスやらでたけのこが出てきた。皆さん近所で採れたたけのこだと言っていた。

たけのこの写真はない

途中で反対隣にベルギー人がくる。日本は2回目で、前回は3週間、今回は1ヶ月滞在予定。「日本はモダンとトラディショナルがミックスされているところがいい」とのこと。

佐渡は柿が有名という話の流れで、フランス語でも柿は「カキ」だと教わる。お返しにオイスターも日本語ではカキという名前だと教えてあげた。困惑していた。

お会計後もしばらくお店の人たちとベルギー人の通訳をざっくりいい加減にしていたら、おばちゃんがかきもちを出してくれた。かきもちはなんとなく佐渡島の形をしていた。うれしい。

散歩がてらスーパーマーケットに寄り、青信号を渡ったら左折車にひかれかけた。歩行者がいなさすぎて油断したのだろうか。結構危なかった。

なぜだか二の腕の裏が筋肉痛。右の肩も痛く、お風呂で見たらあざができていた。絶対一昨日の夜、記憶を飛ばした空白の時間に何かしている。

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