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京都で散歩と読書の日

早起きして体に良さそうな朝ごはんを食べ、先日の美容院で読んだ雑誌に載っていたブックカフェに行く。

座った席に置いてあった北極圏で氷雪工学の研究をする著者のエッセイを読む。氷雪工学という学問があることを初めて知った。北極は雪と氷の宝庫であり、それらを簡単に加工できればただでアスファルトが手に入るようなものらしい。つまりはドラえもんの世界。

氷も岩もめちゃくちゃ固いものと思いきやどちらも時間を掛ければ柔らかいものかのように形を変える、氷は力を入れる角度によってズルズルとぐずれる、簡単に砕ける氷とそうでない氷があるなど、新しい知識を得た。

京都御所を覗こうと思いきやすごい人だったので、御苑を通過するに留める。人だかりができているところには大体桜があるという経験則を得た。桜がないところは空いていて爽やか。

1869年に明治天皇が東京に行ってしまったことについて、「京都の市民を失望落胆させ、京都の町も火の消えたようになった」と説明があった。それがどのくらいショックなことなのか、自分の身に置き換えて考えてみたけど全然ピンとこない。

約10年後の1877年、明治天皇が久々に京都御所を訪れたところ、あまりの荒廃ぶりに驚き、「このあたりを保存しなさい」と下知が下ったことで今の京都御苑があるそうで、地域が荒れるほどの失望落胆だったことが読み取れる。

2022年秋に京都の飲み屋で「東京には天皇はんお貸ししてるだけやからな」と言われたことがあるのだが、本当に天皇の有無が京都の人にとって重要なのだと一つ納得した。

蛤御門
確信が持てない銃弾らしいへこみ

歩き回り、休憩がてら本を読み、再び歩く。昨日の名古屋のお姉さんが枝垂れ桜がきれいだとおすすめしてくれた六角堂へ行き、桜はそこそこに絵馬を見る。

外国人が書いたと思われる「香港警察ヤクザ GO TO HELL 」という物騒な絵馬と、「六角堂のはとが今年も楽しく過ごせますように」という平和な絵馬がそれぞれ好きだった。対比も良い。

再び歩き、先日京都に行った妹からおすすめされたおでん屋へ向かうもまだ早かったので、近くの公園で本を読む。近くでは小学生の女子たちが「LINEのパスワードのかけ方知ってる?」とおしゃまな会話を繰り広げていた。

おでん屋の店主がこれまで一番驚いたのは、お客さんが忘れていった鞄を見たら、中に100万円はあろうかという札束が入っていたこと。本人から問い合わせの電話が来たのは翌日で、その呑気さもびっくりポイントだったという。

おちょこかわいい

羽振りの良さそうなお客さんだったそうなので、その人にとっての札束はわたしが1万2000円を持ち歩くような感覚なのかもしれない。お金持ちではあるのだろうけど、全くうらやましくない。

だし巻き

おでん屋の最寄駅は「仕事関係の〇〇さんいわくカオスな場所」というメモとともにブックマークされていた。なんのことやらわからず、店主にも話を聞いたが、結局なんのことやらわからぬまま。小さな飲み屋が多そうなエリアではある。

朝7時半ごろ出発し、戻ったのは19時半。2万2000歩も歩いてしまい、20時だというのにもう眠い。

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