夢の話が好きなのだけれど

 僕は夢の話を聴くのも話すのも好きだ。夢と言っても目標の夢ではなく、眠っているときに見る夢のこと。夢の話ってつまらない話の代表格みたいに言われることがあるが、そんなことはないのではないかと思う。

 というわけで僕の見た印象的な夢の話を書こうとした、のだけれど完成前にやめてしまった。うん。とても難しかった。

 書こうとした夢は森の道で神様たちとすれ違うという夢だ。僕は神様の夢をかれこれ二回見たことがあるのだが、そのうちの一つであり、圧倒的に凄まじい夢だったので今でも鮮明に覚えている。

 これならきっと皆にも面白さが伝わるはずだ、と思い書き始めた。

 のだけれど……。

 書き進めるうちに「この話、本当に僕以外の人が読んで面白いのかな」とか「微妙に宗教的だし受け入れられないかも」とか「他人の夢の話ほどつまらないものはない」とかそういった言葉が頭の中をぐるぐると巡るようになった。また記事の導入部分に凝り過ぎたり、何か良いことを書こうと模索したのも悪かったのかもしれない。もちろんそれは「夢の話だけじゃ、読まれないよな」と僕が無意識に思っていたからだと思う。

 理由はどうあれ、前述の通り完成させることができなかったのである。

 やはり読者の目を気にしてしまう自分がいる。

 いや、もちろん読者の目を意識することは大切なのだけれど、もっと自由に書けたらなと思う。noteで他の人の記事を読んでいると「自由だなぁ」と思うことが多くて、僕は密かに羨んでいるのだ。


 自由に、ただ自由に。


 少なくとも僕にとってはなかなか難しいことであるようだが、挑戦していこうと思う。

 ……ちなみに「夢の話はつまらない」というのはやっぱり納得できない。昔大学の授業で「小説は夢を物語にしたものだ」みたいな主張があるということを聞いて、僕は妙に納得した。僕が好きな小説は、文学であれエンタメであれ、夢みたいな話が多かったからだ。

 小説の原料である夢が、つまらないわけないじゃないか!

 なんて、自分の中の「読者の目」に負けた僕が言っても説得力はないかもしれない。夢の話も、また挑戦してみよう。




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