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放課後ミステリクラブ



ようこそ。ミステリ好きの人生へ


本書は、児童向けの本格ミステリ小説である。
”「人生初の伏線回収」を子どもたちへ”というメッセージが熱い

対象年齢は小学校中学年から。イラストも豊富で事件がイメージしやすいから、まさに人生初の伏線回収にもってこいの1冊だろう。

小さい頃、はじめて『エルマーのぼうけん』を読んだときのワクワク感を思い出した。

考えること、想像することの楽しさは最高だ。

親子で楽しめる本格ミステリ

この本の著者は、あの知念実希人先生である。『硝子の塔の殺人』も『仮面病棟』も『天久鷹央シリーズ』も、本当に面白い。

そんな知念先生が「大人のミステリ小説と全く同じ手法で書きました」と言っている。本書への本気度が伺える。今、この本が読める子どもたちがうらやましい。

子どもへのプレゼントと称してこの本を購入したのだが、まずは私自身が頬を緩ませながら物語を楽しんだのは言うまでもない。親子で楽しめる本格ミステリの文言に偽りなしだ。

謎解きが楽しい

なんといっても本格ミステリならではの、細かいデティールがいい。人物紹介、事件周辺地図などワクワクするしかけがたくさんだ。文章を読みなおしたりイラストをじっくり見たりしながら謎を解く時間は至福である。

イラストはGurin.さん

わが子は、この本の絵がとても気に入ったようで、イラストを見よう見まねで描いていた。溌溂とした絵柄がミステリトリオの良さを引き立て、ミステリの謎解きのヒントにもなっている。児童書ならではの良さだと思う。

本屋大賞ノミネート

本書は、本屋大賞2024にノミネートされた。児童書で初の快挙である。この本を選んだ書店員さんたちに感謝。そうでもなければ手にとらなかった。

名探偵・辻堂天馬の挑戦は続く

この本はシリーズになっており、『1 金魚の泳ぐプール事件』『2 雪のミステリーサークル事件』『3 動くカメの銅像事件』が刊行されている。今後もこのシリーズが続き、子どもたちの飽くなきミステリへの欲求を満たしていってくれることを願う。


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