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面白い本の紹介

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無類の本好きが、実際に読んで面白かった本を紹介しています。 読書や本に興味のある方におすすめ!
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記事一覧

魂婚心中 芦沢央著を読んで

表題作含め6篇のSFミステリ 1.表題作『魂婚心中』 幼少時から「なんか変」と言われていたり…

なつめ
1か月前
6

道尾秀介 Nを読んで思うこと

話題作が文庫化されましたね。全六章。読む順番で世界が変わる。道尾先生の『N』 720通りの…

なつめ
2か月前
15

直木賞候補作 われは熊楠 岩井圭也著を読んで

上品かつ生々しさもある小説。 「奇人にして天才」生物学者の南方熊楠の物語である。   熊楠…

なつめ
2か月前
13

〈読書記録〉東京ハイダウェイを読んで

第1話から、この文章に胸がちくりと痛む。私自身、融通が利かないタイプだから。そして、この…

なつめ
2か月前
8

あなたの大事な人に殺人の過去があったらどうしますか〈読書記録〉

読んでよかったと思う。 オオクニフーズで働く3人の男女の視点で物語は進む。 はじめから感…

なつめ
2か月前
10

忍鳥摩季の紳士的な推理〈読書記録〉

こちらは、特殊設定に特化したミステリー短編集でした。 どうもミステリ好きなので、タイトル…

なつめ
2か月前
17

ちょっと今から仕事やめてくる 〈読書記録〉

誰でも仕事を辞めたいと思ったり上司を嫌だと思ったりすることがあると思う。 この本は、そんな気持ちに蓋をして、どんなに理不尽な仕打ちをうけても「仕事は辞められない」と考えて疲弊しきっている若者・隆と素性のわからない男「ヤマモト」との友情の物語といっていいだろう。 隆が真面目でいい人なので、読んでいるとつらくなる描写もあるが、少しミステリー風味のある展開で、続きが気になってどんどん読めた。 心に残ったのは、ある人物が「逃げることを教えなかった」ことを悔いているというところ。

〈読書記録〉正義の申し子 染井為人著

染井先生の作品、好きです。 一番好きなのは『正体』なのですが、この作品も面白かった! 主…

なつめ
2か月前
14

〈読書記録〉復讐は芸術的に 三日市零著

この本には勢いがある。 作者の三日市先生は、コロナ禍で空いた時間に推理小説を読みはじめ、…

なつめ
3か月前
14

〈読書記録〉クスノキの番人 東野圭吾著

職場を解雇された腹いせに罪を犯して逮捕されるなど荒んだ生活を送っていた玲斗。 そんな玲斗…

なつめ
3か月前
13

〈ブックレビュー〉怪談刑事(かいだんデカ)青柳碧人著

シュールな表紙に目がくぎ付けの1冊。 第2種未解決事件整理係・通称『警察庁・呪われ係』 こ…

なつめ
3か月前
4

まぼろしを織る ほしおさなえ著

”生きる意味なんてもうどこにもない気がするのに、次の朝を迎えてしまう。” 序章からせつな…

なつめ
6か月前
2

放課後ミステリクラブ

ようこそ。ミステリ好きの人生へ 本書は、児童向けの本格ミステリ小説である。 ”「人生初の…

なつめ
6か月前
5

風に立つ 柚月裕子著

406p 少々分厚い本だが手に取るのに躊躇はなかった。 同じ作者の『盤上の向日葵』の感動を覚えていたからだ。内容も分からぬまま手に取った。 ところで、「補導委託制度」という制度を知ってるだろうか。私は、本書を読むまで知らなかった。この物語は、岩手県盛岡市にある南部鉄器工房『清嘉』に春斗という犯罪を犯した16歳の少年が預けられるところから始まる。 補導委託制度で春斗を受け入れたのは父である。息子の悟は寝耳に水で納得がいかない。自分とろくに話もしない父。それなのに春斗には、優