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#19 より良い住処を求めて
誰だって、より良い住処を求めたい。
広くてオシャレで好立地。防寒設備も外せない。
それは人間も、猫も、そして植物も、同様なのである。
風の丘ガーデンでの研修19日目。
毎日、子猫の様子を見に行っているのだが、昨日まさかの光景を目の当たりにした。
猫が子猫を連れて引っ越しをしていたのだ。
見た目はまんまヤマト運輸のマークである。
子猫を順番に咥えながら移動し、新しい住処に移っていった。
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そして、土を保管している倉庫に入って行き、上段に巣をこしらえた。子猫は見えなくなった。寂しい。
しかし、ここなら子猫を人間の目から退けることができるし、雨風も当たらない。まさに絶好の住処というわけだ。
その証拠に、母猫が子供を置いて外出するようになった。
きっとエサを探しに出ているのだろう。事あるごとに近づいてきて甘い声で鳴く。私はこの子から餌を貢いでくれる"カモ"として認識されているだろう。本望である。喜んでる身銭を切ろう。猫が可愛い。
さて、いつまでも猫に現を抜かしている場合ではない。
今日の作業は「ルドベキア」という花の苗の引っ越しだった。
花言葉は「正義」「公正」「正しい選択」
曲がりなりにも法律を治めた我が身にピッタリの花である。
そんな冗談はさておき、
苗の成長に合わせてより大きなポッドに移動するために、まずは土を入れる作業を行った。
土を入れるのは手作業ではない。重機を使う。百聞は一見にしかず、写真をご覧あれ。
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こうして土が入ったポッドに、苗を植えていく。
そして、ルドベキアの苗は辺が2.5センチ程の長方形から、辺が10センチ程の長方形の新居に移ることができた。
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種から苗、そして苗の成長に合わせて植物は居を転々とする。時にはスペーシングという作業によって、苗同士が隣接しないように調節する。植物も人間や猫と同様、より良い住処を求めて住居を移動するというわけだ。
ちなみに私は未だ安住の地を見つけられていない。
いや、今の自分に合わせて居住地を探していると捉えることができれば、中々合理的な動きをしているとも言える。
いずれにせよ、移動し続けることには変わりはない。
「結局、今どこで何してんの??」
ここ2年で一番受けている質問である。
植物のように最後な綺麗な鉢に落ち着くのか、
猫のようにいつまでも転々とし続けるのか、
自分らしいのは後者だなと思いつつ、
30歳までには一ヶ所に落ち着きたいなあ、とぼんやり考えた。
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