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#31 note書いてよかったなーって話

SNSが苦手だ。
Twitterの限られた文字数の範囲内で共感を得られるような言葉を紡ぐことができない。
Instagramの作り込まれた世界観に映えるような生活も送ってない。

演者をやっている時、著名なインフルエンサーの方と仕事をさせて貰った。毎日同じ時間にスマホのアラームが鳴っていた。そして、投稿する写真と文章を選定。キラキラしてるように見える姿の裏で、地道に、地道に活動を続けている姿に心底尊敬の念と自分にはできないという一種の諦めが生まれたことを強く覚えている。

「花の仕事に関わってみたい」
そんな思いでやって来た宮崎県小林市のとある生産農家。
風の丘ガーデンは市場への卸だけでなく、店舗を持ち、お客さんに直接花を販売している。故に、SNSにも力を入れており、Instagramのフォロワー数も1200人を超えている。

研修初日、Instagramの投稿を考えて欲しいと言われた。
私に写真の技術はない。ハッシュタグの選定も良く理解できていない。SNS弱者として存在している私が、苦し紛れに提案したのが「note」を書くことだった。

暇な時、読んだ本の書評をnoteで書いたことがある。
少し流行っている哲学書について。Twitterみたいに文字数を考えなくても良いし、Instagramみたいに写真の映えを気にしすぎる必要もない。考えていることや何かの感想をただつらつらと書くことは特に苦ではなかった。大学の卒業論文(?)は自分の自叙伝を書いた。2週間で約10万字。自分のことを書くことに関しては一種ナルシスト的な変態性が露呈する私だからこそ、noteという媒体と相性が良かったのかもしれない。

純粋にnoteを書くことは楽しい。

飽き性な私が、なんだかんだ研修で体験したこと、学んだことを毎回書くことができた。そこには誰かから「やれ」と言われた強制力なんて無くて、己の思うがままに指を動かしていた。ただでさえ、時間もなく活字離れも進んでいる現代社会、私の1文章など誰も読まねえだろと高を括り、半分自慰行為のように書いていた。

だけど、書いて良かったと思えることがあった。

昨日、友人と久しぶりに電話した。
毎回読んでくれているみたいだった。彼は開口一番、「文才あるわ、まじで」と言ってくれた。お世辞だとしても素直に嬉しかった。

今日は風の丘ガーデンの研修31日目。
母の日に向けたカーネーション出荷がピークを迎えた日。
野菜農家や菊農家、中には書道家の方まで。いつものメンバーに加え、外部から手伝いに来てくれた方が大勢いた。

初めての挨拶の後、言われた。
「note読んでるよ」「毎日文章を投稿することが凄い」「猫に対する愛が怖い。けど面白い」など。
たまに変態性を曝け出した文章があるので、少し読まれていることは不安だったけど、素直に嬉しいと思った。

出荷作業は普通にキツい。若い男が私だけなので、基本的に最もキツい肉体労働は私の役目だ。上腕二頭筋が悲鳴を上げつつある昨日今日、心が折れなかったのはnoteのおかげかもしれない。

ただ、己の考えたことを書き記すだけの媒体。
書いて良かったなと思った。研修が終わったら短編小説でも書いてみようかな。

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