女医と働きたくない理由

まず、東京医科大の入試で男子が女子より加点されていたという事に対して僕は反対です。

入試はあくまで得点で競うべきで、性別で加点や減点する事はあってはならないことです。


それは前提として聞いてほしい。

少し前に台風が来たじゃないですか。

電車も飛行機もコンビニも、近所の開業医さんも大事をとってみんなお休みしてたんですよ。計画休業。


でも、うちの病院は休みにならなかったんですよね。院長から、病院開けるから台風に気をつけて来てくださいと。


さらに、当日通勤が難しそうなら近くにホテル借りるなり対応しろというお達しでした。

実際、師長さんの中には前日から病院に泊まっていた人もいらっしゃいました。


僕は病院の近くに住んでるので、台風当日もいつものように通勤しました。車通勤なんですけど、平日とは思えないくらいに、僕しか走ってる車がいなくて、マジで世界が滅びたか、みたいな感じでした。


今僕が働いている病院は、眼科の常勤は僕一人なんですけど、日によってはバイトの女医さんが外来する日があるんですよ。


台風の日がちょうどその日で、当日の朝8時30分くらいにその女医さんから連絡がきました。


『台風で子供が怖がってるので今日は休みます。すみません。』


9時から外来始まるんですよ。僕はその日、手術日なので手術をしなければいけません。


もちろん台風だからその日の受診をキャンセルされる患者さんもいます。ですけど、台風でも患者さんって割と病院来るんです。さらに近所の開業医さんが休業してるから、開いてるうちの病院を受診しに来る人もいるんです。


じゃあその患者さん達は誰が診察するんだって話じゃないですか。


僕が診るしかない。

手術の合間にどうにか全員診察しました。


まず、前提として、この女医さん自体はとても熱心で人間的にも素晴らしい方で、人として好きです。なので、急に仕事を休まれて、困ったし、凄い大変でしたけど嫌いになってはないです。


ですが、やっぱり困る。


そりゃ僕だって、台風の中仕事したくないですよ。


ですけど、手術予定の患者さんが半年先まで埋まってる状態で、手術延期できないじゃないですか。


その日手術した患者さんの中には、手術の前の週に、

「来週台風きますけど手術大丈夫ですか?私は当日必ず病院行きますんで!はってでもいきます!」

と、わざわざ連絡くださる方もいらっしゃいました。

危険なので、みなさん台風の前日から入院していただきました。


そんな中、僕が休む訳にいかないじゃないですか。はってでも来る!(地をはうの意味)とか言われたら、是が非でも僕が治さねば!とか、逆に燃えてくるじゃないですか。


結果、その日は手術も全員無事終了し、外来もどうにかこなせました。


こんなこと、医者の世界ではよくあることだと思うんですが、冷静に考えておかしくないですか?


まず、このバイトの女医さんは、通常1回のバイトでだいたい4万円くらいの給料をもらっています。(半日外来)。


今回、その仕事を僕が全部やりましたが、その4万円は僕のものにならないんですよ。僕が、自分の手術に加えて行った外来業務って完全にただ働きなんです。


おかしいでしょう。


ここから先はグチも入ります。


その女医さんのお子さんって、小学校高学年なんですよ。いくら台風が怖いって言っても、十分留守番できる年齢じゃないですか。病気になった訳でもありません。


そして、これを読んでくださっている女性の方で、1回で4万円ももらえるんなら、私だったら絶対休まない!って思う人もいるでしょう。


そうですよね、僕も半日で4万円ってとても高額だと思います。


しかし、女医さんの多くは旦那さんも医者で、今回の女医さんの旦那さんも医者なんです。


この半日の4万円を捨てたとしても、全然問題ないんです。

家庭の総収入でいえば、仕事を代わりにした僕より、女医さんのご家庭の方がトータルでリッチなんです。


これ、仕事を代わりにやった僕からの立場からすると、めちゃめちゃ腹が立ちませんか?


さらに言うと、この女医さんは当直がありません。僕は当直しないといけません。

僕は眼科ですが、当直中は亡くなった患者さんのお看取りもしますし、コロナ病棟にだって呼ばれることがあります。


これを読んでくださっている、眼科以外の医師の方で、

「眼科は楽な科なんだから文句言ってんじゃねーよ。」

と思われる先生もいらっしゃると思います。


その通りだと思います。楽な科なので、今回は手術も外来も一人で何とかできました。(もちろんope看さん、事務さん、ORTさん、外来Nsさんの協力のおかげです。)


外科専攻医の時は自分の力もなく、上級医からのパワハラ、暴力に加え、同僚が妊娠していろいろあった結果、僕はつぶれました。その時の話もいつかはできたらと思います。


くれぐれも、女は医者になるな!と言う話ではありません。

現状は、

『男子校に女子トイレが作られてない状態で、女子が入学している』

みたいな状態で、女医さんも女医さんで大変な思いをされていると思います。


ですが、やっぱり一緒に働くとなると、正直きつい。

そんな話でした。


ではまた。

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