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細かく覚えていなくても、本は私たちの行動を変えてくれている
本の内容を覚えられないっていう悩みはありませんか?
私は悩んでいます。本のレビュー記事を書くときに、本を横に置いて何が書いてあったか見直さないと思い出せません。記憶力がない人間からすると、こういう勉強や発信の準備としての読書はかなり難しいなと感じます。
じゃあ私たちが行動を変えるための読書をするとき、本に書いてある理屈やメソッドをいちいち覚える必要があるか?というと、私は必ずしもそうだとは思っていません。
なぜなら、本は私たちが気づかないうちに行動を変えてくれているからです。内容が人に話せる状態になっていなくても、私たちの行動パターンには少なからず影響を及ぼしているんです。
断片だけなら
「あなたが1ヶ月前に読んだこの本の内容を私に教えて下さい」と言われたとき、皆さんはきちんと教えられる自信がありますか?
自身がある人は相当「できる人」だと思います。この記事は読まなくて大丈夫です。
大半の人は概要だけでなく内容までとなると、読み返しながらでないと教えられないと思います。私も印象深く残っている知識を1つくらいなら取り出せるかもしれませんが、きちんと教えるのは無理です。
教えるには記憶していることと深い理解度の両方が必要です。
でも、断片くらいはいくつか頭に残っていると思うんですよ。
たとえば睡眠に関する本なら、
・日本人の睡眠時間は世界最低レベル
・夜勤明けの医師には高頻度でマイクロスリープが起きていた
・6時間睡眠を2週間続けると、徹夜と同じレベルに脳機能が低下する
・レム睡眠とノンレム睡眠
・眠りの最初の90分が睡眠効率の大半を決める
・昼寝を活用したほうがいい
・ブルーライトは浴びないほうがいいけど、「ちょっとスマホをいじる程度の量なら大差ないんじゃね?」と言っている研究もあるらしい
たとえば『学びを結果に変える アウトプット大全』なら、
・インプットだけじゃ意味ない
・キーボードで打つより、手で書いたほうが記憶に残りやすい
・アウトプットする習慣を作ろう
・読書記録をつけよう
・低得点のものを高速で作る⇔ブラッシュアップを繰り返す、最初から完璧を目指さない
これくらいは読み返さなくても出てきます。具体的な数字や言い回しは覚えてないですが、本の全体を通しての主張と、たまたま自分のエピソードと重なった部分は覚えています。
また、いま思い出そうとして出てきていないことも、1%くらいは頭の中で眠っていると思います。
頭の片隅に残った断片が、勝手に行動を変えてくれる
こういう記憶の残滓みたいなものが、日常の中で迫られる選択場面で、新たな選択肢を勝手に増やしてくれていると私は思います。
本を読んだ瞬間に「よし、この本の内容をさっそく試すぞ!」と思っても、都合よく必要に迫られるとは限りませんし、アウトプットを義務感でやっても継続できません。
そんなに意気込んで実行しようとしなくても、悩みや課題にぶち当たったときに、記憶の断片が私たちに新しい選択肢を啓示してくれます。
遭遇している課題の解決策が思いつくようになる
なんとなく
◯最近眠くて調子が出ない
「6時間睡眠を続けていたせいかな。でも忙しくて夜に寝られる時間を確保できないから、15分くらい昼寝するか」
◯アイデアが出てこなくて困っている
「どっかの本に紙に書き出したほうがいいって書いてあったな。1回紙に書き出してみるか」
◯会議で発言していいか迷う
「どっかの本に最初に発言したほうが有利って書いてあったし、あとやらない後悔は引きずるってTHE POWER OF REGRETに書いてあったな。じゃあ、勇気を出して手を挙げてみよう」
古い思考パターンに陥るのを止めてくれる
◯飲み会でこの場にいない人の悪口が始まった
「正直私もあの人のこと好きじゃないけど、悪口を言うと私自身のイメージも悪化するらしいし、嫌いな感情も強化されてしまうらしいから、話題が変わるように仕向けてみよう」
◯時間がうまく使えなくて自己批判をしてしまいそうになった
「待て待て。セルフ・コンパッションの本に、自分がダメなのはしょうがないからそれを受け入れて前に進めって書いてあったな。それにYOUR TIMEには時間の使い方が下手なんじゃなくて、時間感覚が狂っているのが時間浪費の原因だって書いてあった。冷静に今日のことを思い出してみよう」
ここまで思考のプロセスが言語化されていなくても、脳がこれに近いことをしていて、新しい思考パターンを生み出していると私は感じています。
本当に0.1%も役立たせられていないのなら
「俺にはそんな体験すらねえよ」という方もいるかもしれません。
そういう方に意識してもらいたいのは「能動的に情報を使おうとすること」と「無理やりでもアウトプットする機会を作ること」です。
能動的に情報を使おうとする
本を読みながら自分のエピソード・現在の状況と重ねる
読み終わったあと、遭遇した出来事や他人との雑談に本の内容を関連付ける
別の本を読んだときに、これまで読んだ本の内容をなんとなく思い出す
無理やりアウトプットする機会を作る
noteやSNSに書評を書く
「書評に定評がある人」じゃないとインプレッションは伸びづらいので、そこには期待しないほうがいいと思います。書評が伸びるのは相当俊逸なレビューを書けるか、読書家として名が馳せるかしないと厳しいと私は感じています。
読書ノートでもいいですが、他人に発信したほうが効果は何倍にもなります
本の内容を雑談で他人に話す
1歩目は「内容の実践」じゃなくていい
さっきも書きましたが、読んだ瞬間に本の内容を実践に移すのはハードルが高いです。
そのため、無理やり発信・話す機会を作って、本の内容をただ垂れ流すだけのアウトプットしてみてください。
誰かに発信すると、一貫性の原理が働いて「他人に偉そうに語った手前、このまま何も実践せずにいるのは気持ち悪いな」となってきます。
そうなれば、ちょっとでも「発信した内容くらいはやってみようかな」と行動できるようになってくると思いますよ。
「覚えられないから読まない」はもったいない
知識を売る仕事をしていないのあれば、本の内容は半分すら覚えてられなくても読んだ価値は十分出てくると思います。
一番もったいないのは「覚えられないから無駄な気がしてきて読むのを止めてしまう」ことです。
そこまで気負わずに数冊読み通してみましょう。
読み終えた本は、気づかないうちに私たちに新しい視点を与えてくれているはずです。
本日のおすすめ記事は、神崎 さやかさんの記事です。
なんとも言えない複雑な気持ちになりました。
私が受け入れられなかったことを、他の誰かはすんなり受け止めてしまったという事実が突きつけられたのもつらいですね。
神崎さんが信じられなかったのが悪いのではなく、神崎さんとその人の間が単に壊れるべきものだったのかもしれません。
人間関係の難しさをあらためて考えさせられた記事でした。
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