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珈琲日記 in ロンドン #5 〜留学中のモヤモヤ

1月も終わりの木曜日。#4 で書いたように「時間を作って」街歩きをしようと思い、大学を出た。ギャラリーを軽く覗き、お気に入りの絵を見つめて「ひとりのしずかな時間」を大切にした。

その後、カフェに入る。今日はAmericano。酸味が効いていてフルーティ。建築関係の人が集うビルの中のカフェだったので、周りはスーツを着た人々がパソコンを広げ作業をしている。なんだか休んだら自分が申し訳なかったりする。そんな中、考え事をしていた。

留学もそろそろ折り返し。最近の悩みは、「人と比べてしまうこと」だ。日本にいた時に知り合った学生は、本当にすごい人ばかりだった。帰国子女、トビタテ!で留学した人、起業してアフリカに飛んだ人、学会で自分の研究を発表した人、アメリカ大陸横断した人、凄い企業でインターンしている人など。そんな彼らを私は誇らしいし、頑張ってほしいと思う。それと同時に、彼らと自分を比べ、自分の能力や実績の無さにがっかりする。そして、日本で会ったときとは想像できないくらい成長した人がいると「留学しなきゃよかった」とか思ってしまう。

それとは反対に、人と比べていい気になっている自分がいる。恥ずかしい話かもしれないけど、私の留学プログラムは日本人ばかりだ。語学留学あるあるなのかもしれない。留学なのに、Japanese Englishで互いに話すというなんだか複雑な授業もある。話を聞く限り、彼らは日本では「普通の大学生」だったようだ。普通にサークルをやって、バイトをして、遊んで、授業は単位取れればって感じでやって、みたいな。自分の今までの大学生活が、「普通」とは言い難い生活であるから、どうしても「私は彼らとは違う」って思って知らず知らずのうちに彼らを見下している。なんて最悪なんだろう。

そんなモヤモヤから、高校時代にお世話になった先生に、電話越しで相談をした。(カフェで日本語を話すのはなんだか複雑だけども)その時返ってきた言葉が、

「比べること」と「優劣をつけること」は違うよ。

だった。

高校までは「比べること=優劣をつけること」だった。ライバルと点数を比べて、「よっしゃあ!勝った!」って喜んだり、吹奏楽部で出たコンクールは「点数」で他の学校と比べられて金賞とか銀賞とか決められたり。比べることと、優劣をつけることが同じじゃないと成立しない中で生きていたから、その中で勝たないと上の世界に行けないから、それが当たり前になっていた。でも、世の中は違う。

比べることは、互いを認めること

なのかもしれない。比べて、相手がどんな人かを知って受け入れる。そこで終わり。そうすれば、劣等感や優越感はなくなる。同じクラスの留学生を忌み嫌うことなどなくなるはずだし、自己嫌悪に陥ることもなくなるだろう。

そして、珈琲も。どの種が良いとか悪いとか実際のところ無い。比べて、違いを知って、「酸味を求めるなら◯◯だけど、コクを求めるなら⚫︎⚫︎だね。」と理解すればよい。

今までとは違った「比べる」ことを楽しめるようになりたいと思った昼下がりであった。

#長期留学 #エッセイ #女子大生 #カフェ #コーヒー #ロンドン #海外 #留学



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