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児発・放デイどう選ぶ?③ー集団か、個別かー


私は個別療育を行う事業所で働いていますが、「個別か、集団か」問題は悩ましいほど深い問題です。

利用者様をみると、個別と集団を併用している方が大半かなという印象です。
どちらにもどちらの良さがあるということでしょう。

個別療育を行っている立場から見た、個別の利点、集団の利点をお伝えしていきます。

(※個別、集団と一括りに言っても、事業所ごとにやり方が異なりますので、ひとつの視点としてお読みください)


個別療育のメリット

①その子の特性に合わせて、じっくり向き合える

療育を行う身からしても、1番のメリットはこれです。
私たちはその時間、その子とだけ向き合います。一挙手一投足を見ていると言っても過言ではありません。

子どもの言動には一つ一つに理由があります。
・どうしてそのような行動をとったのか
・その発言の裏にある思いは?
その子と向き合って考えます。

療育の時間が終わったあとも同様です。次はどうしたらより適切か、あの時どうしたら良かったのか、じっくり振り返ります。

そして次の療育に活かす。

例えばその子にはどのような声掛けが効果的なのか、集中できる環境はどのようなものか、見つけやすく検証しやすいということです。


②保護者様へのフィードバックの時間をとりやすい

療育一枠を、一人のお子さんに使うので当然フィードバックの時間も確保されています。

私の働く事業所はほとんどの保護者様が療育をご覧になっているので、支援者と保護者様が同じものを見ています。

あの場面はどうご覧になったか、こちらとしてはどういう理由があってその行動になったと思うか、など共に考えることができます。

集団では、保護者様が一堂に会して、みんなの前でフィードバックされることもあると聞きます。

他のお子さんや保護者の方の在り方から学ぶこともある一方で、どうしても比べてしまうというお声もあります。

フィードバックは支援者にとっても保護者様にとっても、お子さんのことを一緒に考える大切な時間です。
ストレスなく過ごせる環境かどうか検討する必要があります。


集団療育のメリット

整理された環境で集団生活を学べる

特性のあるお子さんは、園や学校で指示が入りにくかったり、みんなと同じペースで遊べなかったりと、集団生活での難しさを抱えやすいです。

そのため集団療育という、園や学校より少ない人数で、刺激が統制された環境において、ほかの子供との関わりを練習する場が必要になってきます。

集団の人数が少なければ少ないほど、その分支援者の目も行き届きやすく、その子の行動を観察し、個別に指示を出すことも可能です。

数ない人数でまずはその子にあった指示方法を見つけ出し、同年代の子どもたちとの関わりを会得することがてきます。

他の子が来るまで並んで待つ、順番に遊ぶ、など子ども同士での関わりは必要になるスキルです。


お子さんの特性・必要性にあった形を

療育にきてくださる保護者の方と日々お話していて、どの保護者の方もお子さんのためにできる限りのことをしてあげたい、という思いをお持ちだと、痛いほど感じます。

支援者としては、その思いに少しでも応えたいという気持ちで療育を行うのですが、同時に、頑張りすぎないで、という思いも抱きます。

支援者は療育の時間だけ子どもたちと接する存在ですし、支援者として知識を元に関わります。

ですが保護者の方は毎日ほとんどの時間をお子さんと過ごしていらっしゃいます。お仕事をされている方もいますし、きょうだい児がいるご家庭もあります。

有限の時間の一部を療育にあててくださっている。

できるだけ無理のない形で、できるだけ効果的に利用してほしい。

お子さんの発達段階にあった内容を行っている事業所なのか、送迎は行っているのか、日々の生活と両立しやすい時間に利用できるか、
頑張りすぎず通い続けられるところを選んでほしいです。

そして何より、お子さんの成長を感じられる場であってほしい。


個別を選ぶか、集団を選ぶか、それも大きな指標になるかと思います。

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