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Dear.

20
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2015年2月の記事一覧

沈丁花が咲きました。

沈丁花が咲きました。



香りは記憶を巻き戻します。
だから、この花があればいつでもあの場所に帰れるんです。
忘れずにいられるんです。

沈丁花に囲まれた密やかな空間が、たった一つの自分の部屋でした。

ベランダの沈丁花が咲きました。
この香りが消える頃、春が来ます。
春になったら、あの町へ帰ろうと思います。

家も学校も沈丁花もベンチも、大事なものは何もなくなってしまったけれど、小さな公園に桜が咲きます。
マンシ

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雲が踊る日。

正装に身を包んだ人々が集まっている様は入学式にも葬式にも見えた。
並んで歩いていた少女が足を止め、振り返って手を振る。
誰かいたの、と聞いた。

「雲が踊ってたの」

明るい声で答える少女に、そっか、と返す。
この年頃の子は第六感が強いというから、見えないものが見えているのかもしれない。
そんなことを考えていると、少女は大きく空を仰いで、

「パパとママがいるのを当たり前だと思ってる子

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