見出し画像

【読書メモ】2023年に読んだ本10選

誰得?ならぬ、わたし得の読書メモです。2023年に読んだ本の中で印象に残った本を10冊を選びました。(あいうえお順)

①簡単なことではないけれど大丈夫な人になりたい ホン・ファジョン (著), 藤田 麗子 (翻訳)

心の友大賞。なぜか本棚にはしまわれずリビングや寝室にずっと置いたままで、ときどきめくっては癒されていました。イラストエッセイです。益田ミリさんが好きな人には超おすすめ。文章とやさしいイラストで心の声を発信(代弁)してくれたので、心の友。

むやみに人と比べて幸せを探そうとする自分が情けなくてたまりませんでした。

以前はしなければならない仕事に大きなストレスを感じていた気がするが、最近はやらなければならないことこそが私の日常を保ってくれているように思う。

ぜひ紙の本を読んでもらいたいですね。

②がらんどう 大谷 朝子 (著)

タイトルの意味が分からず読み終わってから意味を調べて、ズシンときた本。アラフォーの女性2人がルームシェアをする話です。痛みを感じるほど共感ポイントがたくさんあったので、同世代の女性に読んでほしいです。

100ページくらいなので、病院の待ち時間でさらっと読めました。登場人物は少なく、話が分からなくなることはない点でも読みやすかったです。2月くらいに読んだ本ですがとても印象に残っています。続編希望。

③コンプレックス・プリズム 最果 タヒ(著)

今まで読んだことのないタイプのエッセイ。エッセイって著者の日常を描いたスケッチだと思っていました。でもこれはなんだか様子がちがう。著者の劣等感がテーマであり、思考が言語化されている文章な感じ。著者は詩人でもあるので、言葉の流れに乗ってどういう意味かを理解するのが難しく「?」が頭にある中でも読んでしまいました。

「そういうことか」と腑に落ちるような落ちないような、いい意味でヤバい人の感性に触れられた感覚です。いつか絶対、読み返すだろうなと思った一冊。

④「自分らしさ」はいらない くらしと仕事、成功のレッスン 松浦 弥太郎 (著)

「自分らしく生きる」って素晴らしいことだけど、私はなんとなく気持ち悪い違和感がありました。自分らしいってなによ。著者は「自分らしくありたいという思いは美しい呪縛みたいなもの」であるという。邪魔者でしかない自分らしさを捨てるヒントが書かれている本です。プライドを捨てるんよ。たとえば「自分らしくないからこんな仕事はしない」こんな思いはどうでもいい。自分はどこまで進んでもカスであると肝に銘じまくっておく必要があります。

「どうすれば自分らしいのか?」などという意識を捨てて、夢中でやる。

特に何かを始めたいなら自分らしさなんて捨てたほうがいいです。仕事とは何か?引いては人生とは何か?とか。考えても答えは出ないのに悩みがち。理由を考えずに仕事をするべきだよなと思いました。

⑤人生は、もっと、自分で決めていい 薄井 シンシア (著)

ビジネス系ではなく自己啓発本、専業主婦歴17年の著者が社長になる内容です。専業主婦とはいいつつ、著者のスペックが高いので参考にならんやろ~と思いながら読みました。「今やるべきことに集中する」などよく聞く内容もありましたが、ちょいちょい響く内容がありました。

選べない選択肢は、あなたにとってはただのゴミ。へたに持ち続けると重い荷物になるだけ。決めたら潔く手放す。

『幸せ』だった過去は過去として受け止めて、これからは『満足』を目指して生きていけばいい。

選べなかった可能性に執着してしまうんですよね(貧乏根性)幸せは諦めた方がいいんですよ。

⑥とりあえず、素人っぽく見えないデザインのコツを教えてください!  ingectar-e (著)

2023年はデザイン本をたくさん読みました。その中の1冊。『なるほどデザイン』なども読みましたが私はこちらの方が好みです。本のデザインやレイアウト、配色も参考になりました。

デザインはアートではないし、提供側のお気に入りデザインかどうかなんて関係ない。誰かの問題を解決するためにデザインがあり、センスは必要なくデザインスキルを身に付ければいいんです。自分で考えたオリジナルデザインは往々にしてまじでダサい。

⑦日没 桐野 夏生 (著)

私にとってダントツ、小説部門大賞。映画「CUBE」を思い起こした小説です。訳が分からないまま話が進んでいく。長編小説ながら最後まで一気に読めました。真相が明らかになっていくのか、なっていかないのか、ナゾのまま。療養所と言われる場所に軟禁される小説家のお話です。←ほら、読みたくなるでしょ??

まさに夢中。展開が読めずグイグイ引っ張られてあっちの世界にドボンしました。

⑧百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術 近藤 康太郎 (著)

ある雑誌で著者の文章に出会い、がっつり読んでみたいと思って手に取った本です。内容は自分にとっての百冊を選ぶ方法や読書術。

読書とは、答えや結論を得る方便ではない。

読書は、著者と向き合う<行為>のことだ。

読書とは、問いを、自分で言葉にできるようにする、遠回りの、しかし確実なトレーニングだ。

このような「読書とは~」「本とは~」の文章がたくさん出てくるので、どれかにピコン!とセンサーが反応すれば、本好きの証拠だと思います。読書を習慣化したいという人にはおすすめしません。今までさらっと無視してきた新聞書評をじっくり読んでみようと思わされました。

著者がおすすめする本も紹介されています。著者のような方がおすすめする本は、決まって古典・名著と言われる本です。

⑨無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記 山本 文緒 (著)

大好きな作家さんの最後の本、緩和ケアを選択された後の体験記です。闘病記はしんどくなるので読まないですが、好きな作家さんの文章はやっぱり読みたくなって購入。続きを読みたいけどいつか終わってしまう日記を読み進めていくと、勝手ですが苦しくなりました。

今、私は痛み止めを飲み、吐き気止めを飲み、ステロイドを飲み(中略)夫に生活の世話をほとんどしてもらったり、ぐちを聞いてもらったり、涙を受け止めてもらったりして、病から逃げている。逃げても逃げても、やがて追いつかれることは知っているけれど、自分から病の中に入っていこうとは決して思わない。

闘病記ならぬ逃病記と書かれています。文章で残していただいたことに感謝。小説のおもしろさを教えていただいた先生。装丁もとっても好みで飾っておきたくなる本です。

⑩弱いつながり 検索ワードを探す旅 東 浩紀 (著)

偶然に身をゆだねて旅に出ようという、旅行と哲学の本。ネットの時代になって人間関係を重視する姿勢が加速している。友人に囚われず、人間関係を必要以上に大切にしなくていいという内容です。

ぼくたちは、ネットのおかげで、断ち切ったはずのものにいつまでも付きまとわれるようになっている。強い絆をどんどん強くするネットは、ぼくたちをそのなかに閉じ込める機能も果たす。旅はその絆を切断するチャンスです。

ネットは自分が見たい情報しか見ることができないし、テキストとリアル体験では得られる情報量がちがう。もちろんリアルな情報はSNSに書かれていない。リアルの環境を変える(移動する)ことは思っている以上に影響があるのでしょう。引きこもり生活なので旅に出たくなりました。

 

番外編
明鏡国語辞典 第三版
今更ながら辞典を持っていないことに気づき、今年購入しました。ネットで調べれば疑問はすぐ解決できますが、疑いの目を常に持たなきゃいけないから余計に時間がかかります。辞書は家族で使えるので、今年買ってよかったBEST3に入る良い買い物でした。言葉を見つけるのに時間がかかることは否めませんが、正しい言葉を使えるという確信を得られます。

クライアントに褒められる文章が書けたとしても、書けていないかもしれないと不安に思います。自分がまちがっている、失敗していると気付かないほうが怖い。クライアントはライターでもないから余計に怖い。だから不安に思うことは悪いことじゃないと最近思えてきました。この辞典をお供にすることで、答えがある安心感をひとつ、手に入れました。

最後に今年の振り返りを少し。
数年続けたKindle Unlimitedを解約しました。月980円で読み放題はとってもお得ですが「今月一回もダウンロードしてないぞ」「もったいないからダウンロードしとこ。でも読んでない本もあるなあ」が続いたので辞めました。デザイン本はパソコンの画面で見たほうが良いときもあるので迷いましたが、本屋さんで買う、または図書館で借りる→良かったら購入の流れが一番でした。装丁ってあまり気にしていなかったけど、デザインはもちろん見返しの紙の色や質感は、感覚センサーをチクチクしてきます。

2024年も訪れる変化と本との出会いが楽しみです!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


この記事が参加している募集

#読書感想文

189,685件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?