見出し画像

ドラマ【アンナチュラル】名台詞集

2018年1月期 TBS金曜ドラマ「アンナチュラル」より、心に残った台詞をまとめました。


●作品情報

公式サイト


●名台詞集

第1話

法医学は未来のための仕事

-久部六郎「法医学って死んだ人のための学問なんでしょ?生きてる人を治す臨床医の方が、まあ。」
-三澄ミコト「法医学は、未来のための仕事。」

「アンナチュラル」第1話 - 三澄ミコト

ミコトの法医学に対する信念が感じられる台詞です。

死因が灰になる前に

「ご遺体調べに行きましょう。死因が灰になる前に。」

「アンナチュラル」第1話 - 三澄ミコト

真実を知るために仕事をしに行くミコトが言った言葉です。
灰になってしまえば、あったはずの事実も、知る術がなくなってしまう。
見ようとしなければ、なかったことになってしまう。
響いた言葉でした。

そんな気分じゃないから食べるんです

-三澄ミコト「一口だけでも。」
-馬路路子「私そういう気分じゃないんです。」
-三澄ミコト「そんな気分じゃないから、食べるんです。」

「アンナチュラル」第1話 - 三澄ミコト

恋人を亡くした路子に菓子パンを差し出しすすめたミコトがかけた言葉です。
この作品の中では、食べるという行為が、強く生きる象徴として、意地でも前を向き歩いていく意思の象徴として、度々表現されます。
この時菓子パンを食べた路子は、なぜこんな時にも美味しいのかと呟き涙します。
とても切なく、やりきれず、美しいシーンでした。

ご遺族がこれから生きていくためにも

「それから、高野島渡さんの名誉の回復をお願いします。ご遺族が、これから生きていくためにも。」

「アンナチュラル」第1話 - 三澄ミコト

亡くなった後、感染症を日本に持ち込み拡大させた犯人だという風評被害にあった高野島渡さん。
彼の名誉回復を願ったミコトが、ウイルス感染の根源となった病院の院長に伝えた言葉です。
亡くなった人がもう戻らなくとも、ご遺族は生きていかなければならない。
事実を明らかにすることは、本人だけでなく、家族や周りの人々にとっての救いにもなり得る。
切に願ったミコトの言葉が印象的でした。

不条理な死

-中堂系「無敵?敵は何だ?」
-三澄ミコト「不条理な死。」

「アンナチュラル」第1話 - 三澄ミコト

中堂とミコトの会話です。
自身の過去から、不条理な死に屈しないという強い信念を持って生きるミコト。
この言葉は、その信念を強く感じさせる言葉でした。
 

第2話

単なる身勝手な人殺しです

「あの、その言い方やめませんか。"無理心中"なんて言うの、日本だけです。正しくは"murder-suicide"。殺人と、それに伴う犯人の自殺。要するに、単なる身勝手な人殺しです。」

「アンナチュラル」第2話 - 三澄ミコト

無理心中というワードに対するミコトの台詞です。
この作品では一貫して、不条理な死に対して加害者側の事情や心情への共感や同情は描かれません。
勝手にストーリーを作って語ることに価値はなく、あるのは事実と経緯のみ。
ミコト自身の経験からも、この台詞は重く、作品の根幹の価値観が表れています。

自分と子どもが別の人間だということを理解していない

「あれは心配でしょうか。子どもを自分の所有物だと思ってるように聞こえました。一家心中でよくあるじゃないですか。子どもだけ残してあげたら可哀想だから殺してあげる。それと同じです。自分と子どもが別の人間だということを理解していない。」

「アンナチュラル」第2話 - 三澄ミコト

子供は親の所有物でも道具でもない。
それぞれに意思を持ちそれぞれに人生がある。
親心を否定するつもりはないけれど、親であろうと子供のそれを支配し奪う権利はない。

見なかったことにするんですか

「待ってください。"助けて"っていう彼女の言葉は?生きてる時も助けられずに、死んでからも見なかったことにするんですか?」

「アンナチュラル」第2話 - 三澄ミコト

目の前に被害者が命をかけて残した手がかりがあるのに、追及せず事態を収めようとする上の判断に、ミコトが言った言葉です。
本来なら、生きている間に救うことが出来たら一番よかった。
でもそれが出来なかった今、法医学を持って出来ることは全部し、事実を明らかにする。
ミコトやUDIのメンバーの信念とするべき仕事が不条理な事情により捻じ曲げられそうになった時、強い意志を持って言葉に変えることが出来るミコトです。

人間は意外としぶとい

「息を止めて泳がずじっとしていれば2~3分はもつ。意識を失うまでは1分。呼吸停止から3分は心臓が動いてる。その間に救出されれば助かる見込はある。人間は意外としぶとい。」

「アンナチュラル」第2話 - 三澄ミコト

ミコトと六郎が冷凍トラックの荷台に閉じ込められ車ごと湖に沈められてしまう。
その絶対絶命な状況で、ミコトが六郎にかけた言葉です。
人間は、意外としぶとい。
どんなに弱気になっても、最後の最後まで、身体は生きようとする。
そんな生の力を感じさせる印象的な台詞でした。

明日

-三澄ミコト「明日の夜、空いてる?」
-久部六郎「明日?」
-三澄ミコト「美味しいもん食べに行こう。なんでも奢る。」
-久部六郎「明日…」
-三澄ミコト「明日。明日何食べよっかな。」
-久部六郎「あったかいのがいいな。」
-三澄ミコト「あったかい味噌汁飲みたいな。」

「アンナチュラル」第2話 - 三澄ミコト

トラックごと海に沈められて絶望的な状況の中、生きて外に出るという願いを持って、ミコトと六郎が交わした会話です。
この物語の中で、生きることの象徴として常に描かれている食べるということ。
外に出たら、明日になったら、あったかいものを食べよう。
当たり前の日常の、特別じゃないごはんさえ、尊い光になる。
印象的な台詞でした。

絶望してる暇あったら

「絶望?絶望してる暇あったら、うまいもん食べて寝るかな。」

「アンナチュラル」第2話 - 三澄ミコト

絶望することはないのかと六郎に聞かれたミコトが、笑って言い放った台詞です。
このミコトの言葉に、何度励まされたことか。
人生は、絶望するにはあまりにも短い。
美味しいものを食べて、寝て、起きて、生きる。
それでいい。
ふとした時に思い出す、とても好きな台詞です。

第3話

分かり合えない相手はいます

「まあ、苦痛を感じてまで一緒に働くことないですね。分かり合えない相手は、います。」

「アンナチュラル」第3話 - 三澄ミコト

中堂のパワハラを訴えて職場を変えた坂本との会話の中でミコトがかけた言葉です。
人間関係、合う人と合わない人はどうしてもいて、合わない人とも折り合いをつけながら一緒にいなくてはならないこともある。
あるけれど、だけど、分かり合えない人はいる。
その人から遠ざかることも、自分が生きていくための選択肢のひとつ。

第4話

あったことも全部なかったことにされる

「そんなの意味ないよ。あいつら本当のことなんてどうだっていいんだ。あったことも全部なかったことにされる。お父さん言ってた。工場が大変な時だから無理してでも頑張るんだって。それなのにさ。お父さん、馬鹿みたいだ。」

「アンナチュラル」第4話 - 佐野祐

職場での過剰労働の結果、事故で亡くなった父親。
その父親の職場は、労働の実態について知らぬ存ぜぬの態度。
それを目の当たりににした少年が、苦しそうに呟いた言葉です。
大好きなお父さん。
家族のために働いてくれたお父さん。
そんなお父さんのことを馬鹿だなんて言わなければならなかった彼の心が、どんなに傷ついたか。
とても苦しいシーンでした。

そんな大人の姿を見せられたら

「あったことをなかったことにする。そんな大人の姿を見せられたら、子どもは石を投げるしかないですよ。」

「アンナチュラル」第4話 - 三澄ミコト

父親を過剰労働が原因の事故でなくした少年。
彼は、過剰労働の実態を隠し、売上ばかりを優先する父親の会社が運営する店の窓に石を投げ、窓ガラスを割ってしまいました。
その少年に対して、ミコトがかけた言葉です。
大人が作っている社会は、子供たちの未来になる。
大人は、子供を失望させてはいけない。
石を投げた少年の苦しそうな顔が、忘れられません。

人を死なせてまでやることなのか

「あるよ。プライドならあんたよりある。商品に愛情だってある。だけどね、人を死なせてまでやることなのか。」

「アンナチュラル」第4話 - 松永

自分を含む現場の過剰労働を、上からの指示で口封じされていた工場長。
社員を1人、過剰労働が原因の事故で亡くした工場長が、思いを改め、社長に立ち向かった。
その時に大きな声で叫んだ言葉です。
仕事には頑張りどきはあるし、仕組みが整うまでに時間はかかる。
声をあげたところで届かないこともあるし、理不尽なこともある。
でも、立場の弱い者が、声の小さい者が、何も言えずにすべてを背負わなければならないことはないはず。
この物語の中では、大切な命がひとつ失われてしまいました。
失ってから気付くのでは遅すぎる。
けれど、気付いたのなら、声をあげる。
工場長と、共に立ち向かった社員の強い意思を持った表情が、忘れられません。

夢なんてそんな大げさなもの無くてもいいんじゃない

-久部六郎「三澄さんはどうして働いてるんですか?」
-三澄ミコト「生きるため。」
-久部六郎「即答っすね。」
-三澄ミコト「久部くんは?」
-久部六郎「いや…俺まだ夢とか見つかってないし。」
-三澄ミコト「夢なんてそんな大げさなもの、無くてもいいんじゃない?目標程度で。給料入ったらあれ買うとか、休みが出来たらどっか行くとか、誰かのために働くとか。」

「アンナチュラル」第4話 - 三澄ミコト

夢なんてそんな立派なものがなくたっていい。
ミコトの言葉が、胸に残りました。
未来を選ぶ時や、今をささげる理由を考える時に、人に語れるほどの立派な夢を持てたら素晴らしい。
だけどそれが出来る人は、どのくらいいるのだろう。
なんのために働くのか。
それはどんな仕事であっても、代え難いモチベーションになる。
でもその目標の大きさは、人と比べるものでもなければ、大きくなければならないものでもない。
少し目線を下げれば、きっと皆、小さな目標を叶えたり、掲げたりしているはず。
それを見つめて、理解すること。
自分次第で、モチベーションはつくれる。

第5話

同情なんてしない。絶対に。

「あなたの気持ちを考えたり遠慮するのが、くそ馬鹿馬鹿しくなりました。さっさと解決して、永遠の問いに決着つけましょうよ。同情なんてしない。絶対に。」

「アンナチュラル」第5話 - 三澄ミコト

中堂にミコトがかけた言葉です。
人の気持ちや過去は、どんなに想像したって本当のところは結局わからない。
勝手に考えて、理解した気になって、同情して、可哀想に思ったところで、何も進まない。
だからと言って諦めない。
向き合って、進んでいく。
その強さを感じる言葉です。

第6話

合意の無い性行為は犯罪です

「女性がどんな服を着ていようが、お酒を飲んで酔っ払っていようが、好きにしていい理由にはなりません。合意の無い性行為は犯罪です。」

「アンナチュラル」第6話 - 三澄ミコト

男にホテルに連れ込まれた東海林。
その服装を原因のひとつかのような言い方をした刑事の毛利に対してミコトが言った言葉です。
この台詞をまっすぐに言葉にして残したこの脚本に、強いメッセージを感じます。
野木さんの脚本で描かれる女性にまつわるテーマは、いつも一貫したメッセージが込められていて、心に響きます。

第7話

いじめという名の殺人

「死因は、刃物による自殺。ここまでが法医学的見解。ここからは法医学者ではなく、私個人の見解として話をします。
これまで多くのご遺体を見てきた。ご老人から小さな子どもまで。いつも思う。なぜ、この人は死ななきゃならなかったのか。
Y君の背中には、たくさんの痣があった。日常的に暴力を受けていた痕。執拗に繰り返され、治るより前に次の痣がつけられた。そんな暴力が見過ごされた。追い詰められた彼は、最悪の選択をしてしまった。
法医学的には、自殺。でも私は、殺されたんだと思う。法律では裁けない、いじめという名の殺人。あなたはそれを、大勢の人に伝えたかった。」

「アンナチュラル」第7話 - 三澄ミコト

いじめを苦にした友人を亡くし、自分も後を追おうとした白井に、ミコトがかけた言葉です。
このシーンは多くの人の心に今も残っているのではないでしょうか。

あなたの人生はあなたのものだよ

「まだ終わってない。質問に答えて。あなたが死んで何になるの?あなたを苦しめた人の名前を遺書に残して、それが何?彼らはきっと、転校して、名前を変えて、新しい人生を生きていくの。あなたの人生を奪ったことなんてすっかり忘れて生きていくの。あなたが命を差し出しても、あなたの痛みは決して彼らに届かない。それでも死ぬの?あなたの人生は、あなたのものだよ。」

「アンナチュラル」第7話 - 三澄ミコト

あなたの人生は、あなたのもの。
他の誰にも奪われない、自分のもの。
それを自分で手放してはならない。
理不尽にも、不条理にも、生きていれば、負けない。

許されるように生きろ

-白井一馬「横山は死んだ。僕だけが生きてていいのかな?」
-中堂系「死んだやつは答えてくれない。この先も。許されるように、生きろ。」

「アンナチュラル」第7話 - 中堂系

白井に中堂がかけた言葉です。
遺された者は、答えのない永遠の問いに苦しむ。
生きて、苦しむ。
自分の人生を手放したら、負け。

第8話

うちの優秀な六郎に何を言うんだって

「腹立つなあ。腹立つね、六郎の父。うちの優秀な六郎に何を言うんだって。」

「アンナチュラル」第8話 - 三澄ミコト

父親に馬鹿にされたような物の言い方をされた六郎。
ミコトがその六郎と居酒屋で話を聞きながら言った言葉です。
諭すわけでもなく、慰めるわけでもなく、自分事のように腹が立つと言ってくれる。
こういう言葉をもらえると、救われる時がある。
ミコトの六郎に対する態度や言葉には、気付かされるものが多いです。

私たちは私たちの仕事をしよう

「私たちは、私たちの仕事をしよう。」

「アンナチュラル」第8話 - 三澄ミコト

父親に否定された法医学で、自分達は自分達の仕事をしよう。
ミコトが六郎にかけた言葉です。
腹が立っても、傷つけられても、感情的になったら負け。
自分の仕事をきっちりして、仕事で、正しく、勝つ。
意地とプライドを感じさせる、まっすぐな言葉です。
 

安心できる場所とか人とか

「姉ちゃんここんとこうち来なかったろ。気にしてんだよ。三澄の家が、姉ちゃんが帰れる家になってんのかって。うちじゃないとしても、安心できる場所とか人とか、姉ちゃんにあんのかって心配してんだよ。」

「アンナチュラル」第8話 - 三澄秋彦

ミコトの義理の弟・秋彦が、電話越しにミコトにかけた言葉です。
帰る場所。
帰る場所があるって、大切なことで、幸せなこと。
誰もに当たり前のようにあるようで、本当は当たり前のない、かけがえのないもの。
場所でも人でもいい。
誰もにそんな場所が、ちゃんとあったらいい。

帰すべきところへ帰してあげる

「ご遺体を帰すべきところへ帰してあげるのも、法医学の仕事のひとつです。」

「アンナチュラル」第8話 - 神倉保夫

被災地で医療に従事した際、帰るべき場所へ帰れない人たくさんの人を目の当たりにした神倉が、六郎との会話の中で言った言葉です。
この回では「帰る場所」がテーマになっていました。
帰るべき場所があり、そこに帰れることは、決して当たり前ではない。
帰れることが、帰してもらえることが、かけがえなく思えます。

俺は想いが足りないんだな

「会いたいって想いが死者に会わせるなら、俺は想いが足りないんだな。」

「アンナチュラル」第8話 - 中堂系

恋人を亡くした中堂。
夢にさえも出て来てくれない恋人を想い、中堂がミコトの前で呟いた答えです。
もう会えない。
もう一度会いたい。
いなくなれば会えないという、誰もが知っている事実を突きつけられた時、やはり願ってしまうのは、もう一度会いたい、ただそれだけなのかもしれません。

死を忌まわしいものにしてはいけない

「死ぬのに良い人も悪い人もない。たまたま命を落とすんです。そして、私たちはたまたま生きている。たまたま生きている私たちは、死を忌まわしいものにしてはいけないんです。」

「アンナチュラル」第8話 - 神倉保夫

妻を亡くしたことをバチが当たったと話すゴミ屋敷の老人に、神倉がかけた言葉です。
死はバチでも罰でもない。
生と死を分けるのは、そんなものではない。
生かされて、生きている、たまたまいる私達は、死を忌まわしいものにしてはいけない。

生きてるうちしか話せない

「生きてるうちしか、話せないんだよね。」

「アンナチュラル」第8話 - 三澄ミコト

六郎といる時、ミコトが呟いた言葉です。
この言葉を受けた六郎は、父親に会いに行き、自分の想いを伝えます。
生きているうちにしか話せない。
わかっているのに、また今度でいいや、今じゃなくていいやと、先送りにしてしまうことって、ある。
言えなくて言わなかったこと。
聞けなくて聞かなかったこと。
「いつかまた」と思ってと、その「いつか」は、来ないかもしれない。
知っているはずなのに、知らないふりをしてしまう。

第9話

同情なんかしてたら

「同情なんかしてたら必要なこと言えなくなるし、何かあった時に止めることが出来ない。」

「アンナチュラル」第9話 - 三澄ミコト

中堂を思ったミコトの言葉です。
同情されたくないと生きてきたミコトならではの言葉でした。
 

第10話

負けそう

「私、ずっと悲しむ代わりに怒ってた気がする。負けたくなかった。不条理な死に負けるってことは、私を道連れに死のうとした母に負けることだから。でも、毎日どこかで人が死んで、その分誰かが悲しんで、人が人を殺して、憎んで、また悲しみが増える。法医学者の出来ることなんて、ほんの少し。負けそう。」

「アンナチュラル」第10話(最終話) - 三澄ミコト

ミコトが珍しく家族の前で吐いた弱音です。
どんな時も常に法医学者として仕事で不条理と闘ってきたミコト。
そのミコトが負けそうだと言った姿は、胸を締め付けるものがありました。

ひとりでなんて持てっこない

「生きてる限り、負けないわよ。なに世界の悲しみ背負っちゃってんの。ひとりでなんて持てっこないって。」

「アンナチュラル」第10話(最終話) - 三澄夏代

事件の事も、中堂のことも、1人で闘おうとして弱音を吐いたミコトに、母親の夏代が優しく強くかけた言葉です。
1人で背負わなくていい。
1人じゃない。
生きてる限り、負けない。
その言葉を胸に、また前を向くミコトでした。

職員ひとりに背負わせて

「職員ひとりに背負わせて、知らぬ存ぜぬは出来ません。」

「アンナチュラル」第10話(最終話) - 神倉保夫

犯人逮捕のために鑑定書に事実を書かないようプレッシャーをかけられていたミコト。
ミコトが悩む姿を見て、上司の神倉が、ミコトに背負わせまいと立ち向かった時の言葉です。

責任転嫁しないでいただきたい

-神倉保夫「三澄ではなく私の判断です。UDIラボは中立公正な機関です。補助金はいただいても、おかみにおもねり解剖結果を捻じ曲げるようなことはいたしません。」
-烏谷守「高瀬を裁けなくてもいいんですか。」
-神倉保夫「それはそちらの仕事でしょう。うちはうちの仕事をきっちりやってるんです。責任転嫁しないでいただきたい。」

「アンナチュラル」第10話(最終話) - 神倉保夫

犯人逮捕のために解剖結果を捻じ曲げろと指示を出した烏谷に対して、神倉がUDIラボの所長として、強い口調で真っ直ぐに言った言葉です。
それぞれが、それぞれの仕事をする。
当たり前のようで、ひとりひとりの意思がなければ保たれない正義。
ひとつひとつのプライドの積み重ねが、正義をつくるのだと考えさせられます。

私を絶望させないでください

「私が嫌なんです。見たくないんです。不条理な事件に巻き込まれた人間が、自分の人生を手放して同じように不条理な事をしてしまったら、負けなんじゃないんですか?中堂さんが負けるのなんて見たくないんです。私を…私を、絶望させないでください。」

「アンナチュラル」第10話(最終話) - 三澄ミコト

ミコトが中堂にかけた言葉です。
不条理な殺人により人生に苦しみを背負った2人。
自分の人生を、不条理に負けて手放さないために、ミコトが必死に叫んだ言葉でした。

不幸な生い立ちなんて興味はないし動機だってどうだっていい

「私たち法医学者の仕事は、ご遺体を調べ、検査し、正確な死因を把握し、事実を鑑定書に書くことです。もちろんそこには、犯人の感情や気持ちなんて書かれていません。ご遺体を前にしてあるのは、ただ命を奪ったという取り返しのつかない事実だけです。犯人の気持ちなんてわかりはしないし、あなたのことを理解する必要なんてない。不幸な生い立ちなんて興味はないし、動機だってどうだっていい。ただ、同情はしてしまいます。この可哀想な被告人に。被告人は今もなお、死んだ母親の幻影に苦しめられています。30歳を過ぎてもなお、子どもの頃のまんまなんです。誰も彼を救えなかった。あなたも、自分自身を救えなかった。あなたの孤独に、心から同情します。」

「アンナチュラル」第10話(最終話) - 三澄ミコト

ミコトが法廷に立ち、容疑者にかけた言葉です。
法医学者としての信念として事実を曲げずに法廷に立ったミコト。
過去に女はすぐ感情的になると馬鹿にされた経験すらも逆手にとり、容疑者の感情をあえて逆撫でするように語った姿、ミコト自身が最も嫌う同情をつかって不条理に勝利した姿が、見事で、とても印象に残っています。

絶望する暇がない

-三澄夏代「また次があるでしょ。」
-三澄ミコト「あるねえ。次から次へ。絶望する暇がない。」
-三澄夏代「最高じゃない。」

「アンナチュラル」第10話(最終話) - 三澄ミコト

ひとつの事件が収束し、ミコトがまたひとつの不条理に勝利した後の、母娘の電話での会話です。
人生には、絶望することもあるかもしれない。
だけど明日はくる。
次から次へと、やるべき仕事が訪れる。
絶望に浸っている暇はない。
生きている限り、負けない。




以上、ドラマ「アンナチュラル」の名台詞集でした。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文