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SNAKE.IO開発者:なぜゲームマーケティングは既にTIKTOKを見逃せないの?

広告を3秒見た後にアプリストアに移動し、5秒後にダウンロードが終わる―。

これがハイパーカジュアルゲームのスピード感です。さまざまなタイプのゲームが登場する中、操作が簡単・直感的で、すきま時間にちょっとだけプレイできるハイパーカジュアルゲームは幅広いユーザー層を取り込んでいます。

ハイパーカジュアルゲームは受け入れられやすい―。それは事実ですが、誰もが同じハイパーカジュアルゲームを遊んでばかりいるわけではありません。ハイパーカジュアルゲームは世界でダウンロードされるゲームの3分の1を占めており、リリースされるタイトル数も増え続けています。同一の製品カテゴリ内で同質化が進む、トラフィック競争が熾烈なこうした市場において、新規ユーザーを獲得するのは難しくなる一方であり、ユーザーの引き止めはハイパーカジュアルゲームの最大の課題となっています。

Kooapps社は目覚ましい実績により、私たちにハイパーカジュアルゲームユーザー拡大のもう一つの可能性を示してくれています。同社が開発したSnake.ioは、Nativexのサポートを受けた後、中国・米国など複数の市場でゲームランキングトップに輝きました。同タイトルはさらに、今年1月にはMirage Portalの2023年度Androidゲームアプリトップ16に選ばれるなど、Kooappsの看板タイトルとなっています。

Snake.ioは対戦型スネークゲームです。プレイヤーは最初は小さなヘビで、アリーナで相手を呑み込みながら大きなヘビへと成長していき、最終的な勝利を目指します。Snake.ioはオーソドックスなスネークゲームのスタイルを踏襲しつつも、多彩なスキンを用意しており、実績を達成するとさまざまなスキンをアンロックできます。

Kooapps社について

Kooapps社は独立系モバイルゲームパブリッシャーです。社名は「Cool Apps」をもじったもので、ユーモラスでユニークなゲームを通じてユーザーとつながることを目指しています。これまで「Snake.io」「Stacky Bird」「Pictoword」といった人気ゲームをリリースしており、世界全体のダウンロード総数は3.5億回を超えています。

目覚ましい成長の背後にあるのは、Kooapps社のメディアやゲーム、ユーザーに対する深い理解です。ここでは同社のCEO、Chun-kai Wang氏に、TikTokプラットフォームインサイト、インフルエンサーマーケティング、ローカライズ戦略に対する独自の見方について聞きました。

TikTokの活用により低コストで飛躍的なユーザー拡大を実現

ショート動画プラットフォームは現在、ハイパーカジュアルゲームによる新規ユーザー獲得の主要なチャンネルの一つとなっています。TikTokプラットフォームではうれしい発見がありました。それは、TikTokで獲得したユーザーは他のチャンネルと比較して、継続率が20%高いということです。世界最大のショート動画エンターテイメントプラットフォームであるTikTokには、世界のさまざまな地域のゲームインフルエンサーが集まっています。TikTokのインフルエンサーは他の海外ソーシャルメディアプラットフォームよりもユーザーエンゲージメント率が高く、ゲームマーケティングのために継続的な原動力を提供してくれるのです。

Wang氏は、「TikTokのバーティカルインフルエンサーはカバー範囲が広く、返信率は他のプラットフォームの2~3倍で、Kooappsが提携関係を築きやすいという特徴があります。一方、市場が大きいということは、競合やクリアすべき課題も多いということでもあります。潜在ユーザーを開拓育成していくためには、圧倒的な素材制作力や創作への情熱を維持していくことが求められます。Nativexは高いリソース連結力、プロフェッショナルなクリエイティブ制作力を持っており、私たちが最も効果的な組み合わせの広告配信手法を模索する中で、さまざまな地域でさまざまな手法を試すバックアップをしてくれました」と語っています。

Nativexは2019年からTikTokマーケティング支援サービスを展開しており、2022年には「TikTok for Business イノベーティブマーケティングパートナー」に選出され、TikTokのインフルエンサーマーケティング事業におけるパートナーとなっています。インフルエンサープロモーション、ハッシュタグチャレンジなどのコンテンツエコシステムに精通するほか、TikTokの広告ツール分析にも取り組み、ツール活用によるお客様のマーケティング有効化をサポートしています。Snake.ioのプロモーションでは、Kooapps社はTikTokが提供する「Spark Ads」により、TikTokコミュニティ内の優れたクリエイティブを最大限に動員する手法を選択しました。

Wang氏によれば、Kooapps社はSpark Adsを活用してインフルエンサーのオーガニックトラフィックを獲得するとともに、Spark Adsのオーバーレイにより動画の露出を増やし、コンバージョン率を効率的かつ正確に向上させています。ROI目標を達成しつつ、多くのインフルエンサーと長期的な「Win-Win」の協力関係を結び、トラフィックの持続可能な拡大を実現しています。

Spark AdsはTikTok上のネイティブ広告であり、広告出稿側はこれを活用し、通常のネイティブ動画をTopViewまたはインフィード広告としてプロモーションすることで、動画の露出を増やし、コンバージョン率を高めることができるのです。広告出稿側によって制作された動画であっても、インフルエンサーや一般ユーザーによって制作された動画であっても、動画所有者から使用許諾を受ければ、Spark Adsを活用してプロモーションを行うことが可能です。


パターン化した発想を打破―インフルエンサーマーケティング成功に向けた「奇策」

Kooapps社はさらに「インフルエンサーリソース+Spark Ads」の優位性を活かし、資金の効率的な配分を図り、TikTokインフルエンサーマーケティングを深掘りしていくこととしています。

TikTok for Businessの統計によれば、ゲームユーザーの79%がTikTokのコンテンツを視聴した後にオフサイト行動(ゲームのダウンロードなど)をとっていることが分かっています。これは、TikTokクリエイターが提供するコンテンツに虚飾が混じっていないと、オーディエンスから高く評価されていることを示すものです。

インフルエンサーマーケティングが幅広く行われるこのプラットフォームで、Kooapps社はインフルエンサーマーケティングをどう活用し、ハイパーカジュアルゲームの飛躍的なユーザー拡大を実現できたのでしょうか?Kooapps社がオーディエンスの心をどうつかみ、新規ユーザー獲得へとつなげたのか、Wang氏が二つの事例を紹介してくれました。

クリエイティブ事例①

事例①では、Kooapps社は「NARUTO -ナルト-」がTikTokコミュニティ内における人気コンテンツ、著名IPであることに着目しました。ゲーム内で「NARUTO -ナルト-」をテーマにしたスキンを提供したほか、プロモーション動画と既存コンテンツとの連動を狙い、「NARUTO -ナルト-」関連コンテンツを制作しているインフルエンサー・Michaelとコラボプロモーションを展開しました。

動画では、Michaelがアニメのキャラクターに扮し、一人称視点でオーディエンスにゲームのアニメコラボスキンを生き生きと紹介し、オーディエンスをゲームダウンロードへと誘導しています。「友達に紹介しているような」形がオーディエンスの共感を呼び起こし、「バーティカルインフルエンサーとのコラボ」によりプロモーションのリアルさ・関連性が高まることとなりました。

「オーディエンスにとって、インフルエンサーがゲームをしている姿を眺めるのは興味深いことなんです。映像やカメラがぐらついて、ゲームの画面が見えない部分もあったとしても、TikTokのオーディエンスはこうした『リアルさ』を好むんです。こうした素人臭さがかえって人を引きつけるわけです。最終的に米国市場でのダウンロード数は67%増加ダウンロード率は最大52%上昇と、予想を上回る成果をあげることができました」とWang氏は語ります。

TIPS:動画では、「リアルなプレイヤー視点」「オーディエンスとの会話」という形をとることで、リラックスしたムードをつくりだし、ユーザーとの距離を縮めています。ゲームのリズムに合わせ、高揚したムードの中、ゲームの解説を生き生きと進めていくことで、オーディエンスの感情をたくみに揺さぶっています。

クリエイティブ事例②

事例①がコンテンツとの関連性の重要さを示すものだとすれば、事例②は「関連性のなさ」によってオーディエンスの「好奇心」をうまく刺激したものだと言えます。動画では、1人の女性がゲームをプレイしながらしゃべり続けています。中央には女性がプレイしているスネークゲームの画面が写っており、ポイントがどんどん上がっていきます。オーディエンスは動画を見進めていくうちに、この女性の話している内容が実は、ゲームとは何の関係もないことに気づきます。例えば、女性はこのように話しているのです。「あのね、この間、家に帰る途中で警察官を見かけたんだけど、そこでこんなことがあったんだ…」。

こうした広告がスマートフォンの画面に表示されたユーザーの多くは、一体どんな出来事が起こったのか、話を聞き続けずにはいられなくなります。彼らにとってこれは「想定外」のことだからです。人間の脳が聴覚情報を処理するスピードは、視覚よりずっと速いと言われています。TikTokのような視覚情報があふれるショート動画プラットフォームで、視覚情報ではなく、あえて聴覚情報を届ける―。これはオーディエンスの耳に突然飛び込ませた「声という情報」によって、かえってその注意を引きつけているという点で、イノベーティブな手法だと言えるでしょう。

TIPS:「聴覚情報と視覚情報にあえて関連性を持たせない」という形をとり、音声と動画コンテンツと分離したうえで、オーディエンスの「好奇心」をたくみに刺激し、音声コンテンツによって動画を最後まで視聴させ、コンバージョンにつなげています。

「スピード」と「クリエイティブ」を両立―Kooapps社の事業拡大戦略

世界で最も人気のあるショート動画プラットフォームの一つであるTikTokには、世界各地の文化を包摂し、世界中にユーザーを抱えるという特徴があります。これは、優れたクリエイティブは驚くべきスピードで伝わっていくことを意味します。また、文化の融合により新たなものを生み出す力が試されるということでもあります。

Wang氏は、マーケティングにおいてコンテンツが果たす役割には非常に重要なものがあると指摘します。「TikTokにはクリエイティブを表現する無数の方法が存在しています。このため、私たちには創作の情熱を保ち続け、最新のトレンドに注意を払うことが求められます。例えば、私たちはあるとき、Twitterで柴犬に関連した要素が人気を集めているのに気づきました。それで、ゲームにも柴犬のキャラクターを登場させることにしたんです。国や地域が違えば、文化の違いに応じてコンテンツをブラッシュアップしていく必要があります。そしてこれこそ、私たちがNativex社に協力を求めた理由なんです。Nativex社は素材コンテンツのローカライズに関して、プロフェッショナルかつ効果的なサポートを提供してくれました」

Kooapps社はクリエイティブに工夫をこらすだけでなく、TikTokのスピード感にもついていくことを求められています。「TikTokというプラットフォームの最大のペインポイントは、動画素材のライフサイクルが短いことです。私たちがつくりあげたクリエイティブは、他のチャンネルでは1~2年は使えるのに対し、TikTokでは2~4カ月の寿命しかありません。」

「これはチャンスであり、チャレンジでもあります。私たちが新たな素材を生み出せなくなれば、競合のより優れたクリエイティブに取って代わられるということです。逆もまたしかりです。ですから、TikTokマーケティングではローカライズ、そして新たなホットスポットを生み出すことを大変重要視しています」と、Wang氏は指摘します。

Nativexを選んだ理由

Kooapps社では、コンテンツのブラッシュアップ、チャンネルの選定以外にも、データ駆動型の思考、パフォーマンス指向を徹底し、LTVとユーザー継続率に注目しています。この点がNativex社に目を向けた理由です。Nativex、Kooapps両社のデータとコンテンツに対する理解が正確であることは、実績が物語っています。Kooapp社の投資回収期間は一貫して4~6カ月を維持しており、これは資金が的確に投入されていることを示します。

「NativexはTikTokという私たちにぴったりのチャンネルを見つけてくれました。サポートを得られたことを幸運に感じています。TikTokにはスピード感あるユーザーカルチャー、多様なコンテンツエコシステムがあります。私たちはTikTokでより自由なクリエイティブを展開しつつ、質と継続率の高いユーザーとの関係を築いています」Wang氏は「今後もNativexとの緊密な協力関係を保ちつつ、海外市場を開拓していきたい」としています。

ゲームアプリやTikTokマーケティングに興味を持ち方、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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