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【詩】「the light」


誰かの不幸せに安堵してる
悲しいときこそ眠りが深くなる
恋に落ちるのは許されない恋だから

まっすぐな道に倦んだのはいつからだろう
みんなややこしく生きることに夢中になってる

僕は誰もいない部屋で詩をうたい
君は顔も知らない誰かに猫なで声で愛を売ってる
彼はヒッカケ橋で肩をぶつけては喧嘩してる
彼女は酔っ払って前後不覚になって地下街でうずくまってる

明るい朝はこなくなり どこか歪んでる景色
夜は眠りに就けなくなって いよいよ不眠症も極まってる
最後に泣いたのはいつだったっけ?

人ごみに踏まれてぐしゃぐしゃになったスポーツ新聞の日付
それが何日前のことだか分からなくなった
ひょっとしたらそれは未来のNewspaper?

どうだっていい
欲望すら虚しくなってくる
だけど
全部嘘だ

アナタの失敗を待ち望んでる
泣き顔を見せられたら抱きしめたくなる
何でもかんでも「愛」と決め付けてる無茶苦茶な風潮

キレイな体でいれなくなったのはいつからだろう
汗や血やいろいろ流してみんなどこかネバついてきている

僕は空が広くなった場所で一瞬の夢を描き
君は観覧車から電波を飛ばして夕焼けを教えてくれる
彼はイコサンからの夜景を誰かの肩を抱きながら見つめてる
彼女は誰かの腕に寄りかかりながらパークスでワイスピの始まりを待ってる

静かな朝はこなくなり どこかざわめいた景色
闇は行き場をなくしちゃって 僕らの心に棲むしかできなくなったね
行ったり来たりばかりだよ

顔も名前も知らない不特定多数の人のテアカに汚れた駅のポスター
どうしてそんなに人の目を引くのだろう?
それとも僕らは何かに吸い込まれていきたいのか?

なんだっていい
感情が意味を為さなくなっていく
でもね
それは嘘だ

  終わりを知っている 
  だけどそれがいつかはわからない
  永遠と見まがうような
  そんな瞬間の積み重ねの中
  どこかで何かが響いているよ
  僕らなりの声で心で魂で
  すべて消えていくことを
  恐れないでいきましょう
  最後の最後に僕らは一人ぼっちでも
  きっと誰かに届いてる
  どうか心配し過ぎないで
  僕らはいつだって
  それぞれの光で輝いているよ

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