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カナリアストーリー

あるところに小さなカナリアが居ました

カナリアは、遠くのお山の向こうに居る、神様に逢いたい!と逢いに行くことを決心しました

同じように神様に逢いたいという、仲間のカナリアとともに旅をしました

その山は、とても、とても遠くて、険しく

未知の世界へと行く道中は

楽しさもあったけど恐怖や不安もついてきました

ある嵐の日、小さなカナリアは空から落ちてしまい飛べなくなってしまいました



カナリアは、仲間を失ったこと、飛べなくなったこと、

そして、神様に逢えなかったこと


とても、とても哀しくて、悔しくて辛くて泣きました


泣いて、泣いて、泣いて

だけどどうしようもなくて




そんな日がどれくらいか続いたあと

ぽつり、ぽつりと、目の前の日常に向き合いました


怪我をした小さなカナリアは、優しい人に拾われ、看病してもらいました

お腹が空き、餌を食べ、少しずつ歌を歌うようになりました

カナリアは、哀しいときは泣きました

嬉しいときは歌を歌いました


自分に来た感情を、味わいました




・・・





そんなある時カナリアは、求めるものは何も無かったのだと、気づきます



何も無いから全てがある、そんな自由な世界



神様には、逢いに行けなかったけれども、

仲間とは、はぐれてしまったけれども



自分の胸のうちにある静かな空間に出逢えたカナリアは

とても幸せなのだと気づきました


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