見出し画像

逆噴射小説大賞2020応募作品・ライナーノーツ(ナタ版)


ライナーノーツ、そういうのもあるのか!

ということで先人に肖って今年の逆噴射小説大賞2020投稿作品についてまとめてみようと思う。趣向とかそこらへんはぶっちゃけ思いついたとおりに書いてるだけだったので、反省も踏まえつつまとめていこう。
是非作品を読んでいただければ幸いです。


一作目:異世界D

タイトルから分かるように頭文字Dからのインスパイアである。それとよくある異世界転生もの。異世界にハチロクと一緒に漂着したドライバーがお姫様を助けて竜騎兵から逃げる話。これでやりたかったのはジェットコースターのような見せ場の展開だったので「あらすじ風に背景説明を引用カラムで説明する」という要素だった。
思った以上にしっくり来たし発想から完成まで1時間前後でできたので満足はしている、が、どうにもパルプとしてのエンジンは足りなかった気がしなくもない。
写楽愛太郎に「上等」ってキメ台詞を言わせられたので良し。ちなみに主人公の名前は「車を楽しんで愛する太郎」から来ています。しゃらくあいたろう。この後愛太郎君は姫を守りつつ疾走するけれど、何よりもまず燃料問題をどうにかしないといけないだろうね。


二作目:ゾンビVSシャーク

私が密かに応援しているにじさんじ所属Vtuber、セレ女中等部2年のサメ映画のやべーやつ『北小路ヒスイ』と新進気鋭のバーチャルアンデッドユニット『BOOGEY VOXX』のキョンシーのほうCiちゃんとがコラボしていてな。ヒスピの配信は色々ぶっ飛んでて面白い。オススメは感情移入しまくりの『デトロイト:ビカムヒューマン』のやつだ。ぶぎぼの特にいい曲は『D.I.Y!』なので聞きに行こうな。

実質ゾンビ映画vsサメ映画じゃねーか!って発想してつらつらと書いたのが上の作品だ。
もっとタイトルにケレン味を出すべきだったかもしれないが、SF心としては生物蓄積の要素をどうしても使いたかったのでこういう方向性に。ぼんやりと描いてる続きとしては「このサメにゾンビを全部食わせて陸地を取り戻してやる!!」って方向性になると思う。主人公はモリ打ちの少年な。


三作目:醤油戦争

自分でも不可思議な作品だ。
指摘された通りであり、星新一メソッド的な「繋がらないAとBを強引に繋いで突拍子もないアイディアにしてしまおう」をやらかしてできたのがこのタイトルだ。醤油と石油って似てるよね!
醤油を出すなら寿司も出したいしサイバーパンクなら人工スシバー!ってことで登場。裏テーマで「何のためにまずい飯食って生きるのか」みたいなニュアンスを添えつつ。メシを食べてるのに感じる味が違うメシというのは果たして生きてるっていえるんだろうかな。
多分戦場にたどり着いたら醤油リアクターで稼働される反物質醤油砲だとか極微量の醤油で小型超重力醤油手投げ弾でブラックホール作ったりするかもしれない。そんな作品。

実のところ個人的にボツにしようかと思ったら、1番ウケがいいのがこの作品だったんだよな……


四作目:集合的無意識=イドの茶碗

こっち自体はSF短編で書こうとしていたけれど放置していたネタを逆噴射用にコンバートしたもの。元ネタは落語の『井戸の茶碗』。
くず屋の男が貧乏な武士から仏像を買い取り、それを細川邸の若い家来に売った。しかし若い家来が仏像の中から50両を見つけたからさぁ大変、家来も武士も「相手方の50両だから受け取れぬ」とやり取りしていくお話。面白いのでぜひ聞いて。
まぁ井戸とイドの駄洒落だ。今年の1月あたりにIDO:INVADED(イド:韻ヴェイデッド)という面白いアニメ作品やってたのでひらめいて書いたものだ。


この後の展開としてはイドの茶碗でトリップしてたどり着いた電脳世界が天上楽土で人類のあらゆる魂が集積集合している場所だった、という感じに。銃撃戦やってもいいかもな。


四と二分の一作目:フーダニット

逆噴射小説大賞は5作までだろう!なんだ4.5って!
いいじゃないか気にするな。こっちは投稿予定だけどどうにも個人的にしっくりこなかったのでプラクティス入りにしてしまった奴だ。
雰囲気としては自分に語りかけてくるテープを聞く男っぽい感じに。クリストファー・ノーランのメメントだとかアーノルド・シュワルツェネッガー主演のトータル・リコールとかSF映画ペイチェック消された記憶とかそこらへんをイメージしてつらつらと書いた。グロッグは個人的に好きな銃だったので採用。好きをならべりゃたいてい作品になるんだ。
まぁ今後の展開はほとんど考えてないし自由にできるともいう。


五作目:死にたがりマキアスの英雄譚

ラストの銃弾は王道ファンタジーものっぽく。
生まれた時から不死身だった男が世界を旅して死に場所を探すお話だ。どうして不死身の男が死にたがるようになるのか、死ぬためにどういう行動を選んでいくのかとかそこらへんを楽しみにワンダーしてくれれば私は嬉しい。
実は第二話は完成しているのだけれど公開は逆噴射大賞の募集が終わってから掲載する予定だ。逆噴射小説は続きを連想させる作品であるべきだから、先に続きを載せたら本末転倒でもあるしな。
アイディアもふつふつと湧いてるので連載にもしたいところだが、不老不死は死ななければならないのが物語なのでそこまで長期な作品にもできないか。
マキアスの名前の由来はデウス・エクス・マキナから。機械仕掛けの神のように死なない男は人間でいられつづけるのか。続きが楽しみならば応援してくれるとありがたい。


とまぁ以上の5作品だが、反省も多い。
人の作品を見ると自分のはどうにもこじんまりとしててパルプや胡乱らしさが全然足りないのではないか? というのもある。逆噴射小説最終選考にまでは残れるかもしれないが、大賞を狙える作品かと言われると自身でも疑問に思ってしまったり。
もっとタイトルを外連味たっぷりのゴテゴテおしたのにするとか、BLAM!BOMB!とか使ってみるとか、そういう突拍子のなさもパルプには必要かもしれん。ただ私の基質としては王道を歩みたいのである。
具体的には、ちゃんと続きが書けるシンプルな作品をだな。星新一とフレデリック・ブラウンの系譜も大事にしてみたいのである。

実はネタにはできているけれどどう書こうか迷っているパルプもいくつかあるので、公開できたらそれはいいなぁと思っている。透明人間の女子高生のお話とか異世界剣豪外伝とかオルフェウスの話とか。

どっとはらい。また会おう。


参考

今回のライナーノーツは三宅つの=サンのを参考に書かせていただきました! ここに紹介を添えて感謝と代えさせていただきます。


ぶぎぼも推していけ、というらしい。


◆追記

続いてしまった。

私は金の力で動く。