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なんにもないからっぽの大人になっちゃったけど、猫の体はあたたかい(猫の話は出てこないよ)

なにしててもイライラする
たしかにそうなんだけど
とくに今、なにかしてるわけでもないから
正しくは「なにもしてないからイライラしてる」

なにか行動すれば解決するのかもしれない
だけど、そのなにかって、なんだろうね


仕事探しを始めている
そこそこ大きい企業の書類審査に通った
前職の経験も活かせて、今後の成長も少しはできそうな、今の自分にとっては、よい職場になりそうだったのに、面接を辞退した。
どうしていつも、チャンスを自ら手放してしまうのかな。

前職は、世界中に支店のあるそこそこ大きな会社だった。派遣社員だった私は、活躍できていたわけでは決してない。
むしろ、お荷物だったと思う。
邪魔にしかならないから、すぐに辞めなきゃいけないと思ってた。
オフィスの中で、自分の存在がバレないように小さく縮こまって、なるべく音を立てないように息してた。
華やかなオフィスの中で私は、たまたま開いた窓から迷い込んだ一匹の蝿みたいだと思っていた。

業務の知識が無さすぎて、分からないことだらけなのに、どう質問すればいいかすら分からなかった。社員さんからの質問にすぐに答えられなかった。
何を聞かれているのかすら分からなくて、話しかけられるだけで体が硬直してうまく話せなかった。完全に浮いていたし、誰も挨拶してくれなくなった。
ちょうど一年で辞めた。

頑張ればできたのか、能力がなかったのか、分からない。何もできないまま辞めてしまったから。

もし続けていたら、飲み込みの悪さに呆れられたり、わけわかんないこと言って、強い言葉を受けることもあっただろうし、
拙い言葉で、何度も同じことを質問することになったりして何度もトイレで泣いたりしただろうけど、今になって思うと、できることって、拙いながらも、もう少しあったのかもしれない。

ほんとはもっと頑張れたのかもしれない。
頑張らなきゃいけないところで、頑張れないから、手抜きしちゃうから、もっとできたのか、能力がなかったのか、何に向いてなくて何に向いてるのか、それをいまだに知ることができない。

何も成長できなかった。
仕事だけじゃなく、遊びでも中途半端で。
面倒なことを徹底して避け続けて、何も挑戦しなかったから
自分に何ができるか、何に向いているのか分からない大人になってしまった。
また同じこと繰り返すかもしれないからって怖いから、全部、あきらめて楽な方を選んで生きてきた

なんにもない、空っぽの大人になったよ
甘えきって自分をダメにした
もう二度と戻らない大切な時間をダメにした
好きなこと、熱中できることなんてない
そういうの見つけて楽しそうに生きてる人に嫉妬し続けてる

興味のある分野に転職しようと試み、移住してきたばかりのこの土地からは、もう出たくて出たくて仕方ない。今のところ、自然の綺麗さ以外は大嫌いになってる。
出かけた先で人に見られることが怖い
これ以上、この土地の人たちと関係性を築くのが怖い。関係性なんて、今までたやすく自分から壊してきたから。移住後にやりたいと思ってた仕事も結局、諦めた。

これからどう生きていったらいいのかなあ
この年齢で家族をもっていないなんて、怖くて考えたくなかったけど、現実になっちゃったよ。



メルカリで、ほんとにほしいと思った服やネイル
探して、買ってみようかな
自分が好きと思うものなんて、買ったのはずいぶん昔な気がする
誰かの為に選ぶ、無難で洗いやすくてそこそこ似合う服じゃなくて

また貯金は減っちゃうけど
イライラしながら過ごして誰か殴ったりあたり散らして、死にたいって思いながら過ごすよりは、よっぽどマシかも。

仕事を選ばなければ、コンビニとか掃除とか、そういうところで働かせてもらえる可能性はあるかもしれないから

だからとりあえず、
甘いものでも好きな飲み物でも、食欲がなければ音楽でも、そういう近くにあるものの中に、明日も生きていたくなるような出会いを探し続けたい


雨の降る、こんな肌寒い日でも
猫の体はあたたかくて
ロールケーキのミルククリームは甘くてやわらかくて
コーヒーは温かいし
花の蕾は開いていくんだよね

とりあえず甘いもの買いに行こう




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