人々の生業が狩猟採集型にシフトしている……シン・縄文人へ/備忘エッセイ #1
移住という人の「移動」に注目が集まっているが、視点を「生業」に移すと別な社会の捉え方ができて面白い。
ということに気づいたのは、北海道博物館第9回特別展ユネスコ世界遺産登録記念「北の縄文世界と国宝」に行った時のことだ。
いつの間に世界遺産になってたの? というゼロからのスタートだったが、展示を見て歩くうちに目から鱗がぼろりと落ちる。というか、遠近両用メガネをあつらえた時の気分ってこうなのだろうか(そういうお年頃なのです)。
北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産として認められた理由の一つが、農耕社会に移行することなく、狩猟採集社会のまま定住が営まれたことを示す世界的に稀有な例という点。
逆に言うと、定住なのに狩猟採集というのはイレギュラーで、定住=農耕、移住=狩猟採集が定型ということになる。
それってつまり、定住から移住への人の流れは、農耕から狩猟採集へのシフトも同時に意味するってこと?
ここで冒頭の気づきへ至る。
人々の生業が狩猟採集型にシフトしているのではないか。
そう仮説を立てると思い当たる節がある。
移住促進のために各自治体がおらがまちのいいとこ合戦を繰り広げ、その結果、いいとこに惹かれて移り住む人がいるのだが……
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