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就活戦記

はじめに

はじめまして。
先日、就活を終え無事志望していた業界に内定をもらうことできました。
一息ついた今、約1年にわたって自分が不器用にもがく様を恥を忍んで振り返ることで、どこかの誰かの糧になればと思い筆を執りました。

5月

五月雨の降る5月中旬、私は悩んでいました。
もともと就活をしない道を選ぶつもりだった私ですが、ここにきてその選択が誤りであると薄々感じていたからです。
そもそも就活をするのか、しないのか。
熟考の末、うまくいかなかったら大学に戻ってこようと保険をかけ、周囲から少し遅れて就活の道を歩むことを決意しました。

6月~8月

 6月、重い腰を上げて夏インターンのESを書き始めました。しかしいきなり自分の良くない癖が出ます。
「組立説明書を読まずに組み立てようとする」ところです。(このせいで実家の椅子は定期的に背もたれが外れます。)
私はESを書くにあたり「自己分析」「志望動機の書き方」「ガクチカの選び方」といったネットの情報は一切調べませんでした。そういったツールに頼るのはダサいと思ったんです。
そして全落ちしました。
ガクチカの一人称が「僕」のやつが書いた我流のESが落ちんわけない。
 こうした経験は「就活適性のないダメ人間」という価値観を自身に植え付け、この後常につきまとい続けました。振り返れば一番やってはいけないスタートだったと思います。

9~10月

私の実質的な就活はここからだったと思います。
初めてインターンに参加し、自身の立ち位置を確認したり、業界を広げて説明会に参加したり。
カレンダーが予定で埋まっているのを眺めて、就活生できてると自己肯定感を高めていました。
特に某開放的不動産会社のセミナーには何度も参加し、「労働の楽しさ」を説かれました。
今思えば洗脳一歩手前でしたが、就活生が段階的に経験する「会社訪問」「面接」「リクルーター」「社員面談」といった対人イベントをまとめて経験できたという意味で意外に無駄ではなかったと思います。

11月

ようやく進み始めたかに見えた私の就活ライフはたった一か月でガス欠を起こしました。10月に出したESもことごとく落ち再びカレンダーは白紙に戻りました。常に心穏やかでない日々。就活は登り一辺倒ではないと気づけたのは全てが終わってからでした。

12月~2月

東京企業の下見。結局これ以降東京には一度も行かずに終わった。

この時期、はじめて自分の就活がうまくいっているという感覚が少しずつ出てきました。
志望度の高い企業のインターンに続けて参加することができ、その過程でES、面接等のスキルも上がっていくのを感じました。
結局インターンに参加することが何よりの企業研究であり、自己PR、自己表現の練習になるため、成長した結果インターン選考に通り、さらに成長の機会を得る好循環に入ることができました。
スケジュールは非常にハードでしたが、充実度は高く「自分は就活力うまくいっている方」という自信や精神的安定を得られたと思います。(この慢心が命取りでした。)
2月中旬からは自己分析を重ねてESをあらかじめ用意したり、SPIの勉強をしたりと少しずつ本選考を意識し、30社程をピックアップして来る3月1日に備えました。

3月

3月に入ってすぐ、インターンに参加した2社から早期選考の話をもらいました。私はもうこの2社どっちかには受かるものと思い込んで、非常に楽観的に本選考に突入しました。
そして流れるように落ちました。
面接は経験を積むことでうまくなるものであり、裏を返せば早く受けた会社ほど合格率は下がります。
あらかじめベンチャー企業を受けておくといった下準備のなかった私のアドリブ力はあまりに貧弱でした。
入社するために努力した結果、早期に選考され、結果第一志望を面接練習の場にしてしまったことは皮肉というほかないです。
3月の中旬になり、2つの貴重な手駒を失ったことを認めざるを得なくなったと同時に、立て続けにESも落ちて精神的に壊れそうになっていました。屍のように3月の終盤はESを書き続け、どうにか残った手駒を携えて4月に臨むことになります。

4月

4月を一言で表せば、「一日一面接」です。
比喩でなく土日以外の20日間全て面接を受け続けました。
午前中に面接を受けて、午後は翌日の対策をする。この繰り返し
3月の痛恨の失敗を経て、私は自分のアドリブ力を一切信用しないと決めました。あらゆる質問を想定し、答えをセリフの形で暗記しまくりました。その甲斐あって4月29日、GW前滑り込みで私は初めての内々定を得ることができました。

1万字くらいのword

5月

5月にもう一社から内々定をもらったところで私の就職活動はひと段落しました。2社のうちどちらに行くのか、自分が企業に求めるものは何なのか考え、人生を決める決断をすることに怯えながらも、最終的には自分なりの結論を出し、1年にわたる苦しい日々に別れを告げることとなりました。

学び

就活を振り返ってみて、やはり自分は就活に向いた人間ではなかったと思います。たくさんの失敗と苦悩のわりに得たものはそんなに大きくないような気もします。
しかし、私はもう一度人生を歩むとしてもやはり就活をするでしょう。
自分を見つめ、社会の評価を聞き、人と関わる経験は、とりわけ自分のような就活下手人間こそ社会に出る前にやるべきです。
ただ、もっと楽すべきだったとは思います。
夏のインターンに焦って応募して落選におちこんだり、常に追われる感覚で就活に臨んだりと、不必要に就活を辛くしていた部分はたくさんあり、それはあまりにも不器用なやり方だったと今は思います。

最後に。就活は一回しかできないのにその一回必ず回り道をしなければならない、クソゲーです。いかにしてその一回を快適にプレイするか、そこに就活の本質はあるような気がします。




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