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職場でデジタル耳栓つけてみた〈初日〉

聴覚情報処理障害(APD)ってご存知ですか?

雑音下で人の話し声が聞き取れなかったり、相手の話してる内容が不明瞭にしか聞き取れず、メモも追いつかなかったりする症状のことです。詳しくは以下のリンクをどうぞ。

小さい時から、友達や先生の声がはっきり聞き取れず、何度も聞き返しては怒られるを繰り返していました。授業でも先生が何を話しているか全くわからず困りましたが、板書と教科書で何とか乗りきってきました。が、大学ではそれが通用せず撃沈。


不思議と聴力検査では問題ないから見落とされるんですよね。

現職に転職してからは、口頭のみの説明や指示だと記憶がごっちゃになり、何が要点で何を求められるか全くわからなくなることがよくありました。まあそうなると、(こいつ頭悪いなあ)と思われますよね。

障害者採用で「メールや文字のやり取り中心でお願いします」と伝えていたものの、現場に浸透しておらず苦労しました。まあ、管理監督職も、ふんわりとした言葉だからどう受けとっていいか悩んで、できるだけ健常者と変わらない扱いをしようとしたのでしょう。


そんな日々に限界を覚え、医師の進言もあり、上司との面談を経て、デジタル耳栓を職場で着用する許可を得ました。スペックは以下のリンクより。キングジムm3000使ってます。

使用感としては、とにかく雑音がシャットダウンされてる!!!シーンとしてることに感動しました。

機械から雑音を打ち消す音が常時出されており、耳への負担がグッと軽くなりました。

ただ、最初は人の声が全く聞こえましんでした。謳い文句には「人の声はそのままで雑音をシャットアウト」とあるんですけどねー。

どうやったら聞こえるか試行錯誤したところ、耳の穴で聞くんじゃなくて、耳の下の骨から伝わる振動で聞こうとすると少し聞こえるようになりました。骨伝導ってやつですかね。それでもだいぶ聞き取りにくかったです。


これまではサイレンシアというスポンジ状の耳栓を使っていました。何もなしよりはこちらの方がずっと良かったです。ただ、デジタル耳栓使うとやっぱ見劣りするんですよねー。

デジタル耳栓使うにあたり、課内と関係部署に「デジタル耳栓着用する旨」「自分に話しかける時に留意して欲しい旨」の2点をメールしました。

その時の反応が嬉しかったですねー。


聴覚障害の部下を持つ上司からは「発信してくれてありがとう。とても分かりやすかった」と声をかけられました。

職場の後輩からは「とても勇気いりましたよね」と声をかけられました。

同じ係の方からは「私も実は視野が人より狭くて……」と打ち明けられました。


もちろん快く思わない人もいるでしょうが、こうした人の繋がりを紡いで、誰もが働きやすい職場をどこかしこでも作っていけたらいいなとほんのり思っています。


弱みを打ち明けることはとても勇気がいること。でもそこから新しい道が拓ける。

そんなことを学んだ一日でした。