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自分でコントロールできる目標を立てると書き続けやすい:書くこと講座(2)目的編

「これからnoteで書き始めたい人のための書くこと講座」の第2回、目的編です。目次だけ読めば要点を掴めます。

この講座は、「noteで記事を書きたい」と思いながらなかなか書き始められない、始めたけれど続けられなかった人のために作ったものです。具体的には下記に当てはまるような人に読んでもらえたらと考えています。

●書きたいという気持ちがある
●書きたいことがある程度決まっている
●noteを使ってみたい
●趣味の範囲や生活の一部として書き続けたい
●書いた経験が少なくて不安だらけ
●できれば書く力を伸ばしたい

すでに書き続けられている、商業メディアで書いている、noteでお金や影響力を稼ぎたいといった人には物足りない内容でしょう。それよりももっと初歩の部分、まず書くことの下地や土台となる力をつけたいときにどうぞ。

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さて、第2回は初めて記事を書く前に決めておきたい目的、目標、ターゲットについて解説します。

これからアカウントを作る、あるいは作ったばかりの人にとって、記事を書き始めるのは荒野に踏み出すのに等しい行為です。そのため、下記のような疑問があるかもしれません。

●書くテーマや内容はばらばらでもいい?
●記事のPVやスキの数は意識すべき?
●いい記事ってどういうこと?

これらの疑問は、上から目的、目標、ターゲットをしっかり決めておくことで解決します。なんとなく、ざっくばらんなテーマで気ままに書くのもいいですが、実際にはそれだと長続きしません。「書きたい」という最初の衝動だけで続けられるのも記事3本までです。

荒野を歩くときを想像してみてください。何も決めずに歩き出すよりも、どの方向に向けて歩いていくか、ゴールと中間地点をどこにするか、そして誰のために歩くのかを決めておいたほうが歩き続けられそうですよね。記事を書くときも同じです。

この記事を通して、書き続けるための最大の武器となる目的、目標、ターゲットの必要性を知ってもらえればと思います。

※詩乃さんの「常に自分へ問いかけている、届く文章を書くための5つの質問」もたいへん参考になります。

書くテーマや内容はばらばらでもいい?→書く目的を決めよう

生活の中で記事を書き続けることを念頭に置くとき、いろんなテーマを取り上げたほうがネタに困らないと思いがちです。しかし、実際には「これ」とカテゴリーやジャンルを絞っておくほうが書き続けやすいことも多いです(「仕事で役立つ調べもの」、「趣味の音楽」、「毎日の発見」など)。

例えば「日記を書く」と決めたときも、日々の暮らしで気づいたことや感じたこと、思ったことを書くという制限が発生します。その制限が、実はネタを生み出す根源になります。

ただ、テーマを絞るよりも、まず大きな目的を決めておくほうが有用です。つまり、何のためにnoteにアカウントを作って記事を書くのか、記事を書く(書き続ける)ことで何を実現しようとしているのかを決めておくということです。

目的には大別して2種類、利己的なものと利他的なものがあります。

利己的な目的とは、文章力の向上やフォロワーの獲得、趣味の記録、思考のまとめ、日々の振り返りなど、記事を書くことで自分の利益に繋げることですね。

一方で利他的な目的は、誰かの役に立つ内容や、誰かを面白がらせるための記事を書くことです(この「誰か」については後述します)。

noteで書き始めるにあたってはどちらの目的にしてもいいですし、両方を兼ねることもできるでしょう。自分は記事を書くことで何を実現したいのか、それが実現されるとどんないいことがあるのか、と深堀りして考えていくと自分の頭の中を整理できます。

目的が決まると、おのずとそのために自分がどんなテーマで記事を書いていくべきかが分かってきます。

例えば、音楽を聴くことが趣味の人が趣味仲間を増やしたいという目的を設定したとしましょう。なぜ趣味仲間がほしいかというと、誰かと好きなことについて語り合うことが楽しいからです。すると当然、音楽についての記事を書くほうが目的に沿っています。内容も、好みの洋楽はもちろん、クラシックからEDMまで、あるいは音楽を聴く環境の作り方やアーティストのバックボーンなどさまざまな記事を書くことができます。時には音楽を関連するほかのテーマ(映画やゲーム、作曲など)と結びつけてみるのも一興です。

目的を決めることは、記事を書き続けていくうえで最も重要なことの1つです。このことだけに1万字を楽に費やすこともできるくらい重要です。なんとなく書き始めるより、ぜひどんな目的を実現したいのかを決めてから、書き始めてみてください。

記事のPVやスキの数は意識すべき?→自分でコントロールできる目標を決めよう

記事を書き終わって公開したあと、最も気になるのは読まれたかどうかです。noteではPV(記事が開かれた回数)とスキの数がダッシュボードで分かるようになっています。

そこで「記事の平均PVは500を目指そう」「スキが10個つく記事を書く」と考えてしまうと、不幸に陥ります。なぜなら、これらは読者=他人の行動に依存しており、自分ではどうにもできないからです。なので、達成できなかったときはただただ落ち込むだけです(逆に奮起できる胆力を持っている人は少数派)。

先ほど、記事を書き続けることで実現したい目的を決めておこうと書きました。その目的を実現するために達成すべき事柄が、目標です。目標を決めておくと、目的の実現にどれくらい近づけているかを確認できます。

そして、これが一番大事ですが、目標は他人に左右される事柄ではなく、自分でコントロールできる事柄であるべきです。そのほうが心にゆとりを持てます。

「1か月間で4本の記事を書く」はいい目標です。記事を書くかどうかは自分で決められるからです。また、記事を書き続けるのにも合っていますし、たぶん目的を実現するのに必要なことでしょう。

「毎日(あるいは2日で)30分は必ず書く」もいい目標です。記事の本数にこだわるとしんどくなるときがあるので、30分ずつ書いてでき上がった記事を順次公開していくわけです。

あえて目標を設定しない手もありますが、あまりおすすめしません。人間、目標がないと動き出せませんからね。書き始める前に、ぜひ目的を実現するのに適した目標を設定してみましょう。記事を書くのに慣れてきたら、スキ率(スキ数÷PV)など他人依存の目標を作ってもいいかもしれません。

よりよりのは、他人依存の数値(PVやスキ)に連動する「自分でコントロールできる目標」を見つけることです。もし記事を書けば書くほどスキが増えるなら、記事の本数を増やすという目標がありえます。記事を書いたあと宣伝のツイートをすればするほどPVが増えるなら、宣伝ツイートを増やすという目標もいいですね。

ちなみに、目標の達成を目的にしてしまうことがありますが、あくまで目標は目的を実現するための通過点。目的と目標の関係性をしっかり把握しておいてください(ただし、その下には目標をどう達成するかというより小さな目標設定もありえます)。

いい記事ってどういうこと?→想定する1人の読者に刺さる記事

初心者でもプロでも、誰もがいい記事を書きたいと思っています。では、「いい記事」とは何を意味するのでしょうか。

僕は「想定する読者(ターゲット)に自分事として考えたり実践したりしてもらえる記事」と考えています。もっと平たく言うと、いい記事とは「想定する1人の読者に刺さる記事」です

記事を書いている人にありがちですが、「できるだけ多くの人に読んでもらいたい」と考えている人がとても多いです。悪いことではないとはいえ、多くの人に読まれたくて書いた記事はたいていほとんどの人に読まれません。

それでは、いったいどんな記事が多くの人に読まれるのか。それは答えが明確で、「あの人なら絶対読んでくれる記事」です。あの人とは誰かというと、そのとおり、書く人が自分で想定するたった1人の読者のことです。

たった1人の読者を想定して記事を書くほうが、かえって多くの人に読まれやすい。なぜなら、1人の読者の心に刺さるということは、その読者と似たような人にも刺さることを意味しています。心に刺さればシェアしたくなり、そこから口コミが広がっていくわけですね。たった1人の心にも刺さらない記事が大勢の人に刺さるはずがありません。

ということで、まずは誰に向けて書くのかを決めましょう。そして、その人の心に届けるにはどんなテーマや内容の記事がいいかを考えます。そうするとあら不思議、記事が書けてしまいます。

なお、想定する読者は身近な人でもいいですし、架空の人でも構いません。架空の人の場合は、性別や年齢だけでなく仕事や趣味など具体的に属性や背景、特徴を設定します。目的を実現するのにどんな人に読んでもらうのといいのかを想像すると捗ります。

僕がおすすめする想定読者は自分です。自分が読みたい記事を書く、これが実は最強最高のターゲット設定です。自分で記事を面白いと思えるなら、自分と似たような感性や関心を持つ人もきっと面白がってくれるはずです。

書き続けるには戦略が不可欠

以上、3つの疑問から出発し、僕が重要だと考えているノウハウを解説してきました。目的、目標、ターゲットの設定は、いわゆる戦略のことです。荒野を歩き続けるには、気ままに歩くよりも、ゴールと進行方向と中間地点が分かっているほうが易しいのは自明ですね。記事を書き続けるには戦略が不可欠です。

たしかに、戦略を設定するのはめんどくさい作業です。でも、戦略があれば記事を書くたびに「なんで書くのか」「誰に向けて書くのか」などを考えなくてよく、思考の節約になります。節約した分の思考は、いい記事を書くために使いましょう。

【これからnoteで書き始めたい人のための書くこと講座】
(0)宣言編 ←講座の狙い、何が学べるかについて
(1)マインドセット編 ←書き始める前に身につけたい心構えについて
(2)目的編 ←イマコレ!
(3)準備編 ←決めておくとすらすら書ける手法について
(4)執筆編 ←いい感じの文章に見せるためのコツについて
(5)継続編 ←ネタ、時間、モチベーションについて
(6)承認編 ←多くの人に読まれるための工夫について
(7)実例編 ←実際にどうやって記事を書いているかについて

ここまで読んでいただき、ありがとうございます! もしよかったらスキやフォローをよろしくお願いします。