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大会運営側から見た、運営に好かれるesportsプレイヤーになる秘訣

esports大会の運営側は誰も言わないし言えないためここに書いておこうと思うが、運営に好かれる/嫌われる選手ははっきりしている。残念ながら多くの選手が嫌われるような言動を取っており、その言動が普通のことだと思ってしまっている。

せっかく名声を獲得しようと大会に出場するのであれば、運営に嫌われるよりは好かれたほうがいいだろう。なので、そのための秘訣をまとめる。

わがままを言わない

選手は自分が運営側にもてなされるがために、何かしらの特権があると勘違いしてしまうことがある。ゆえに、どんなわがままを言っても運営は叶えてくれると思っている。そんなことはありえない。横柄で自分勝手なわがままを言った瞬間から、その選手は運営側で悪評をつけられる。

当たり前のことだが、運営側は選手のわがままに応えるつもりはまったくない。しかし、もちろん運営側は選手が最大限に活躍できるようもてなす。それは選手に大会という舞台で輝いてほしいからであり、悔いを残してほしくないと本気で思っているからだ。

ただ、それを勘違いし、自分には運営に何でも要求を突きつけ、通させる特権があると勘違いする選手もいる。そして時に、マネージャーが選手をつけ上がらせる。マ

ネージャーはたしかに選手のマネジメントをするのが仕事であり、ベストコンディションを出させなければならない。しかし、その必要のために、運営に無茶な要望を出すことがたびたびある。運営は、仕方なくそれを受け入れる。

なにせ、そういうチームに限って常識が通用せず、執拗に駄々をこねるからだ。運営が折れたほうが早い。運営はいつも、スムーズに大会を進行していきたいと考えているのだ。それを阻害する問題は、なるべくさっさと片づけたいのである。

これから大会に参加しようと考えている選手は、絶対に自分勝手なわがままを運営に言わないでほしい。もしそれでもわがままを言おうものなら、言った瞬間から嫌われる。信用を取り戻すには長い時間がかかる。

当然、選手は(ルールと常識に従って)改善要求をすべきだ。運営側の体たらくも目に余ることが多い(スケジュールの告知が遅い点は、その最たるものだろう。運営側がまともに計画できていないのが最大の理由だ)。運営に慣れていないだとか勝手が分からないだとか、そうした運営側の不手際は徹底的に糾弾しなければならない。持ちつ持たれつ。

ルールを隅から隅まで何度も読む

驚くべきことだが、大会に参加するほとんどの選手がルールをきちんと読んでいない。場合によっては1行目すら読んでおらず、ルールに則った運営からの指摘に「なぜ?」という顔をする。そしてひどい場合には、ルールが間違っていると怒り出す。

いやいや、待ってほしい。エントリーボタンを押すとき、「ルールを読んでください」だとか「エントリーをもってルールに従うことを約束する」だとか、書いてあったはず。そんな注意書きはまるで小学生に向けているようで、見るたびに悲しくなるが、それでも読んでいない選手のほうが圧倒的に多いのが現実だ。

試合のルールすら把握していないこともある。LJLのように大量のルールが定められている大会もあるが、それでもなお、選手/チームは全員がルールを読み通し、把握していなければならない(ルールを読む会議をやってもいいくらいだ)。

ルールを読むのはめんどくさい? 逆だ、ルールがあるのがどれほどありがたいことか。

選手にルールを把握させるのは、個人の意識の問題でもあるが、多くはマネージャーの責任だ。ほとんどの場合で、ルールに抵触するような事柄を運営とやり取りするのはマネージャーだが、選手がルールを把握し守っていれば、基本的にはそうした問題は起きない。

選手はまず、自分が参加する大会のルールをすべて読もう。どれほど強くうまい選手でも、ルールを守れない選手は運営に嫌われる。本当だ、僕はそういう選手が大嫌いだった。

遅刻しない、無断欠席しない、ドタキャンしない

これもわざわざ書くことではないかもしれないが、試合に遅刻する、無断欠席する、ドタキャンする選手はとても多い。とても多いのだ! それもまっとうな理由がある場合は限られており、寝坊とか準備不足だとか、意味不明な理由で平然な顔をして遅れてくる。現場で運営している人たちは眉をしかめ、「ありえねー」とつぶやいているだろう。

LJLのような大会でさえ、初期には「意識の低い」選手だらけで、まともに試合を行なえたことが奇跡のように思える。これが、アマチュアというかコミュニティレベルの大会になると、エントリーしたくせに無断欠席、ドタキャンという事例が激増する。

運営は選手が活躍できるように、本気で舞台を作っている。休日を返上して大会を開催している。にもかかわらず、選手側が「たかがゲーム」のような態度でいる。さて、そんな状況で日本でesportsが発展するだろうか? するはずがない。運営の人間も、自分たちの仕事に意味を見いだせなくなっていく。

これも現場の人だと言えないので言っておくが、いまの日本のesportsはプレイヤーよりも運営のほうがはるかに本気でシーンを盛り上げようとしている。そんな熱意に水を差すプレイヤーの多さときたら、まったく悲しい。

運営の本気に応え、ベストなプレイをするのが選手の仕事だ。ただのプレイヤーではなく、選手としての言動を忘れないでほしい。プレイヤーが本気にならなければ、esportsは沈んでいくだけだ。大きな舞台で活躍し、お金を稼ぎ、名声を得たいのはプレイヤーのはずだ。だるいとかめんどくさいとか、ふざけた理由で大会に遅刻するな、無断欠席するな。

常識、マナー、モラルを身につける

こんな見出しをつけること自体が悲しいが、これらに欠ける選手はとても多い。選手の大半が大学生前後だと思うが、初対面でタメ口、わがままが通ると勘違いしている、無知が罪にならないと思っている、もてなされて当然、などなど、常識で考えればおかしいと分かることを、選手の多くが分からない。

社会経験がないから、といった甘えた理由は通らない。esportsはお遊びではない(だからこそesportsなのでは?)。誰もが本気で取り組んでいる。そこに腑抜けたプレイヤー(たとえどれほど実力を備えていたとしても)がやってきても、誰も相手にしない。たしかに、運営は表面上は公平に扱ってくれる。だが、あくまで表面上だけだ。常識に欠ける選手を好きになるわけがない。

常識とは何か? それが分かるというのが、常識を身につけている状態だ。運営に敬意を持つ(運営も選手に敬意を持っている)、してもらったことにお礼を言う、自分勝手なことをしない……これ以上挙げる必要もないだろう。

運営側に媚びる必要はないし、媚びてもいけない。運営側も、選手を贔屓するような人は必要ない。運営側は選手が好きであれ嫌いであれ、公平に扱う/扱わなければならない。その裏で、個人的な感情で好き嫌うのはしょうがない。運営も人間だ。

変なチームネーム、プレイヤーネームにしない

どんなゲーム、大会にも名前に関する規約がある。公序良俗に反するチームネーム、プレイヤーネームは基本的に禁止されていて、失格もしくは変更の対象となっている(稀にこの規約を入れ忘れていてどうしようもなくなる大会もある)。

ところが、多くのプレイヤーはなぜか変な名前にしたがることが多い。運営側は、あからさまな名前は失格にするが、ぎりぎりをすり抜けようとする名前には手の出しようがない。

そういうとき、運営側はたいてい「勝ち上がってほしくない」と思っている。なぜか? 試合を配信しているときはなおさらで、実況解説に公序良俗に反した名前を言わせたくないからだ。

だから、変な名前にするのはやめたほうがいい。あと、読みにくい名前、おかしな読み方をする名前も厳禁。それだけ運営側は「めんどくせー」と思うのである。

誰のためのesportsなのか

esportsは、究極的には選手のためのものだ。ゲームのプレイヤーに場を用意して「選手」にし、彼らが活躍し輝けるように周囲の人たちは最大限の努力をする。だとすれば、選手はそれに応える以上の努力をしなければならない。

もちろん、運営の本気に応え、それ以上を見せつけている選手/チームも存在する。

esports業界は関係者全員が本気で取り組む、価値ある舞台だ。そう信じて仕事をしている人が大勢いる。選手の側が、それを無下にしていいものだろうか?

結論――謙虚で素直に、本気でやろう。

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