アルカパーラー・ココ【暗号的・意味不明詩】【語り手がころころ入れ替わる実験的文体】【これは詩です】

ココ。春の音。冬の地下。私は地下の記憶を探索していた。右には柱がある。正面には部屋がある。左には闇がある。奥の通路に人影がある......消えた。黄色い花が野に揺れていた。心地よい風が吹いている。ここには赤がなく、フロイグラードは安心していられた。心配性なのは治っていない。青や黄色の電飾のチカチカする“フロンティー”の店の一階で、カーティスやエルコが話している。エルルーンは“針”の補充に来ていた。店の看板にはピエロと何かの動物が描かれている。あれは何の動物だろうか?「私が200番台の星は押さえる。で、単身“アルカパーラー”に乗り込む。そして中の様子をみんなに伝えに来る」とエルルーン。「一人は危険だ」と私。「第一、入り口はどこで開く予定だ」カーティス。「どこでもいいよ。赤い星が一つでもあれば、あとは空模様次第だから」「その空を作るのに難儀してるんだろうが」「私ならできるよ」黄色い花は止まっている。時間を止めたような緑の丘。小川は日光を反射して、光の粒をキラキラと輝かせていた。この世界のどこかに街はあるのだろうか。私達のいるこの世界に。その夜、地下で星々を運ぶ何者かを目撃した。数は一人ではなかった。私はカーティス達にこれを伝えたかったが、彼らが今どこにいるのか分からなかった。「フロイグラード、ねぇ、もう辞めない?」エルルーンの記述。なぜ? ここまで来たのに。 「カーティスもエルコもおかしくなってる。これ以上星を操作したら危険だよ」それは最初から分かっていた事だ。「もしこのまま星が戻らなかったら?」戻す必要があるのか? 地下の壁。地下の沈黙。エルルーンは、フロイグラードの記述を頼りに、地下の人影を追っていた。私が持っている星は200番台全域と青系の5、600番台だ。黄色はピンポイントで「アルコラ」のシリーズの主要ヶ所を押さえている。謎の人影の持つ星が赤系でない限り、やり合う自信はある。フロイグラード、あんたもおかしくなってる。だから私が一人で行けばいい。私は知ってるんだよ。“アルカパーラー”には何もないって事。みんなの目を覚まさなきゃ。【詩7】


(【詩1】〜【詩6】は過去記事で公開中。どこから読んでも、どこだけ読んでも成り立つ不可解な(適当な)作風。もしくは、単に何も成り立っていないだけかも。)


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