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【 なしえのこと*小学校時代(第1話) 】

私は1984年4月に小学校へ入学しました。
それまで通っていた保育園からの持ち上がりだったので、慣れ親しんだ顔ぶれです。
担任は新卒のM先生。
物腰の柔らかい、優しいお姉さんという印象でした。
M先生といえば、給食のことを思い出します。
食べ方や食べる順番などは自由にさせてくれたのですが、一つだけ厳しく指導されたことがありました。
それはパン食の日に、おかずのお皿に残ったソースや汁気を拭き取って食べなくてはいけないというルールです。
今でも忘れられないのは、生野菜サラダのドレッシングを吸ったコッペパンの味と食感です。
特にあのビシャッとしたパンの気持ち悪さは、未だに忘れることができません。
私は飲食に付随した苦手なことが多いので、給食はとても憂うつな時間でした。

1年生の夏休みに引っ越しをして、2学期からは違う学校に通うことになりました。
転校先は同じ自治体内のほかの小学校です。
私のクラスは男女12人ずつの合計24人。
担任は産休代理の若い女性でした。
その先生は休み時間になると教卓に子供たちを集めて、絵本を読んでくれました。
小さな頃から本が大好きだった私にとって、とても楽しみな時間でした。
私の特等席は先生の膝の上。
転校生でおとなしかった私を、先生は気にかけてくれていたのかもしれません。

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