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スタンダード落ちカードを振り返る〜「ニューカペナの街角」編〜

なーせです。

スタンダードローテーション変更前の振り返り記事としては今回のセットがラストとなります。

前回の記事はこちら。

今回ラストのニューカペナの街角です。

有効色の3色土地の登場により、多色環境に拍車がかかったセットです。次回登場した団結のドミナリアで登場した版図とのシナジーもあり、現環境を形作ったカードが多く存在するセットです。

今回もニューカペナの街角に登場したカードに焦点を当て、構築環境を振り返りたいと思います。

今回の記事も前回同様、

①現環境における「ニューカペナの街角」の与えた影響

②なーせ的「ニューカペナの街角」の環境定義カード

③「ニューカペナの街角」がなくなった後のスタンダード環境考察

の順番でお話しします。

それでは参ります。


①現環境における「ニューカペナの街角」の与えた影響

まずおさらい。

ニューカペナの街角は2022年4月29日に発売したMTGのエキスパンションです。

「一家の務めを果たせ/Family Means Business」がキャッチコピー。

近代マフィア抗争をモチーフにした混沌とした世界観が特徴です。

ニューカペナの混沌としていることを表すかのように、イコリア:巨獣の住処で登場したトライオームのような3色土地が登場し、このセットから3色以上の多色環境がスタンダードの中で根付くことになります。

キーワード能力として謀議奇襲犠牲団結秘匿(秘匿のみ再録のキーワード能力)と盾カウンターが登場。特に謀議奇襲秘匿は様々なデッキタイプでスタンダード内で組み込まれました。

謀議カードの代表、ラフィーンの密通者
奇襲持ちの強力カード、しつこい負け犬

3色土地の登場と強力な多色クリーチャーの登場により、今環境トップとして君臨するエスパーミッドレンジの礎ができたのはニューカペナの街角からです。

そんなニューカペナの街角ですが、実際にどんなカードが実践で採用されて結果を残しているのか、次の章で紐解いていきたいと思います。


②なーせ的「ニューカペナの街角」の環境定義カード

今回は直近(4月下旬〜5月中旬)で行われたプロツアー「サンダー・ザンクションの無法者」のTOP8及びスタンダードチャレンジ(MO(マジック・オンライン)内で開催)のTOP4のリストからニューカペナの街角のカードで何が使われていたかを統計してみました。

※MTG専門店、晴れる屋の大会データ情報を参照させていただいています。

それではみていきましょう。


策謀の予見者、ラフィーン

エスパーミッドレンジのメインカードとして採用されています。

1/4飛行護法1という除去対応のしにくい能力と、攻撃時にクリーチャーを対象に攻撃に参加したクリーチャーの回数分、謀議する能力を持っています。

イニストラード:真夜中の狩りで登場した敬虔な新米、デニックイクサラン:失われし洞窟大洞窟のコウモリなどの絆魂持ちのクリーチャーを対象に謀議をして強化をしつつ、ライフ回復量アップと手札を整える効果がとても強力です。

また、団結のドミナリアに登場した黙示録、シェオルドレッドと組み合わせることで謀議誘発時にライフ回復を加速できます。※謀議は手札を引く効果にあたります。

策謀の予見者、ラフィーンはエスパーミッドレンジの顔としてスタンダードの大会入賞デッキの常連として君臨し続けることになり、現スタンダード環境を牽引した1枚といえるでしょう。


装飾庭園を踏み歩くもの

団結のドミナリアで登場した版図デッキ、イクサラン:失われし洞窟で登場した恐竜デッキで採用実績があり、特に版図ランプデッキに多数採用されています。

土地が7つ以上ないと攻撃もブロックもできませんが、戦場に出たときに基本土地を1枚探してタップ状態で場に出せる効果を持ち、クリーチャーとしても4/4警戒持ちと3マナクリーチャーとしても強力なカードです。

3ターン目装飾庭園を踏み歩くもの、4ターン目にゼンディカーへの侵攻+土地キャストで動き出すというのは鉄板の動きです。警戒を持つため放浪皇の-2能力に刺さらないのもこのカードが強いポイント。

土地基盤を安定させるカードとしても、クリーチャーとしても優秀なカードです。


未認可霊柩車

どちらかというとメインで入れるというより墓地対策カードとしてサイドボードに投入されるカードです。墓地対策に困ったらとりあえず入れておくみたいな感覚で数多くのデッキで採用されています。

機体アーティファクトであり、タップで墓地のカード2枚を追放。パワーとタフネスは追放したカードの枚数に等しいというカード。搭乗コストが2なので比較的簡単に搭乗できるのもポイント。

似たようなカードにアガサの魂の大釜がありますが、クリーチャーでないと強化できない点と追放したクリーチャーの能力を利用できる点が異なり、利用用途が異なりますので棲み分けがされている印象です。


3色トライオーム土地(ジェトミアの庭、ラフィーンの塔、スパーラの本部、ザンダーの居室、ジアトラの試練場)

現在のスタンダードを多色環境に変えたカードたちです。3色以上のマナベースのデッキが多数登場するようになりました。

全てのカードが基本土地が有するタイプを持っているため、団結のドミナリアで登場した版図の条件に合致し版図デッキの必須パーツとなっています。後半はサイクリングで不要な場合は手札を入れ替えることもできます。

注意点としては基本土地ではないため、基本土地をサーチするカードの対象にはならない点と常にタップインで場に出す必要があります。

3色以上のデッキで色の条件が合えば採用されているカードです。

※トライオーム土地という名称は正式名称ではありませんが、俗称でよく使われます。イコリア:巨獣の棲処に登場する3色土地群です。


3色フェッチランド(斡旋屋一家の潜伏先、舞台座一家の中庭、貴顕廊一家の劇場、土建組一家の監督所)

本当は常夜会一家の店先も3色フェッチランドですが、今回はこの4枚のカードを環境カードとして紹介させていただきます。

いずれもカルロフ邸殺人事件で登場したデッキタイプ、世界魂ランプのキーパーツの土地カードです。ニューカペナの3色フェッチランドはタップインという制約はあるものの1点ライフを得られることで場持ちしやすいのが特徴です。

世界魂ランプは緑青赤のいわゆるティムールカラーのデッキのため、フェッチランドの最後の1枚、常夜会一家の店先では島のみしかサーチできないため採用されていません。

先に世界魂ランプを簡単に説明すると事件現場の分析者の自身の生け贄能力で墓地に落としたフェッチランドを再利用、大量のマナを確保できるようになったのち世界魂の憤怒の直接ダメージでゲームを決めるというものです。

詳しいデッキの動きは多くのサイトや解説動画が多数あるのでそちらを参考にしてください。なーせは使ったことがないですw

ただ、大会の入賞実績が多いのは事実であり、2024年4月26~28日まで開催されたプロツアー『サンダー・ジャンクション』のTOP8にも入っているデッキタイプです。


以上ニューカペナの街角に登場する代表カードをご紹介しました。

次にスタンダードローテーション変更によりニューカペナの街角のカードが使えなくなった後の環境を考察していきます。


③「ニューカペナの街角」がなくなった後のスタンダード環境考察

まず策謀の予見者、ラフィーンとランプデッキの骨格となる3色土地群(トライオーム土地やフェッチランド土地)が退場することでエスパーミッドレンジ、版図デッキや世界魂ランプといったデッキタイプの弱体化は避けられないと思われます。

装飾庭園を踏み歩くものも版図デッキのお供の部分もあったため、今後多色環境が組みにくくなるのは致し方がないのかなと思われます。

未認可霊柩車はサイドボードカードなので影響は少なく、他の墓地対策カードにとってかわられると予想されます。

現スタンダードの重要パーツを担うカードが多いことを考えると今後どうなっていくのか要注目となりそうです。


終わりに ~4つのカードセットの解説を交えての総評~

今回はスタンダードローテーション変更前にニューカペナの街角のカードを振り返ってみました。

今回は今までのカードセットを含めたスタンダードローテーション変更に伴う起こりうるなーせ的所感をまとめていきます。


  • イニストラード:真夜中の狩りに登場した大スライム、スローグルク軸の多色ロームは存続危機に陥る。

  • 神河:輝ける世界で登場したエンチャントビートダウンは生き残りが厳しい。

  • ニューカペナの街角に登場した多色環境を牽引したカードたちの引退により、単色or2色前後のデッキタイプが隆盛する。

  • イニストラード:真紅の契りはデッキパーツとして根幹を担うカードが少ないため、スタンダード環境への影響は微弱。

  • イニストラード:真夜中の狩りイニストラード:真紅の契りに登場したスローランドが使えなくなることで動き出しの早いアグロ環境が隆盛する。


といった感じです。

ダメージランドやファストランドといった序盤アンタップインできる土地カードが生き残っているのでアグロ系デッキは比較的影響が少なく、スタンダード環境で元気に動き回っていることが予想されます。

ミドルレンジ、コントロールデッキは多くの優良カードがスタンダードローテーション変更後使えなくなるため、ブルームバロウ以降の環境で補強パーツが登場するかが注目になります。

個人的に考えているのはボロス招集やゴルガリミッドレンジといった2色デッキの多くが生き残り、青単テンポなどの多くの単色デッキも形を変えて復権できる可能性を秘めています。

どのように変化していくのか、要注目ですね。

皆さんの予想もぜひお聞かせください。それではまた。


【あとがき】


2024年5月25日、26日にプレイヤーズコンベンション愛知2024にて、ジャパンスタンダードカップとチャンピオンズカップファイナルが開催されています。スタンダードフォーマットの大会ということで現環境末期とも呼べるスタンダード環境で果たしてどんなデッキタイプが流行っていたのかの集大成が集まることとなります。

時間を見てどんなデッキが流行っているのか、まとめたり分析していきたいと思います。


【注意】
本記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC."

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