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スタンダード落ちカードを振り返る〜「神河:輝ける世界」編〜
なーせです。
3回目のスタンダードローテーション変更直前のローテーション落ちのセットを振り返る記事です。
前回の記事はこちら。
今回は神河:輝ける世界。
おそらくローテーション落ちするカードの中でも破格のカードパワーを持つカードが多い印象があり、選ぶのに迷うぐらいの良カードばかりのセットでした。
注目は英雄譚。ただの英雄譚ではなく、裏にひっくり返って一粒で2度美味しい、攻めた仕様のエンチャントが大暴れしましたね。
今回も現環境を形作ったと思われるカードを紹介していきたいと思います。
今回の記事も前回同様、
①現環境における「神河:輝ける世界」の与えた影響
②なーせ的「神河:輝ける世界」の環境定義カード
③「神河:輝ける世界」がなくなった後のスタンダード環境考察
の順番でお話しします。
それでは参ります。
①現環境における「神河:輝ける世界」の与えた影響
まずおさらい。
神河:輝ける世界は2022年2月18日に発売したMTGのエキスパンションです。
「今こそが未来/The Future is Now」「光を灯せ/Light It Up」「輝ける未来を作れ/Craft a Brighter Future」がキャッチコピー。
前回の神河ブロックが2004年発売なので17年ぶりの登場です。
今回ストーリー的に注目になったのが完成化。新ファイレクシアの浸食がついに本編ストーリーにて大きく語られる瞬間となり、完成化したプレインズウォーカー、タミヨウが登場し驚かせました。
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カードとしては禁止カードが3枚指定され、現スタンダードに大きな影響を与えている強力なカードが数多く登場しています。
再登場した英雄譚エンチャント、換装のキーワード能力に機体クリーチャーも多く登場し、サイバーパンクの要素と古い時代が混在した和の要素が魅力的なセットです。
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そんな神河:輝ける世界で採用されているスタンダードカードを見ていきましょう。
②なーせ的「神河:輝ける世界」の環境定義カード
今回は直近(4月下旬〜5月中旬)で行われたプロツアー「サンダー・ザンクションの無法者」のTOP8及びスタンダードチャレンジ(MO(マジック・オンライン)内で開催)のTOP4のリストから神河:輝ける世界のカードで何が使われていたかを統計してみました。
※MTG専門店、晴れる屋の大会データ情報を参照させていただいています。
伝説の土地サイクル(耐え抜くもの、母聖樹、天上都市、大田原、見捨てられたぬかるみ、竹沼、反逆のるつぼ、霜剣山、皇国の地、永岩城)
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今回登場したキーワード能力、魂力を持った伝説の土地。
魂力は呪文ではないため、止める手段が限られていることもあり多くのデッキで採用実績があります。
前回のイニストラード:真夜中の狩りやイニストラード:真紅の契りで登場した通称スローランド(3つ以上土地が出ている場合はアンタップ状態で場に出せる2色土地の総称)が多く採用されていますが、神河:輝ける世界の伝説の土地サイクル全てが魂力を使っての戦術の拡張がスタンダードに大きな影響を与えていると考えられ、実際に数多くの場面で使われているカード群です。
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放浪皇
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初の瞬速持ちプレインズウォーカー。白系のミッドレンジ、コントロールデッキでは数多く採用されていて、デッキによってはフィニッシャーになっているカードです。
俗に奥義と呼ばれる、大量の忠誠度を消費して使用する能力はないものの、クリーチャー強化やクリーチャートークン生成、タップクリーチャーの追放除去など、瞬速からの登場で多くのプレイヤーに使われたスタンダードを代表するプレインズウォーカーカードの1つです。
熊野と渇苛斬の対峙
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赤単アグロで多数の採用実績のある英雄譚。1マナで場に出せて、第一章はプレイヤーとプレインズウォーカーに1点ダメージ、第二章は初めに唱えたクリーチャーに+1カウンターを乗せる強化効果、第三章になると追放してカードが裏返り、熊野の食刻というクリーチャーになります。
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裏面の熊野の食刻は2/2速攻、熊野の食刻がいる状態で相手クリーチャーが死亡するときは墓地ではなく追放される効果を持ってます。
追放も厄介ですが、裏面も赤単らしく速攻持ちのためライフを詰める一助となるため、赤単アグロの相棒としてよく見かけます。
行進サイクル(冥途灯りの行進、渦巻く霧の行進、不憫な悲哀の行進)
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コストの一部を手札のカードを追放することで2コスト分としてカウントして使用できるカード群。
エンチャントやアーティファクト、クリーチャーのうち払ったコスト以下の対象物を追放できる冥途灯りの行進(通称白行進)。
払ったコスト分の栗チャーをフェイズアウトできる渦巻く霧の行進(通称青行進)。
払ったコスト分をプレインズウォーカーかクリーチャーにダメージを与え、与えただめー自分自身のライフを回復できる不憫な悲哀の行進(通称黒行進)。
この3枚は多くのデッキで採用実績があります。緑と赤の行進サイクルカードは正直あまり見かけませんね(汗)。
樹海の自然主義者
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代表してこの一枚を取り上げますが、樹海の自然主義者を中心としたエンチャントビートダウンデッキの多くのカードが神河:輝ける世界で構成されています。
樹海の自然主義者はエンチャント呪文のコストを下げる効果があり、魅知子の真理の支配や神憑く相棒といったエンチャントの横並びを加速させる効果や、気前のいい訪問者や無常の神といったエンチャントが場に出ることでクリーチャーを強化できる能力により場を制圧しやすい状況を作るのに一役買っています。
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神河:輝ける世界はエンチャント軸のデッキを誕生させたといっても過言ではないでしょう。
鏡割りの寓話、勢団の銀行破り、絶望招来
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神河:輝ける世界に登場したカードでスタンダードでの禁止が2022年5月29日に告知されました。
鏡割りの寓話はラクドスミッドレンジを大幅に強化させ、赤色のカードが入っていればほぼ入っていたカードでした。第一章、第二章と英雄譚としての効果も強力で、裏面のに変わった後の能力が明らかにスタンダード環境内でも異次元の強さを見せていました。
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また勢団の銀行破りも無色アーティファクトなので色の縛りがなく、あらゆるデッキに投入されていました。使用回数に制限はあるもののマナさえあればドローとして使用できるのは…、ということでしょう。
最後の絶望招来。これは本来黒がタッチしにくいエンチャント除去に触れる呪文ということで使用禁止となっています。単に除去するだけではなく、相手が除去対象をコントロールしていなければ相手のライフルーズと自身の1ドロー。黒単でアドバンテージを取りすぎていた強力カードでした。
他にも強力なカードは存在しますが、代表的なものとしていくつか紹介させていただきましたが、ローテーションが変わり神河:輝ける世界がなくなった後考えられるスタンダード環境について考察していきます。
③「神河:輝ける世界」がなくなった後のスタンダード環境考察
まずエンチャントビートダウンはスタンダードで生き残るのは厳しくなることが予想されます。
一部エンチャントの中には他カードセットに存在しているものはありますが、低コストの回しやすい優良エンチャントカードのほとんどが神河:輝ける世界に含まれてます。大幅な弱体化は避けられないでしょう。
また、代替は可能なことは予想されますが、熊野と渇苛斬の対峙がなくなることで1マナ域の赤単アグロの採用カードを見直すことが必要になります。
熊野と渇苛斬の対峙は赤単アグロの戦略に適した優良カードであり、他のカードでは代用しにくい「一度きりの使い切りの効果ではない」という大きな利点が存在します。場に置いた瞬間には1点火力、次ターンはクリーチャー強化、最後に速攻持ちクリーチャー化と、段階を踏んで有効打点を稼げる効果は熊野と渇苛斬の対峙の大きな特徴です。一粒で何度もおいしいカードが使えなくなるのは正直苦しいですね。
放浪皇は代替手段はありますが、瞬速を持つプレインズウォーカーという唯一無二の存在がいなくなることで、相手の行動に対する対応の選択肢が減るので白系コントロールの弱体化も予想されます。放浪皇ケアがあるとないのとでは立ち回りは雲泥の差だと思うのは私だけではないはず。
最後に伝説の土地サイクルについては代替が効きにくいものの、効果が限定的なものがほとんどであり、現段階でもイクサラン:失われし洞窟に登場したティシャーナの潮縛りを採用したコントロールデッキであれば対応できるなど、あまり影響はないといえます。伝説土地サイクルのカード群はあれば便利というカードですね。
思うだけでもいくつかありますが、神河:輝ける世界に登場したカードは多くのデッキタイプに大なり小なり影響があるのは間違いありません。
終わりに
今回はスタンダードローテーション変更前に神河:輝ける世界のカードを振り返ってみました。
とにかく強力なカードが多いセットなので影響はかなり大きいと思いますし、実際にパイオニア以下の下環境でも採用実績の多いカードが多いカードセットです。
何度も言いますが、なーせはパイオニア以下の環境はエアプなので言及はできませんけどw
皆さんの考える神河:輝ける世界の環境カードがあればぜひ教えてください。
それでは次回は最後、ニューカペナの街角の回でお会いしましょう。
【あとがき】
禁止カードが出たということからもとにかく強いカードが多かった神河:輝ける世界。当時のスタンダードローテーションは2年でしたが、2023年5月7日にスタンダードローテーションの延期のアナウンスが公式から発表されました。
発表を受けたことでイニストラード:真夜中の狩り~ニューカペナの街角のカード群が2023年7月に使えなくなる予定だったものが2024年7月まで使えることが確定しました。
それに伴い、神河:輝ける世界のカードは本来ローテーションから外れる予定だったものが1年延期することになったことを受け、一部プレイヤーからの使われると不快に感じるカードの代表として鏡割りの寓話や勢団の銀行破り、絶望招来の禁止処置をとったと思われます。
その後、スタンダード上での禁止制限を告知することは現段階はなく、黙示録、シェオルドレッドや太陽降下のような一部のユーザーが嫌うカードもいまだに使えることを考えると、私は7月と9月に予定されている禁止改定でもないのではないかと予想しています。
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もちろん7月に発売を控えるブルームバロウ以降のカードセット次第ですが、赤単アグロのような早い段階で勝負を決めるデッキもあれば、コントロール軸のように構えて戦うデッキ、ミッドレンジ域のデッキなどデッキの種類も多岐にわたっているため健全な状態が続く限り、禁止をすることはないと思われます。
禁止されるとせっかく考えた構築が無駄になるので禁止カードがないに越したことはありません。なーせは引き続きワクワクするカードを用意いただきつつ、引き続き楽しいMTGライフを続けられることを願っています。
【注意】
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