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【140字小説 Ⅹ 6】『日常のスキマ』

【想い..】
私は小説家志望。
今日、あの人と3D映画を観に行った。映画が終わった後、私が「3Dって苦手です。血が通ってない気がして」と伝えるとあの人が答えた。
「でも、君の小説も3Dみたいだよ」
「え?..どういう意味ですか?」
「読んでると情景が浮かんでくるからさ」
ドキドキした。心臓が飛び出しそうだった..

【家に帰る】
感染者が減ってきたので、家に帰る。データでは三百年前にも同じ様な状況があったらしい。その時は今ほど科学が発達していなかった為、相当大変だったそうだ。

さてと..俺は隣に座る愛犬を撫でた。

今は各々が暫く宇宙空間で過ごせば感染症などすぐ終息するのに..

俺は青い惑星を目指して飛び立った。

【闘う14歳】
白昼堂々、AIが攻撃を仕掛けてきた!
奴は情け容赦が無い。僕は神から与えられた能力で奴と闘う!中二病?いや違う。
これは漫画でも映画でもない。
紛れもない現実だ。
えっ?
今、目の前で仲間が敵に寝返った..

おい!目を覚ませ!
僕は覚悟を決めた!人類の為に負けられない!反撃だ!

「王手!」

【未来の配送】
便利な時代だ。
量子空間移動により、一瞬で荷物が届く。
だが、たまに転送が失敗する。
我が家のポートには崩壊した箱入りのメロン。
私は配送センターに苦情を入れた。
係員が申し訳なさそうに答える。

『すぐ謝罪に伺います!』

数分後。家のポートに配送センターの人間が転送されて来た。

半分だけ..

【クラスメートに首ったけ】
僕は同じクラスの森さんが気になる。
だから毎日、話題を振り、相づちを打ち、話を引き出す。徐々に距離を縮めていく戦略だ。
すると彼女は
「林君、メチャ喋りやすい」って!
そして遂に放課後、呼び出された!

「ねえ林君、私とやらない?」
「え..何を?」

「漫才!」
え?..
あ、うん...やろう!

【まだまだでした..】
遂にタイムマシンが完成だ!
早速、助手と過去に戻る事にした。
俺がエンジンをかけ発進させると、助手が大声で言った。
「博士!このマシン、音が凄いですね!」
「何?聞こえんぞ!」
「博士!このマシン、音が凄いですね!」
「何?聞こえんぞ!」
改良の余地ありだな.. 

戻れるのがたった五秒とは..

【終】

サポートされたいなぁ..