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テイクアウト 〜父の一周忌〜

食べ物が思い出のひとつになる

みなさんはそんな経験ありますか?

もちろんありますよね。

お母さんの手料理
学生時代に通った飲食店
はじめて食べた一蘭のラーメン笑
などなど・・・

人それぞれ
思い入れのある料理はあります。

実はぼくのうどんも
そんな思い出の一杯に
なっていました。

今日はそんなお話です。

◯一本の電話

今年の1月ごろでしょうか。

お店の電話が鳴りました。

「生麺とお出汁のテイクアウト
まだやっていますか?」

当時はもうやってませんでした。
なのでお断りしました。

「そうですか・・・
ありがとうございました。」

んー・・・
最後元気がなかった女性の声。

なにか引っかかるものがありました

原料の粉を確認すると
4人前はギリギリ対応できそうだったので
再度電話をしてみることにしました。

◯父の一周忌

「上を向いての宅島です。
先ほどはお電話ありがとうございました。
4人前であれば対応できそうですが
いかがいたしましょう?」

「え!?そうなんですか!?
ありがとうございます!!!
実は今度の土曜日が父の一周忌で
みんなでうどん食べたくて・・・」

「父は地元が長崎の人で
上を向いてさんのうどんが大好きでした。」

「父も喜びます!
本当にありがとうございます。」

・・・

かけなおしてよかった。
心からそう思いました。

◯テイクアウト

当日、多めに入れた生麺と
お出汁をお客さまに渡しました。

マスク越しだったので
よくわかりませんが
涙目チックだったので
ぼくも泣きそうになるので
さっぱりと挨拶をして
納品させていただきました。

うまく湯がけてるといいな。

心が暖かくなりました。

◯一昨日の営業中

うどんを食べ終えたお客さまに
突然カウンター越しに
話しかけられました。

「以前、父の一周忌に
うどんをテイクアウトさせて
いただいたものです。」

「あの時は本当に
ありがとうございました。」

ビックリしました。

「みんなでおいしいねって言って
父の仏壇の前で食べました。」

マスク越しだったので
よくわかりませんが
涙目チックだったので
ぼくも泣きそうになりました。

「よかったです。
うまく湯がけました?」

「はい!できました!
たっぷりのお湯で湯がきました。」

「またいつでも言ってください。」

・・・

◯ぼくのうどんが思い出のひとつになる

ぼくのうどんがお客さまの
思い出のひとつになりました

ぼくの思い出のひとつにもなりました。

不思議な感覚ですが
心があたたかいですね。

思い出に残るうどん。

毎日いろいろな
お客さまがやってきます。
目的はそれぞれです。

思い出に残るような
愛にあふれた一杯を届けよう。

無償の愛ですね。

ぼくの名前は宅島愛弥。

愛を届けていきます!

それでは!

明日も元気に上を向いて!



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