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【読書レビュー】そしてバトンは渡された

あの人は幸せだ、この人も幸せだ、その人は絶対不幸だ。
私は?

【情報】

著者 瀬尾まい子さん
発売日 2018年2月25日 (2020年9月2日文庫化)
 第16回本屋大賞受賞

【感想】

タイトルだけ見れば、陸上の話かと思ったが、ちがうのね。
最初2頁くらいを読んで、不幸な少女の話かと思った。

主人公優子は父親3人、母親2人に育てられた。
現在(高校生の優子)の父親「森宮さん」との生活にスポットを当てながら並行して、過去の出来事をはさみながら話は進む。
勿論、現在の父親「森宮さん」とは血が繋がっていない。

小説内では、親と血が繋がっていないから、かわいそうといった雰囲気になることがある。
私も勝手に主人公優子は不幸なのかと思ってしまったが、他人が幸不幸を決めることはできないとも思う。
なぜなら、それは自分が決めることだからだ。

幸せって何だろうと、考えている人もいるだろう。
自分を思い返すと悪い面ばかりが思い浮かぶ気持ちはわかるが、決してそうではない。
考え方次第で、同じ出来事でも幸せにも不幸にもなれる。
お金がないから不幸なのか、仕事が忙しいから不幸なのか。
では、お金があったら幸せなのか。仕事が楽なら幸せなのか。
そこに因果関係はない。
小説内、高校卒業時に優子が先生にもらった言葉が印象的。
注目して読んでほしい。

自分が不幸だと思っている人は、過去の良かったこと、自分の長所を思い出してほしい。
何もない人は今生活できていること。
突き詰めれば生まれてきたこと自体が幸せなことではないだろうか。
自分は幸せなんだという自己暗示をかけてみてほしい。

優子と父「森宮さん」、血の繋がりはないが、幸せになれるのか。
「そしてバトンは渡された」のタイトルの意味を言ってしまいたい。

【まとめ】

この投稿をするにあたり、Wikipediaで瀬尾まい子さんを調べた。
なんと奈良県奈良市在住なのね。
ご近所でした。ひょっとしたらどこかですれ違っていたかも。
これは応援しないと。