【小説】妖怪たちの苦悩 その7
一反木綿の綿貫くんがいなくなって、
一週間が経とうとしていた。
わたしは、陶子(とうこ)。
妖怪ろくろっくびの高校二年生。
特技は待つこと。
人間の皆さんにはわからないでしょうが、妖怪も何かと苦悩しているのです。皆さんにはそんな苦悩を紹介していこうと思います。
「綿貫くん、どこいっちゃったんだろうね。」
「ねぇ。」
ねこ娘の幸子ちゃんに声をかけられた。
一週間前に、かくれんぼをして以来、行方不明なのだ。
あれだけ薄いとどこにでも隠れられるのだ。
私も首を伸ばしていろい