見出し画像

【小説】妖怪たちの苦悩 その2

わたしは、陶子(とうこ)。
妖怪ろくろっくびの高校二年生。
特技は待つこと。

人間の皆さんにはわからないでしょうが、妖怪も何かと苦悩しているのです。皆さんにはそんな苦悩を紹介していこうと思います。

休日、ねこ娘の幸子ちゃんと一緒に街を歩いていると
「ねぇねぇ、陶子。あれ見て見て。」
前を見るととある二人が、仲良さげに歩いている。
あれは、百目くんともう一人の女の子は・・・
「ちょっと、首を伸ばして追いかけてよ。」
わたしもちょっと興味があったので、首を伸ばして後ろからおいかけてみた。

百目くんは女の子のことが好きなのだろうか。
しきりに
「きれいだよ。」
と言っている。

二人は右に曲がった。
さらに右に曲がり、もう一度右に曲がった。
次の角を右に曲がったので、角から顔を覗かせると、目の前には、

目が!目が!目が!目が!目が!

百目くんが目の前に立っていた。
「さっきからずっとついてきやがって。」
「え!なんでばれたの?」
「後ろにも目があるんだからすぐわかるんだよ」
「あ~。」
「それにここにお前の身体と幸子がいるぜ。」
私の身体と振り向き様に驚く幸子の姿が。
ん~何が起こったんだろう。

一緒にいた口裂け女のさき子ちゃんが、怖い顔をして、
「あんたら。口が裂けても言うんじゃないわよ。」