令和の百鬼夜行 2023 (お祓い済み)
【現代社会の挿絵】 企画展示
はじめに
人里離れた森の中、頼りの月明かりも雲に隠された。一瞬にして訪れる静寂と暗闇。木々も動物たちも息を潜めているかのようだ。
音も光もない世界で、青白い輪郭の炎が一つ灯った。
釣瓶火か…
僕がその青白い炎をみつめるとき、ヤツもまた僕をみつめている。
そして、ヤツは徐ろに語りだした。
不思議なことにヤツの物語りは、そのどれもがおそろしく現代的で、現実味さえ帯びていた。
いまここに、令和の百鬼夜行がはじまろうとしている。
(*´ω`*) 暇つぶしの読み物にどうぞ…Wノシ
増税爺 ぞうぜいじじい
出そうだなぁ…
ヤバいよなぁ…
絶対マズいっ…
ぎゃーっ でたぁー
コイツは、リアリティーをもった恐ろしいヤツなのだ。
出魔入道 でまにゅうどう
また出そうだなぁ…
まさかこんなところで…
出るわけがな…
ひぃーっ またでたぁー
コイツは、性懲りもなく、何度もいろんな場所に出てくるヤツなのだ。
狢 むじな
お嬢さん、どうしました。こんな寂しい場所で、一人で夜中に泣いているなんて、ほっておけないじゃないですか。いったい何があったんです。よければ私が相談にのりますよ。さぁ、お顔を上げて…
くるっ ちらっ
ぎやーっ
旦那ぁ、こんな夜更けにどうしたんですかい ?そんなに慌てて。
ででで…出たんだよ、紀伊国坂でバケモノがぁ…
へぇ、バケモノですかぁ、ひょっとしてそいつは、こんな顔をしていたんじゃありませんか?
くるっ ちらっ
ぎやーっ
小泉八雲【狢】参照
今、コイツらが実施している政策って、ひょっとすると誰かの指示を淡々とこなしてるだけじゃないのか…って思えてくるね。
つまりコイツらは、まさに顔のないのっぺらぼうみたいな存在なわけで、だったら政治家なんて誰でもつとまるってはなしだよ。
耳なし文雄 みみなしふみお
おーい、文雄… 文雄…また迎えに来たぞぉ… 出て参れ!
なんだ、今日は居らんのかぁ。
はて、文雄のやつどこへ行ったのやら?
ここにあるのは、琵琶と耳だけか。 仕方あるまい、迎えにきた証として、この耳を持ち帰るとするか。
びりびり
ぶちっ
小泉八雲【耳なし芳一】参照
よくもまぁ「特技は【人の話をよく聞く】ということだ」などと、臆面もなく言い放ったものだ。オマエたちの行っている民意と国民感情から完全に浮遊した政策が 【聞く耳】を持っていないことの、何よりの証ではないか。
髑髏と蜥蜴 どくろととかげ
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す。
驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛けき者も遂には滅びぬ、ひとへに風の前の塵におなじ。
【平家物語】参照
要するに、デマばっかりいてるヤツはゴミみたいなモノで、すぐに吹き飛ばされて滅びるってことね。
化け猫 ばけねこ
さあ、張り切ってサラリーマン増税するニャーン!
数日後
ニャンてなぁ…テヘペロ…W
コイツのように観測気球的な事ばかりしてると、信条や信念で政治をしてないなと見破られ、蔑まれる。いや、もう現時点で充分蔑まれてるかぁ。
キシドクロ
TIME誌表紙【日本の選択】総理大臣岸田文雄は、長年の平和主義を捨て去り、そして自国を真の軍事大国にすることを望んでいる。
出たなぁ…妖怪変化!
人の世には、いくら望んでも叶わないコトや成れないモノがある。そもそもバラマキしか芸のない無能が、軍事のことを理解できるんかなぁ…と夢の中で思った。
おわりに
不意に釣瓶火の青白い炎が消えた。東の空がうっすらと白みがかっている。遠くから、鳥や虫の声も聞こえ始めていた。
そうだな、今日はこのあたりかぁ… 僕はもう一度、さっきまでヤツがぶら下がっていた枝をみあげた。そこにはもう何もいない。
それじゃぁ…またくるよ。刻々と色彩を帯びてゆく森の中、僕はヤツに別れの挨拶を告げた。
今日もまた暑い日になりそうだ。
2023年08月 なるるえる
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