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シナモンロール屋さんになるまで#11 はじめての販売


先週末、隅田川沿いで開催されたCOFFEE COFFEE FESというイベントで、Mäkipeltoの北欧シナモンロールは初めての販売を迎えた。今日は自分の振り返りも兼ねたレポートを書きたい。

計画通りには行かない本番の製造

レンタルキッチンで製造をしているため、効率よくたくさん製造を進めることはこれまでも大きな課題だった。工数を5分単位で把握し、パズルのように工程のスケジュールを組んで、製造個数を見積もった。目標は9時間で12ターンの144個。ただ、希望的観測という名の机上の空論通りには進まないわけで、結局は10ターン120個を作ることにした。

スウェーデンスタイルもフィンランドスタイルもギリギリの試作まで成形が定まらず、当日も新しい成形を試した。スウェーデンスタイルはYouTubeで何度も現地のパン屋さんの手元をみてイメージトレーニングし、この成形は成功した。ただ、フィンランドスタイルは理想の形を目指したため、製造数がさらに少なくなった。

途中、発酵をコントロールするために冷凍庫に入れた生地を忘れて凍りかけたりと、てんやわんや9時間を走り抜けた。結果として110個がなんとか形になり、販売まで運ぶことになった。

もっと磨きたい成形。ひとつずつ違った顔なのはある意味フィンランドらしいのかもしれない。

お天気が味方してくれた当日

イベント当日、前日までにパッキングした荷物をレンタカーに積み込み出発。1週間前に下見がてらサイクリングで訪れたお陰でスムーズに搬入できた。

マルシェのボランティアさんと、他の出展者さんと一緒にマルシェお手製のスタンドを組み立てた。簡単な構造なのにしっかりしていて、とても使いやすかった。荷解きをしながらお隣の出店者さんとお話。みなさんベテランの方ばかりで、初心者の私を気にかけてくださりとても心強かった。

会場は隅田川沿いのテラスの中でも特に視界の開けた公園で、芝生の土手や対岸のマンション、少し遠くに見える橋がどれも爽やかな空気を纏っていた。青空とぽかぽかの日差しが心地よかった。

そこに一列に並んだスタンド、人工芝にコーヒーの麻袋でできたクッションの寛ぎスペースが設置された。川の柵にはバーカウンターがつけられた。他にもステージスペースや、使用済みコーヒー粉を再利用する取り組みの展示など、楽しい仕掛けがあった。

リベイクは大正解

もたもたと準備をしている間にオープン時間になった。かと思ったら次々とお買い求めくださるお客さま。気づけば会場はたくさんの人で大賑わいになっていた。

今回、火気が許可されたイベントだった(これは異例の快挙)ため、Mäkipeltoではシナモンロールのリベイクサービスを実施した。カセットコンロにフライパンの即席トースターでほんのり温めるとぐっと美味しく食べられる。

みなさんリベイクをご希望され大好評で、今回このサービスを実施できたことはとても大きかった。ただ、オペレーションとしては準備不足の部分もあり次回に向けての改善点が見つかった。

嬉しいお声や訪問

2種類のシナモンロールを前に「この2つはどう違うんですか?」と興味をもってくださる方がたくさんいらっしゃり、ご説明すると「じゃあ一つずつ下さい!」と2つもお買い上げくださるお客さまがとても多かった。

ほかにも、「北欧に何度か行ったことがあって〜」「フィンランドスタイルは日本では珍しいですよね…!」「プラントベース好きなんです」「リベイクうれしい!」「卵アレルギーだから助かる」とそれぞれの嬉しい反応を見せてくださった。

ひとつリベイクで召し上がったあとに「もう2つください」とお持ち帰り用を買いに戻ってきてくださったときは、おもわず「おかえりなさい〜!」と歓喜した。

親しい友人たちや家族、マルシェ仲間、10年ぶりに会う友人のサプライズ訪問、そしてnoteでいつもいいねをくださる方も遊びにきてくださった。みんなに応援されていることが形になって現れて、とても暖かくありがたい気持ちでいっぱいになった。

また、一人だけフィンランドの方もきてくださった。たまたま通りかかったそうだから驚いた。しっかりとフィンランドスタイルを持ち帰られたが、気に入っていただけだろうか。

準備万端とは言えない挑戦

もとは別のマルシェへの出店に応募したのだが、主催の方から「シナモンロールはコーヒーにとても合いそうだから、こっちのフェスに出てみない?」とご提案をいただいたのがきっかけだった。想定よりずっと早いデビュー日が決まり、本当に形になるのかと焦る気持ちもあったが、せっかくいただいた機会には挑戦したかった。

販売までの試行錯誤はこれまでもnoteでシェアしてきたので、みなさんご存知だろう。素人の悪戦苦闘に心配になった方もいらしたかもしれない。

また、生産力不足で開催時間の中ごろに在庫がなくなってしまった。せっかく足を運んでいただいた方にお届けできず、申し訳ない気持ちだった。

今後に向けて

至らない点は多々あったものの、ひとまず作ったものを安全に全て売り切ることができたことはとても大きな経験だった。

頑張りが実ったこともあったが、やっぱり不足や、もっとよいものを、という部分がまだまだある。ここまでアウトプットの機会を設定し自分を追い立ててきたが、改めてインプットの重要性を感じる。

といいつつ、3月中にもう一度販売の機会を設けられる予定だ。今回のイベントでいただいたご縁からも楽しそうなことが広がりそうだ。

一つ一つの機会で、より良いものお届けするための伸び代がたっぷり!ということで、今回いただいたエナジーを糧に試行錯誤は続く。

もう一度、お買い求めくださったみなさま、遊びに来てくれた友人たち、スタッフ・出店者のみなさま、ありがとうございました。いつも応援、見守ってくださっているみなさんもありがとうございます。
そして製造から、当日は車で走り回った後に、黙々とリベイクに徹してくれたパートナーにも感謝しています。

お知らせ

6月2日(日)に両国で開催される、隅田川マルシェへの出店が決定しています。今よりもっと美味しいシナモンロールをお届けできるよう頑張りますので、ぜひカレンダーに入れておいてください!

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