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特性を感じるエピソード(結婚前編)

注記)
夫は、私から見て発達障害の特性に当てはまるものを多く持っているというだけで、医師の診断を受けたわけではありません。義母は特に疑問を持たずに育ててきたようですし、普通に就職して働いているので、検査しても診断は下りないかもしれません。
私は、今のところ夫が「発達障害かどうか」はあまり気にしていません。ただ、発達障害のことを知ってから、それに特性に近い個性や性質を持っている夫のことを以前よりは理解できるようになったと感じています。そんな私の視点で過去を振り返ったり、今現在の別居という形での夫婦のあり方の模索の様子をお伝えすることが、同じような悩みを抱いている方のお役に立てればと考えています。

結婚前の彼に悩まされたこと、ひっかかっていたこと

夫の「片付けられなさ」は時が経つとともにエスカレートしていったと前回書きました。
それ以外のASDやADHDの特性だと思えることも、加齢と共にやっかいさを増しているように感じます。

逆に言えば、結婚前はそこまでやっかいなことは多くありませんでした。
多くはなかったんだけど、すごく私を悩ませたことがありました。
最初にも書いたとおり、遠距離恋愛中、メールを送っても留守電にメッセージを残しても、一向に反応がないこと。

それと、私にとってそんなに大きな問題ではなかったけれど、なんとなくひっかかっていたのが次の二つ。
・会話のキャッチボールが下手(話が飛ぶ)
・(自分にとって興味のない)彼女の希望をスルーする

それぞれ、当時の彼がどんなふうだったか思い出しながら、大人の発達障害というものを知った今だからできる解釈を加えてみたいと思います。

1.遠距離恋愛中の彼女からのメールを無視するのはなぜ?

付き合い始めて一年経たないくらいの頃、彼の転勤が決まりました。
地方から都会への転勤です。
二人の間が盛り上がっていたときですから、「私もいずれはそっちに行くからね」と約束しました。

彼は出発の数日前、私とふたりでいるときに涙を見せました。
特に言葉はなく、ただしゃくりあげて泣いているのです。

普段は感情的ではない彼のその様子には、すごく驚きました。
今思えば、このときのことが後々まで私の判断に影響したのです。

離れている間、向こうからは全く連絡してこないし、たまたま電話したときに気づいて出てくれれば少し話すけれど、私がメールしても留守電にメッセージを入れてもほぼ返信がない。
どうして私のことをそんなに無視するのか、本当に不思議でした。

「私のことはどうでもよくなった?」と思うけれど、1〜2ヶ月に1度会うと、彼は優しくしてくれ、楽しい時間が過ごせました。

普通、そんな状況なら浮気を疑うところかもしれません。
でも、彼の場合は恋愛にガツガツした感じはまったくなく、複数の人と付き合おうという欲望も器用さもなさそうなんですよね……。

ずっと「どうして?」と混乱していたのですが、遠距離になる前に彼が泣いたことが、「私を思ってくれているはずだ」と信じる原動力になりました。

でもねぇ……。結婚後も一番の悩みのタネは、彼のこの特性だった。まだ恋愛関係のときに「こんな付き合い方はおかしい」とスパッと別れてしまえば、こんなことにならなかったのになぁ、なんて思います。

当時は全く意味不明だった彼の行動ですが、今考えれば、
・(彼女であっても)眼の前にないものには、意識が向きにくい
(メールなどが届いても)今やっていること、考えていることから他のことに気持ちを切り替えられず、後回しにしてしまう(そしてそのまま返信するのを忘れる)
というASD的な特性だったのでしょう。

目の前にいない彼女の存在感は彼の中でどんどん薄れていき、もはや「面倒くさい」としか思えなくなって、本当に連絡も取れなくなって自然消滅……ということもあり得ると思います。

だけど彼の場合は、会えば「近いうちに結婚しよう」なんて言っていた。それは、付き合い始めて1〜2年で、それなりに私への興味が持続していたこと、彼の中で「このくらいの歳になれば、恋愛のゴールは結婚だ。そこまで行かなきゃ」という思い込みのようなものがあったからなんじゃないかな、と思っています。

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