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夫はASDでかつADHDではないか、と気づいたきっかけ

夫が「大人の発達障害」かもしれないと気づいたのは、片付けができない夫になにか有効なアドバイスや工夫の仕方はないものか、とインターネットを検索していたときだったと思います。

夫の片付けられなさは、結婚してからこれまでの15年ほどの間に、最初は少しずつ、ここ数年は加速度的にひどくなっていきました。

別居する直前、6畳ほどの夫の個室は、ドアを開くスペース以外はほぼ足の踏み場がない状態で、本、書類、仕事や趣味のいろいろな道具、服やカバン、ゴミなどが無秩序な山を作っていました。

ちなみに結婚前は、夫は片付けが苦手なことを隠していました。私が部屋に遊びに行くときは、なんとかそれなりに片付けていたのです。

一度サプライズで突然押しかけたとき、夫が座っている周りに雑誌やら何やらいろいろなものが積んであって、私はそれをいらない雑誌などをまとめてゴミに出そうとでもしているのかな、と思いました。「あれ、大掃除中に来ちゃったかな」と。夫は恥ずかしそうな、微妙な表情をしていました。「見られちゃった!」という感じだったんでしょうね……。

数年前から「片付けられないのはADHDだからかも……」みたいなネット広告はよく目にしていて、「ああ、ADHDの人は片付けられないんだな」と認識してはいたのですが、そこからダイレクトに「夫もADHDだ」とは思いませんでした。当時は発達障害のことをほとんど知らなくて、一応普通の人だと思ってきた夫がそうだなんて思いもしなかったんです。

でも、ADHDの人がうまく片付けをできるようになるアドバイスがあれば、それはADHDではなくても片付けの苦手な夫の参考になるかもしれないと思って、ADHDに関する記事を読むようになりました。

すると、発達障害にはADHDのほかにASDやLDというものもあることが分かってきて、ASDの特性というのが夫にとても当てはまるように思えたのです。

遠距離恋愛中から、いくらメールを送っても全く返事がない。結婚後、「晩ご飯がいらないときは連絡して」といくら言っても連絡してこないし、一晩帰ってこないことすらしょっちゅう。こちらの問いかけに返信すること、ちょっと予定の連絡をすることがなんでできないのか……と本当に不思議だったのですが、ASDの人ってそういう感じらしいことがネット上の記事や本から分かってきて、「コレだったのか!!!」と。

そこから野波ツナさんの「旦那さんはアスペルガー」シリーズを読みまくり、アスペルガー(ASD)の夫を持つ女性がカサンドラ症候群という状態に陥りやすいということも知りました。

それからしばらくは「夫はASDらしい」という考えに取り憑かれ、ひたすらASDについて勉強する日々でしたが、精神科医の本田秀夫先生の『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』を読んでASDとADHDの併発というパターンもあり、それがより事態を難しくする可能性があるのだということもわかりました。

そう言われてみれば、夫はASDっぽい頑固なところと、ADHDっぽい飽きっぽいところと、両方あるのです。もう一度「コレだったのか!」と納得した瞬間でした。


※夫は、私から見て発達障害の特性に当てはまるものを多く持っているというだけで、医師の診断を受けたわけではありません。義母は特に疑問を持たずに育ててきたようですし、普通に就職して働いているので、検査しても診断は下りないかもしれません。
私は、今のところ夫が「発達障害かどうか」はあまり気にしていません。ただ、発達障害のことを知ってから、それに特性に近い個性や性質を持っている夫のことを以前よりは理解できるようになったと感じています。そんな私の視点で過去を振り返ったり、今現在の別居という形での夫婦のあり方の模索の様子をお伝えすることが、同じような悩みを抱いている方のお役に立てればと考えています。


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