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バズフィードからnoteに転職したら、なぜか寿司を握る毎日になった話

noteに入社して2ヶ月ちょっとがたちました。リモート環境下での転職で、前職とだいぶ異なる仕事を進めるのはなかなか苦労するところですが、周りのみなさんの温かいサポートのおかげで充実した日々を過ごしています。

名刺には「noteディレクター」と書かれています。

noteのディレクターって何をするの? と、よく聞かれますが、ひとことで言うと「クリエイター(noteを使ってくれる人)の影響力を最大化すること」を役割としています。

なにかを発信すること、自分の興味関心をだれかに伝えること、これはとても楽しいことです。その楽しさをより多くの人に味わってもらいたい――。そう常々思っていました。

僕個人の話をしますと、昔はCNET JapanというIT・テクノロジー媒体で記者をしていました。その後、LINE(当時の社名はライブドアでした)に転職し、そこでブログに出会いました。

同僚(@941)に勧められるままにlivedoor Blogを開設し、その日にあった出来事、食べたもの、買ったもの、最近気になってることなどを書き連ねていくうちに、次第にブログを通じて仲間ができ、いろんなイベントを通じて交流させてもらいました。

気づけばメディアから執筆依頼がきたりして、記者を辞めたのに副業でライターを始めていました。なぜか経験のあるIT分野ではなく、グルメライターになっていました。自分の場所で発信をしていると、いろんな可能性があるものだと思いました。

いまはなき「NAVERまとめ」をやってみたら、自分のダイエット記録をまとめたコンテンツが本になりました。グルメライターをやりながら、ダイエット本のプロモーションをすることになりましたが、ここで学んだキュレーションの手法やSNSの活用は、後の転職先であるBuzzFeed Japanで活かされました。

ポッドキャストをはじめたのは6年ほど前のこと。何も考えずにスタートして、ただ続けてきた結果、それなりに知見もたまってきました。noteでの最初の仕事はポッドキャストに関わるイベントの企画・登壇でした。

(どちらもアーカイブ動画が公開されているのでよかったらご覧ください)

自分の社会人人生を振り返ってみると、目の前の仕事はもちろん大事だけど、それと同じくらい「発信を続けること」も意味を持っていたと思います。

noteのミッション・ビジョン・バリュー

「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」。これがnoteのミッションです。シンプルな一文の中に、とても大事なことが書かれています。

創作は誰でもやっていいものだし、誰でも楽しめるものです。フィクション作品だけが創作ではありません。僕がいま書いてるこのnote記事だって創作です。自分の言葉でなにかを綴れば140字だって創作のはじまりです。

そしてそれを「続けられるようにする」こと。これが正直、一番むずかしいかもしれません。はじめるのは簡単だけど、1年、2年と続けるのはモチベーションの維持が大変です。ここを補うためにnoteにはさまざまな施策があり、我々、noteディレクターも存在しているのだと思います。

転職にあたって、僕のなかでこのミッションへの共感は非常に大きかったです。腰を据えて取り組みたいテーマだと思いました。「はじめる」「続ける」のサポートをしたいですし、クリエイターとしてのキャリアを伸ばすためにできることはすべてやりたいと思います。

noteという会社で仕事をするときに、欠かせないのが「バリュー」というものです。

この記事の最後、会社の文化を語るシーンで、執行役員の坂本さんと代表の加藤さんがこんなことを話しています。

坂本:混沌と自由。このふたつって表裏一体なんですよね。混沌としているけど、同時にすごく自由。自由とは、混沌でもある。仕事や職場に自由だけを求めている方は、向いていないかもしれないですね。
加藤:サバンナみたいなものですよ。自由はあるけど、下手したらハイエナにヤられる(笑)。「襲われた!ウケるね!」みたいなマインドセットだと一番いいですね。

正直、何を言ってるのかさっぱりわからなかったんですが、入社してみてわかりました。たしかにサバンナです。今日と明日は違う風景。先週の出来事がもはや懐かしい。ここでは何が起きるかわからない。油断していると襲われる(比喩)。最初は戸惑ったけど、たしかにこれはウケるなあ!と思えてきた自分もいます。

オフィスで初めて加藤さんと会ったときに、いろいろあってふと、こんな会話をしました。

加藤さん「寿司って自分で握ってもおいしいよ。今度やってみてください」
ぼく「はあ、寿司ですか」

さらに翌週、再びオフィスで顔を合わせたときは、すかさず聞かれました。

加藤さん「なるみさん。寿司、握った?」
ぼく「すみません、まだやってないです…」

ええ。サバンナにおいて、これはまずい行動です。すでに襲われています。僕はここでようやくnoteのバリューを思い出し、翌日から動き始めました。

1日目:すし酢としまあじを購入

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お昼にスーパーに行って、刺し身を1パックとすし酢を買いました。冷凍してあったごはんをレンジであたため、すし酢を大さじ1杯ふりかけたら、酢飯ができました。

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YouTubeで「How To Make Sushi」というストレートなタイトルの動画を1回だけ見ました。あとはなんとなく覚えてる範囲で握ってみます。

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左手に刺し身を置いてわさびをちょびっと塗り、右手で小さな塊に握った酢飯を乗せる。「こんな罰当たりなことをしていいのか…」と思いながら両手でギュッと形を整えました。

そしてお皿に置くと…

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あれ? 意外と寿司になってる?

え?いいの…?このまま握っていい? なんて思いながら、

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この日のランチはしまあじ7貫・430円(税込み)でした。

食べてみると、驚いたことに、

普通にうまかったのです。


考えてみれば、おにぎりは自分で握るし、手巻き寿司だってやるし、じゃあ握り寿司をやっちゃいけないなんて道理はないわけで、なるほど、これは「おおきな視点で考えよう / Think Big」だなあと思いました。

同時にこのしまあじ7貫はおそらく僕にとって初めての「すばやく試そう / Try First」の実践でした。初動こそ遅れましたがリカバリーが早ければいいのです。

そして翌日は早くもカイゼンに動き出しました。寿司を握るときに「酢飯が手につく」という課題を解決するために、「寿司 米 手につく」などと検索し、1つの回答を得ました。

そう、「手酢」です。

2日目:さわら

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右下にある水が手酢。水に酢を混ぜたもので、これを手につけることで、「米がまとわりつく問題」を回避できます。

前の日よりもスムーズにさわら8貫・430円(税込み)ができました。

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ただし、手に米がつかないことに感動するあまり、わさびを塗るのを忘れました。わさび醤油につけて食べましたが、問題なくおいしかったです。さわらにたっぷりと脂がのっていて本当にとろけるような味わいでした。

自ら手酢にたどり着いたのは「クリエイティブでいこう / Be Creative」の実践ですね。

3日目:生さんま

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3日目になると、もうあっという間に生さんま8貫・580円(税込み)が完成していました。刺し身のパックについていたしょうがを寿司の上に乗せるのは、一度やってみたかったことなので妙に嬉しかったです。

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生さんまは素晴らしかったです。臭みもなくてとろっとろです。しょうががよく合います。

4日目:寒ぶり

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寒ぶりも当然おいしかったです。この時期のぶりは脂がとにかくすごい。大ぶりの刺し身が口に入れた瞬間、とろけていきます。わさびを多めにつけていただきました。

5日目:サーモン

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右端の小さい切り身は握るのがややむずかしかったですが、もちろんこれもおいしかったです。

6日目:赤いか

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ねっとりとしておいしい…!クリーミーでもったりとした食感が最高な赤いかでした。

7日目:鯨赤身

そろそろお昼のルーティンは決まってきます。冷凍ご飯をレンジで3分50秒セットしたら、そのままスーパーに行く。まるで築地の仲買人みたいな鋭い目で刺し身売り場を見渡します。その日に入った新鮮なネタをお客さん(自分)に提供したいからです。

鯨の赤身を見かけたときは、「ふふ、今日は珍しいものが手に入ったな…」と独り言をいいながら帰りました。

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前日には、そろそろ寿司の味を飛躍的にアップさせる方法はないものかと考えた結果、寿司台を購入していました(各110円)。

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これで寿司の完成度が大幅に向上しました。台に置くだけでやたらとおいしくなった気がします。

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鯨の赤身はまるで馬刺しのような食感。すっきりとたんぱくな味わいながら、あとから深い旨味が染み出してくるような感覚です。

最近は30分もあればネタの仕入れから、握って、食べ終わるところまで済ませるようになりました。いまではいい趣味になっています。

パックの寿司はもう買わないかもしれないけれど、目の前で握ってくれるお寿司屋さんには前よりも行きたくなっています。きっと職人さんの手元を凝視してしまうでしょう。

創作を支援するために

僕が素人なりに握った不格好な寿司だって、たぶん創作です。もし誰かがこれを読んで、「へー、今度やってみようかな」なんて思ってくれたら、最高の創作なんじゃないかと思います。

「わかってないな、寿司はこうやって握るんだよ」って教えてくれたり、「こんなのは本当の寿司じゃない、明日◯◯へ来てくれ」なんて反応があったら、さらに素晴らしい創作です。どこへでも行きます。


もう20年近く前になりますが、ほぼ新卒のような形で就職したWebメディアがありました。その会社は隣の部署でモバイルゲームも開発しており、そっちはとても儲かっているようでした。

僕はあるとき、上司に聞きました。「なんでこんな小さなメディアを端っこで運営しているのか?」と。そのときの答えはいまなら納得できます。自分でも同じように答えるでしょう。

発信していると、仲間ができるんです。

自分でつくってみた、やってみた、面白かったことを書いてみたら、思わぬ反応をもらって話が変なところに進んでいく。そんな経験が何度もありました。


なんでnoteを書くのか、ポッドキャストをやるのか。突き詰めて考えると、「出会い」なのかなと思います。読んでくれる人、聴いてくれる人、関わってくれるすべての人、新しい知識、さらに開ける世界。そういったあらゆる出会いがその原動力、エンジンがかかった瞬間かもしれません。

僭越ながら僕も、noteディレクターという仕事を通じて、そういうことを提供していけたら、なんて考えています。

noteを使っていてもそうでなくても、ご自身の発信でお悩みがある方の相談に乗ります。よかったらTwitter(@narumi)までご連絡ください(サバンナでの仕事に興味がある、という方のご連絡もお待ちしております)。

ポッドキャストではより詳細に話してみました。



※この記事は「noteのみんな アドベントカレンダー2021」の2日目(12月2日分)でした。これから毎日記事がアップされる予定です。


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