ローマの暑い日、ピスタチオの香ばしさ
実はピスタチオのアイスが大好きだ。
アイスのフレーバーを選ぶときはまず選択肢に入る。毎回ピスタチオをベースにもう1つの味を決めるくらいだ。
だからツイッターにこの投稿が流れてきたときには、静かにスクショを撮ったものだ。いつか行かねばならない、と。
しかし「いつか」はその翌日やってきた。
居ても立っても居られなかったのだ。
ミニストップにはそれほど期待はしていなかったが、この「いちるさん」という人がここまで言うんだから食べてみるかと、クソ寒いなか行ってきた。
業界第4位という位置づけのコンビニは、特に用がないときには見かけるくせに、探すとなかなか見つからないものだ。
入店して、まずアイスケースの中を覗いてみたが、ない。もしやと思ってレジに向かったらあった。ソフトクリームだった。
ピスタチオソフト、250円。
「香ばし、クリーミー」らしい。
ちょっと高いな…と思ったけどせっかくここまで来たので買ってみた。
ひとくち食べてみる。
なるほど。
これは、うまい。
ピスタチオの濃厚な味わいがクリームの甘みと一緒にとろけていく。
しかし決して甘すぎない。
なんというか、おかずのようなソフトクリームだ。
飲んだ後、〆のらーめんの代わりになりそうなくらい“味のある”ソフトクリームである。
ナッツの香ばしさがとても力強く、何かを思い出させる。
この味は…なんだろう。
おそらくこんなにおいしいピスタチオのアイスを食べた記憶といえば、10年ほど前にローマの町中で買ったジェラートに遡る。
この日はとにかく暑かった。
やや面倒な仕事を終え、8月の照りつけるような太陽の下、石畳の道を歩いていた。
そのとき、ふと見かけたジェラート屋がやたらと輝いて見えた。
ピスタチオとレモンチェッロのダブルを注文したのを覚えている。
まだ20代の頃。汗をかきながら食べたピスタチオの味はいまだに忘れられない。
このときのピスタチオが僕のなかでのナンバーワンだった。ずっとそうだろうと思っていた。
しかし、10年後の渋谷。井の頭線の改札近くのミニストップで、その記録がついに更新されたことを嬉しく思う。
なお、左側のおじさんが冒頭のツイートの「いちるさん」である。